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施療神官の特性とビルド

――――――

 ◆施療神官 クレリック

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戦場での役割:前衛支援or後衛支援

HP:普通より少し高め

MP:普通より少し低め

装備可能な鎧:金属鎧、鎖帷子、皮鎧、布鎧、小型盾

装備可能な白兵武器:杖、剣、打撃武器、魔法具

装備可能な射撃武器:なし

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 神殿に仕える聖職者をイメージした施療神官クレリックは、仲間の受けた傷を癒すことにかけては12職業中でもっとも優れた性能を誇る(とされている)回復のスペシャリストである。〈ヒール〉のように仲間のHPを直接回復する魔法や、〈ヒーリングフォージ〉のように攻撃と回復を同時に行う技を駆使してパーティの戦線を支えるが、もっとも特徴的なのは〈リアクティブヒール〉をはじめとする「反応起動型回復魔法」だろう。

 「反応起動型回復魔法」は、仲間にあらかじめかけておくと、敵の攻撃によるダメージに反応して自動的に回復を行ってくれる魔法である。施療神官のレベルにもよるが、通常の敵の攻撃ならば3~10回分のダメージはほとんど相殺してしまうため、優れた施療神官を擁するパーティは、「HPが減った次の瞬間→〈リアクティブヒール〉の効果によって回復」を繰り返すことができ、非常に安定感が高い。

 回復系職業の中で重装備の防具と盾を装備できるのは施療神官のみであり、HPもやや高めなこともあって、前衛と肩を並べてモンスターと戦う「殴りクレリック」も数多く見られる。攻撃能力自体はあまり優秀ではないものの、前線で戦えるという事はパーティ全体の攻撃力・耐久力の底上げにつながり、結果として自身のヒールワークを手助けすることにもなるのだ。

 このように、単純な回復性能においては他の追随を許さない施療神官だが、状況に即応する能力は他の回復系職業に一歩譲る、と言われている。「反応起動型回復魔法」は強力だが、一撃でHPを0にするようなダメージには対応できないし、ダメージそのものは一瞬とはいえ受けてしまうため、攻撃に付随する毒などの効果をそれだけで防ぐというわけにいかない。MPもそこまで高いわけではないので、何も考えずに〈ヒール〉を連発していては肝心のピンチにMPが切れる、ということにもなりかねない。

 魔法攻撃なども行えるが、その多くは光属性に偏っているために、モンスターによって相性の差が激しい。また重装備職の常として、装備依存が激しく、レイド産の高級装備をもとめる方向性が強いのもプレイヤーを選ぶ原因のひとつである。

 数多く取得する回復魔法のうちどれを使うかも、プレイヤーの腕の見せ所といえるだろう。


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◆ビルド:アーマークレリック:重装甲型

 金属鎧と盾で身を固め、剣やメイスなどの武器を携えた「神官戦士」ビルドは、施療神官の中でも一般的な形のひとつである。

 パーティの生命線である施療神官が前線で敵と戦うのは一見、危険なように見えるかもしれないが、もっとも頻繁に回復が必要なのはパーティの前衛である戦士たちであり、その傍らにいる施療神官ならば、彼らの状況に応じて適切な回復を行うことができる。魔法の中には射程距離が短く、前線にいなければ機能しないものもあるためだ。

 さらに、攻撃に参加することによってモンスターを殲滅する速度が上がり、結果としてパーティ全体の被害を抑えることにもつながるメリットもある。

 「神官戦士」たちは、〈ディヴァインマイト〉や〈ホーリーヒット〉などの自己強化スキルや、〈フェイスフルブレード〉〈ホーリーシールド〉などの近接攻撃スキルを重視している者が多い。中でも〈ヒーリングフォージ〉は、敵への攻撃と味方への回復を一手で兼ねることのできる優秀なスキルで、「神官戦士」にとっては定番のスキルと言ってよいだろう。

 もちろん、施療神官である以上は〈リアクティブヒール〉などの回復魔法も疎かにはしてはいない。自己回復しながら戦い続けることができる「神官戦士」の継続戦闘能力は高く、「神官戦士」が立っている限り、パーティの仲間は安心して攻撃に集中できるのだ。また、攻撃スキルと回復スキルをバランスよく持つことから、パーティを組まずにプレイするソロプレイヤーの間でも人気の高いビルドである。

 作中では外伝登場のコッペリアが典型的なアーマークレリックである。決戦装備として両方の手にひとつづつのカイトシールドをもつコッペリアはアーマークレリックの中でも最硬とよばれる「ツインシールド」ビルドで、〈ホーリーシールド〉による突撃攻撃と範囲回復による活躍を見せた。



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◆ビルド:ハイヒーラー:回復集中型

 モンスターの攻撃が届きにくい後方で待機し、前衛で戦う仲間を攻撃魔法と回復魔法で援護するビルドが「癒し手〈ルビ:ハイヒーラー〉」だ。

 防御力を重視して金属鎧や盾を持つこともあるが、回復魔法を増強する効果のあるローブなどを着ていることが多い。武器も、攻撃力の高いものよりは援護向きの能力を持った杖などを携えているキャラクターがほとんどである。

 「癒し手」の強みは、その援護能力の高さである。〈リアクティブヒール〉をはじめとする回復魔法、〈エナジープロテクション〉〈セイクリッドウォール〉といった味方を強化する援護魔法バフ、そして時には敵を直接攻撃する〈ジャッジメントレイ〉などの遠距離攻撃魔法を用いて、戦線を維持する。自分が安全な位置にいる分、仲間の援護に集中できる、というわけだ。

 回復のスペシャリストたる施療神官の中でもさらに回復能力を突き詰めた形である「癒し手」の需要は高く、腕の良い「癒し手」はどこのギルドにいっても歓迎されるだろう。自分より仲間を優先するスタイルゆえか、周囲から信頼されているプレイヤーが多いようだ。

 前線から下がるためにアーマークレリックに比べて、敵の範囲魔法に巻き込まれないですむという利点がある。また、回復職用の軽装鎧は、同ランクの重装鎧にくらべて最大MP増加効果が高い(一方で重装鎧にはHP+効果がつきやすく、また高い)。結果としてローブクレリックはアーマークレリックより高いMPを誇ることになる。このMPの余裕の運用から、特に格上との戦いではアーマークレリックよりも秀でているとされる。

 作中では〈三日月同盟〉のマリエールが典型的な援護型ハイヒーラーである。

 最近ではてとらが近接で軽装施療神官という、難易度の高いハイブリットプレイをみせている。


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