1 プロローグ
人外転生ものです!
まさかの転生先が植物だとは……。
俺の名前は大葉夜空。
何処にでもいる、普通の高校一年生だ。
どういうことか、俺は植物に転生してしまったぽい。
前、見た小説とかでは神を名乗る者に異世界に転送され勇者に選ばれて、魔王を倒しに行き、その道で美少女に会いハーレムを作っていた。
ところがどっこい、俺は神に会っていない。
友人に横腹を刺され、胸をサバイバルナイフで抉られたのが最後の記憶だ。
何故刺された?という疑問が頭に浮かぶ。
怒らせるような事をしたか?
否、あいつとは大の仲良しだ。あの日も普通に世間話をして帰っていたんだ。
あいつは昔から目立ちたがり屋で、ヒーローになりたいと言っていた。
道路をなかなか渡れないお婆さんの手を繋いで渡ってあげたり、泣いている子供を見つけては風船芸で笑わせていたり。
刺されるまでを振り返ってみよう。
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『夜空!今日も瑠花さんの事、授業中ずーっと見てたな!』
『ちょっと待てよ!あれはあれだよ!ほら、髪にゴミがついていたから取ってあげようか迷ってたんだよ!』
『へぇ~三時間ずっと見てた理由がそれか?夜空、お前もうそれストーカーレベルだぞ』
『ストーカーじゃねぇし、三時間迷ってたんだよ』
『まあ良いけど、ほどほどにしないと嫌われるぞ』
『分かってるっての!』
そう、ここまでは俺の好きな瑠花の話だ。
確かここから……。
『そういえば最近ここら辺で通り魔が出てるんだって』
『通り魔?』
『朝、先生が言ってただろ?』
『ああ、言ってたな』
ここで俺が話をそらそうと朝、先生が言ってた通り魔の話に持っていった。
『もう、二人も被害にあってるらしいな』
『確かその二人、死んだんだろう?』
『そうなんだよ、凶器は刃物らしいんだけど、その殺した後がエグいらしいぜ』
『夜空も気を付けないとな』
『おうよ、まあ俺は護身用にミニスタンガンを鞄に入れてるから安心だけど』
『そうか』
この時の秋雄の顔はひどく暗かった。
『夜空、昔から俺がヒーローに憧れてたの知ってるだろう?でも最近、気づいたんだよ』
『何に?』
『人を殺せば誰しもがヒーローになれると』
『は?』
そうだ、急に秋雄が変なことを言い出したんだ!
『本当は日曜日に殺ろうと思ってたんだが、やっぱり待ちきれねぇ!今すぐ、俺がヒーロー、いや英雄になるために死んでくれ』
『マジでどうしたんだよ!ちょ、お前!や、やめろぉ!』
『やっぱり!親友のお前は俺が殺さないとな!あぁぁあ!この感覚だよ!足の先から頭の辺りまでゾクゾクくるこの感じぃ!これでまた一歩、英雄への道に近づいた!あははは!!ふふははは!!』
今も覚えてる、アイツの満面の笑み、笑い声、脱力感や生暖かい血の温もり。
結局、スタンガンを取り出す暇もなく、殺されたんだよな。
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とまあ、こんな感じで呆気なく死んでしまった俺。
そして気づいたら、植物になっていたと。
何故、自分が植物だと確信を持って言えるのか?試しに右手?を前に伸ばしてみたんだ。
そこにあるのは小さなツル。左手?も同じだった。
顔は確認できてないが、ほぼ確定で植物だ。
前を通りすぎていく巨大な蜥蜴。デカめのコモドドラゴンの約十倍と言えば分かってくれるだろうか。
のしのしと前を我が物顔で通り過ぎるビックコモド。
動かせるのは手と頭くらいだ。頭を上下左右に少し動かせる程度。あと少し、根っこらしき足をうねらせるくらい。
簡単に言うと………この場から動けない!
腹も減ってきた、栄養を俺にくれぇ~!
その時、俺の目の前で獣同士の戦いが始まった。
「グガァァア!!」
こっちは緑の目をしたビックコモドの半分いくかどうかのサイズの熊だ。
「ブォォオオ!」
こっちも同じくらいのサイズの二足歩行の豚、右手には棍棒、腰には毛皮らしき物を巻いている。
こいつは何となくだが分かる、オークだろこれ。
「グガァアゥ!」
「ブォオォ!!!」
オークの首元目掛けて走り出した熊に棍棒をひとふりするオーク。
「グガァァァアア!!」
「ブォオ!ブォオォオオ!!」
脳天目掛けて降り下ろした棍棒は見事命中、倒れた熊に止めといわんばかりに棍棒を振り下ろす。
「ブォブォオオ!」
熊を倒せて、ご機嫌なオークさん。腰に巻いている毛皮の中から錆びたナイフを取りだし、毛皮を剥ぎ取り、肉を解体しようとしたときだった。
「ブォォオ?ブオオオ!!」
急に熊とは真逆の方向に走り出した。何かに怯えるように。
てか、怯えてるわりにはきっちりと毛皮だけは持ってくのな。
というか、毛皮剥ぎ取るってこの世界のオークは賢いのか?
それにしてもさっきのオーク強くねぇか!?




