幸か不幸かは本人次第
気まぐれです。内容は無いよう。
2×××年。この地球と星で妖怪・モンスターといった存在が国際的に認知されてから早百年ちょい経つ。妖怪・モンスターが認められたのは第三次世界大戦が始まり各国で核爆弾を撃ちまくり、放射線を大量にばらまいた結果なのか……。突如として世界中の空や森、海といった場所の空間が歪み彼らが戦場に現れた。それからはもうえらいこっちゃ。彼らは暴れるわ暴れるわ。摩訶不思議能力を駆使して現代科学を玩具のように弄び、戦争をしていた各国を阿鼻叫喚の渦に叩き落とした。しかも第三次世界大戦に参加していない各国にも彼らは牙を剥いた。防衛の為戦争をしていた筈の国々と戦争を行っていない国々は手を結びこの問題に全力で取り組んだのだ。人間、共通の敵がいると強い団結力を発揮するよね。まぁ、もっとも。妖怪・モンスターといった彼らも暴れまわる奴らだけでなく、中には人間と共存することを良しとする者達もいた。そういった妖怪・モンスターの存在もあって人間という種族は結果的に絶滅しなかったと私個人は思っているのだが。はてさて、ここまで長々と話しましたが、私は今とてもピンチな目にあっております。というのも……………。
「食人鬼に喰われるー!! 誰かた~す~け~て~!」
現在、出刃包丁を持ったそれはそれは恐ろしい化け物に追われている最中なのです。
一応彼らを取り締まる組織が在るにはあるんですが、今、この場には望むべくものであります。
都合良く、助けの手は伸ばされないのです。
………単に真夜中のコンビニに向かう最、魔除けのお札を忘れた私に非があるのだとしても。
嗚呼。私はここでこの恐ろしい化け物に喰われてしまうのでしょうか?
この世に生を受けて二十余年。
───せめて彼氏ぐらいは欲しかったぜ。コンチクショウーーー!!!!
『まぁ~て~そこの女~その肉、喰~わ~せ~ろ~』
「いっっっやああああああ!!!!」
全力で走ってはいても、所詮は異形と人間の追いかけっこ。軍配がどちらに挙がるかなど分かりきったことだったのです。
「!? きぃやああ!!」
遂に私は足をもたらせて転んでしまいました。その隙を見逃さない化け物ではありませんでした。
『もらったぞ! お~ん~なー!!』
「!!」
人間、あまりに恐怖が過ぎると逆に声が出なくなってしまうのですね……。こんなこと実体験したくなかったぜ!!
しかし、天は私を見捨てていなかった!!
『ギッシィヤアアアアア!!!』
断末魔の悲鳴を上げたのは化け物の方だった。
私は超イケメンの細マッチョ系(推定)美男子に助けられたのだ。地獄に仏とは正にこのこと。しかもこんな登場の仕方をするだなんて惚れてまうわー!!
化け物を見事倒した超イケメンは私に向き直りそれはそれは優雅に微笑むと私のおつがいに手をのばしたのだ! こ、これはまさか!?
『うむ。あまり若くは無いがそこそこの美貌ではあるな。貴様を今宵の私の糧としてやろう』
「……………………………………」
天は私を見捨ててた!!!
私は超イケメンの美男子に右ストレートを叩き込んだ私は再び逃走劇を開始したのだった。
つか、そこそこの美貌ってなに! 微妙に褒めてないわ馬鹿やろー!!
この逃走劇は私の暮らしているアパート(退魔の結界が張ってある)の敷地内に入るまで続いたのだった。
●○●○●○●○
翌日。
会社に出社した私は昨夜の悪夢を記憶の奥底に叩き込み、気分も新たに意気揚々と仕事をこなした。
定時になったので帰宅の準備を始めていた私に課長から呼び出しがきた。
「私が明日のプレゼンに?」
「あちらの意向でね。私も驚いたが、あまりにも熱心に向こうが言ってきてね……」
本当に不思議に思っているのであろう。首を傾げながら私に話す課長の表情は訝しげだった。
「まぁ、そうゆうことだから宜しく頼むよ」
「はぁ…」
疑問に思いつつもせっかくのチャンスである。これは気合いを入れて取り組むしかないでしょう!!
と、この時は思ってましたさ!!
『あの夜以来だな? これからはビジネスパートナーとして宜しく頼むぞ(ニヤリ)』
「………………………………………………………」
そこにおわしたのは一昨日の晩、化け物から私を救ってくれた恩人であり……………私を化け物の代わりに喰おうとした超イケメン細マッチョ系の美男子だった!!!!!!
確かに妖怪・モンスターでも人間社会に溶け込んでいるのもいるけれども!
心の中に絶叫が轟いたのは言うまでもないだろう。
命が助かったと思ったら、助けてくれた恩人が実は捕食者で。仕事でチャンスが巡ってきた! 出世のチャンスだ!! と思ったら私を捕食者しようとしさ人外が再び現れた……。
神よ! 私に一体何をなさ示させようというのか!! 私には無理です!!
チェンジで!!!
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