プロローグ
新しく書き始めました。
よかったらよろしくお願いします!
俺は某進学高校の18歳。
今、目の前には今まで見たことがないような西洋の屋敷の中にいる。
とても広い部屋で高校の一クラス丸々の人数が余裕で入るくらいだ、
周りにはクラスメイトと思われる人たちが驚いて周りを同じように見回している。
ありえない・・・・でももしかしたら俺の予想は当たっているかもしれない。
周りには悟られないように小さくガッツポーズをしたのは、
3年生になってわずか1カ月で不登校になり、
1学期が終わる終業式に無理やり親に学校まで連れてこられた「轟 真 」である。
今日は高校の終業式がある。
朝から母親がめっちゃうるさくて嫌になる…。
「真!!今日ぐらい学校行きなさいよ。まぁ嫌でも車に乗せて連れていくけどね」
この小うるさくて朝から元気なのが真の母である 轟 茜である。
「学校なんか行かなくても生きていけるんですがね」
「あんたまだそんなこと言ってんの?そんなんだから成績も落ちていじめられちゃうんだよ」
ぼそっと独り言を言った真の言葉を拾ったのは黒髪のセミロングで高身長の美少女の姉 轟 結であった。
結は真の2歳上であり、真と同じ高校の卒業生で元生徒会長の現在は大学2年生である。
結は高校でもファンクラブができるほどの美少女であり、
なおかつ成績優秀で教師からの信頼も厚かったことから真は入学してすぐ有名になってしまった。
先生たちからは「おぉ~轟さんの弟さんか!!」
先輩たちからは「結先輩の弟さん」
同学年からは「美人の生徒会長の弟」
など入学式が終わった直後から声を掛けられまくる始末だ。
結と違って真は身長も日本人の平均だし、
顔だって中の中といった至って平凡である。
「だいたいねぇちゃんにも俺が不登校になってる原因はあると思うんだけど」
「はぁ~?なんでよ」不機嫌そうに答える結。
「ねぇちゃんが外面よすぎてみんな俺にもそういったの期待してんのわかんだよ」
「うっさ!!だいたい外でいい顔すんのは当たり前なんだよ!!
いいか?私が頭いいのは私の努力のたまもの!!
私がかわいいのはお父さんとお母さんのおかげもあるけど、
日々の私の努力がさらに可愛さに磨きをかけてんの!!
無駄毛の処理とか化粧とか生理とか女の子は大変なんだよ!!
男よりも身支度に時間かかんだから!!女舐めんなよ。このひきこもりのクズが!!」
「結言い過ぎ。真もおねぇちゃんのせいにしないの!!」
母が姉と俺に注意をする。
姉のファンクラブの者たちよ…これが現実だぞ。
こんな女のどこがいいんだ。
「真そろそろ学校まで車で行くから準備して」
母にそう言われて仕方なく3ヶ月ぶりに征服に袖を通し、
車に乗って学校に向かう。
3ヶ月ぶりの学校といっても終業式だけだから午前中の早い時間で終わる。
終わったら速攻帰ってゲームやったり、ライトノベル読んだりしよう。
そんなことを考えながら重い足取りで自分のクラスである3年2組に向かっている。
「ガラッ」扉を開けて中に入ろうとするとクラス全員の視線が自分に集まったのがすぐわかった。
「轟きたんだ」
「俺、まだ一回も話したことないや」
「みんなそんなもんだよ」
クラスメイトのいろんな声が聞こえてくる中でひときわ大きい声を発した男が近づいてくる。
「轟!!お前なにしに来てんだよ!!」
身長180センチで短髪のイケメンの青島 大輔だ。
「終業式に出ろって母親がうるさいから仕方なく来たんだよ」と坦々と答える。
「お前が来ると空気が悪くなんだよ!!とっとと帰れ!!」
口が悪くなければ相当モテているだろうに。残念なイケメンだ。
この残念なイケメンが俺に悪態をついてくるのにはわけがある。それは…
「青島クン!!クラスメイトにそんな言い方ないでしょ!!轟クンおはよう」
「おっおはよう。山本さん」
この女の子が原因である。名前は山本 彩。
身長160センチの黒髪ロングヘアーの童顔美少女でクラス一、いや学年一人気があるのだ。
「ぐっ」青島が黙る。
「轟くん久しぶりだね!!」
「あぁ。3ヶ月ぶりに学校に来たからね」
「ところで、結様はお元気ですか?」
そう。何を隠そうこの学年一の美少女である山本 彩は現在の生徒会長にして、
轟結ファンクラブのメンバー(会員番号111)なのである。
3年生になってから毎日のように山本には姉のことを逐一聞かれ、
山本が俺に話かけるのをよく思っていない男子(主に青島)からは陰湿な嫌がらせを受けたせいで不登校になったのである。
いじめが嫌だとかそういうのではなく、どちらかというとこいつらの相手をするのがめんどくさくて行かなくなった。
だからねぇちゃんにも責任があると思ったんだが、あれは身内の言い分を全く聞かないから意味なかった。
「ねぇちゃんは相変わらず元気だよ。山本さん」
「そっか。結様がいるときに今度轟くんのお家言ってもいい?」
「それは俺じゃなくて本人に聞いてよ。生徒会で一緒だったんだからラインぐらい知ってるでしょ?」
「うぅ。わかった。勇気出して自分で聞いてみるね」
そういって山本は自分の席に戻っていったが、青島をはじめクラスの男子からの目が痛い。
はぁ。早く家帰ってラノベの続きでも読みたいんだけど、
まだホームルームはじまんないのか。もう時間も過ぎてるし、クラスメイトも全員揃ってるぞ。
その時大きな地震がおきた。
「うぉなんだ!!」
「すごい揺れだ!!みんな机の下に隠れろ」
「キャー」
「こ、怖いよう!」
クラスメイトが騒いでる中で俺は一人だけ外を見ていた。
おかしいぞ。外では普通にみんな何食わぬ顔で歩いている。
教室の入り口に目をやると教師が数人がかりで扉を開けようとしている光景がかすかに見える…
「うわっ。なんだ!!」思わず叫んでしまった。
急に視界が真っ暗になったかと思ったら高いところから落ちているような感覚に襲われたからだ。
上を向いたら教室の天井が遥か遠くに見える。下は…真っ暗だ。
意識が遠のいていくのを感じる…。