第5話「つぼみが開いた時」
魔法使いになれたカイナが興奮している時、ある事を思い出した。
そう言えば、あの本を持って来ていた…それは、バハムや、ヴァルキリーという人物について書かれていた本だった。今は、ロッカーに入っている。
それにしても、何故、最後のページは破られているのだろうか…
このページは、深い意味があるのだろうか…
それはさておき、この魔法保育所での生活は少し過酷なものだった。
朝は、朝食を済ませた後、魔法の勉強をする。ミッチリ練習を済ませた後、昼食を済ませ、やっと一息つける。昼寝の時間があるからだ。
夕食を済ませたら、魔法使いへの訓練を始める。これを、7時頃までやり就寝する。
そんな毎日だった。この世界では、1歳にしては、厳しい日々を送っている事に気付いた。
そして、あっという間に、2ヶ月がたった。カイナも少し友達ができた時の事だ。
いつもの様に、魔法の練習を繰り返ししている時の事だ。
カイナは、少しずつ呆れて来た。いつまでも、小さな小さな雷だけ、落ちるからだ。
カイナは苛立って、迫力のある声で唱えた。
「〜〜〜〜〜〜!!!!!!ハァーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
その時だった!
空に一筋の光が見え、巨大な雷が落ちた。
地面が凹んでしまった。
あまりの迫力がある魔法に、周りにいる人々は勿論のこと、カイナ自身も驚いていた。
すると、叔母さん達が喋り始めた。
「凄い!あんな魔法をこんなに早く使い慣れた子は、初めてね…」
「この子は、この星の英雄になれるよ!」
叔母さん達が騒いでいる時、1人の叔母さんが、こんな事を言っていた。あの無表情な叔母さんだ。
「あの子はもしや…旧ガイアス人の末裔……か…」
あの無表情な叔母さんが、少しびっくりしている。こんな事は、初めてだった。
「旧ガイアス人」この言葉の意味を知るのは、ずっと後の事だ。