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ようこそ〈フォルモサ島〉へ!!

ログホラ台湾は、すばらしい翻訳者はにわさんのリクエスト&仲介で進行した突発企画なのです。もしかしたら台湾の人がこれで二次創作を書いてくれるかもしれません。

◆概要

 〈フォルモサ島〉は、〈ハーフガイア・プロジェクト〉において、現実世界の台湾に位置する島である。ゲーム時代のサーバー割り当ては中国。島一つとしてはかなりの広さを持ち、プレイヤータウン、都市機能、ダンジョンなどがひと通り存在するため、全ての素材がこの島だけでまかなえるわけではないものの、〈大災害〉後の〈冒険者〉が暮らすために必要な環境は島のみで完結している。



◆歴史

 〈エルダーテイル〉初期の〈フォルモサ島〉は、作られたばかりのキャラクターが、ゲームの操作や基本的なシステム等を学ぶ、チュートリアル用のエリアであった。当時はチュートリアルを終えてこの島を出たら戻って来ることはできず、一部のプレイヤーには惜しまれていた。

 無論〈ハーフガイア・プロジェクト〉を根底に置いてる以上、物理的に海を越えればこの島に入れるのだが、海域には無数の鮫、上空には透明な巨大飛行クラゲの群れが存在し、いずれもレイドエネミー級の強さだったため、当初はこれらのモンスターを攻略することは不可能であり、〈フォルモサ島〉はチュートリアル専用のエリアであることが定説であり、また事実だった。

 しかし、時代が下るにつれ、この島を懐かしむプレイヤーの声が増え始め、運営がそれに応える形で〈フォルモサ島〉にプレイヤータウンの拡充と新ダンジョンが実装され、周辺海域の海洋モンスターも弱体化された。それによって、ある程度のレベルがあれば問題なく海域を突破して大陸から〈フォルモサ島〉へ移動することができるようになった。

 それ以後も各レベル帯に対応するかのようにダンジョンは徐々に増えていき、結果的に〈フォルモサ島〉は非常に広いレベル帯に向けたコンテンツが揃った地域となった。


 〈大災害〉が起きた時、〈フォルモサ島〉にいたプレイヤーは数千人程度。言うまでもなく他地域と同様に大きな混乱が起き、〈冒険者〉と〈大地人〉の間に溝が発生していた時期もあったが、〈冒険者〉が当初の混乱から立ち直るにつれて両者の関係は微妙な距離を開けて安定していった。しかし、定期クエスト〈ユーシャンの大礼拝〉に際し、〈フォルモサ島〉の〈大地人〉の代表者である〈フォルモサの四巫女〉の一人ヒカルが大きく〈冒険者〉に協力を呼びかけたことで〈大地人〉と〈冒険者〉の関係は確立され、ポジティブな交流が大きく始まった。

 しばらくの期間が過ぎた後には、フィールドのモンスターレベルが高い本土から苦労して海を越えてやってくる〈冒険者〉もおり、現在は緩やかに〈冒険者〉の数は増えつつある。無論、〈フォルモサ島〉に拠点をおきながら本土へと遠征するギルドも存在する。



◆地理

 〈ハーフガイア・プロジェクト〉に基づき、現実の台湾に対応した地形になっている。島の半ばから東側は山地が占め、その中には高山地帯や火山も存在しており、多くのダンジョンや、火山にはつきものの温泉があり、主に温泉の場所を中心として、小規模な〈大地人〉の集落が点在している。都市機能は主に西から北にかけての平地に集中している。

 島北部にはフォルモサの大神殿を持つプレイヤータウン〈シンペイ〉があり、その近くにはこの島を統治する〈フォルモサの四巫女〉をはじめとする、この島の大地人が多く住む都市〈タイペイ〉が存在している。南にも〈カオシュンの街〉という都市があるものの、東には小規模な村がいくつかあるだけである。

 低緯度の気候であり全体として暖かいが、島の半分以上を占める山地、特に高山地帯ではその標高に相応しい寒冷地になっている。


◆社会状況

 〈フォルモサ島〉の〈大地人〉社会を統治しているのは、〈フォルモサの四巫女〉と呼ばれる姉妹と、その下にある貴族議会である。この四人の巫女は議会に対して大きな発言力を持ち、貴族議会はその調整と実務を行うのが主な役割となっている。また、彼女たちは年に一度、〈霊峰ユーシャン〉の山頂へ参拝することになっており、その際には〈ユーシャンの大礼拝〉という大規模クエストが発生してする。

 〈大災害〉直後は世界の他の地域と同様に大きな混乱があったものの、現在は落ち着いている。これには〈料理人〉による食料調理技術の発見前にも果物類が豊富に手に入ったことで食糧不安が深刻化しなかったこと、また〈大地人〉に大らかな者が多く、〈冒険者〉の側の意識を統一するだけで比較的初期に問題が収束したことが大きい。

 さらには、〈大災害〉後に〈ユーシャンの大礼拝〉が最初に行われた時、〈フォルモサの四巫女〉の三女ヒカルが広く〈冒険者〉に助けを呼びかけ、また〈冒険者〉たちがそれに応じたことが大きなきっかけとなって〈大地人〉と〈冒険者〉の関係に一つの形が示されたと見るものが多い。

 総じて〈冒険者〉と〈大地人〉の関係は良好である。周辺海域を越えること自体がちょっとした冒険になることもあって外部からの影響も小さいため、情勢は安定期にあると言えるだろう。


◆〈大地人〉

 〈フォルモサ島〉の〈大地人〉は概ね陽気で、またあまり細かいことを気にしない大雑把な性格をしたものが多い。ゲーム時代に自動算出される細かい値段で支払おうとしたら適当にまけてくれた、などという話も珍しくないほどである。

 またどういうわけか、時計を使っているわけでもないのに、毎日同じ時刻に示し合わせたかのように屋台が一斉に片付けられる。

 その後は楽しみの時間とでもいうのか、それまでの仕事のことなどまるきり忘れたかのようにそこらの人と喋りだしたりその場で酒を飲んだりと無秩序の様相を呈しだす。そして疲れた頃に三々五々家路につくのである。


◆モンスター

 フィールドのモンスターは、もともとチュートリアルの島だけあってオーソドックスな動物型、人型の低レベルモンスターが多い。内地にはゴブリン、海辺にはサファギンがよく見られ、また海中から山岳まで、生息地を問わず多種多様なアシカ型のモンスター亜種が存在している。高レベルダンジョンの周りではそれなりに強力なモンスターが闊歩しているが、その生息および行動範囲は非常に狭く、気をつければ遭遇することもなくたいていの目的地へ移動できる。


・〈フレイムゴールドツリー〉

 フィールドにちょくちょく出現する、炎のように紅い葉を茂らせた樹木。移動はできないが、その代わりに炸裂する実を飛ばして攻撃してくる。その葉が制作素材になるためよく〈冒険者〉に狩られているが、耐久力が高く適正レベルだと少々手こずる。


・〈スカイゼリーフィッシュ〉

 直径数メートルにも及ぶ、透明な巨大クラゲ。麻痺毒針を持つ触手と電撃ダメージを与える触手を複数持ち、別の触手で捕らえてからとどめを刺す戦法を使う。高空に生息しており、〈ユーシャンの大礼拝〉においてはボスモンスターとして出現する。ボスモンスターとして出現する時は陸地に降りてくるため対等に戦えるが、何らかの方法で空を飛んで移動しようとする時に遭遇すると、ボスモンスターの性能そのままに多数の群れで襲いかかってくるため、空中で動きを制限された状態ではまず勝つことは不可能である。


・ディープシーライオン

 〈金剛石の海中宮殿〉に出現するボスモンスター。アシカによく似た姿をしているが、深海に適応して陸上生物ではなくなっている。また、その体には異形の器官がいくつも生えており、そこから生体砲弾や魚雷イカを発射してくる。動きは鈍いが非常にタフで、強力な攻撃性能は非常に厄介である。


・〈天仰公〉(デアデビル・ハウラー)

 フォルモサ島南西に浮かぶ小島に出現する大イノシシ。小山のような巨躯に、硬質化した毛皮を鎧のようにまとっており、数匹のイノシシを伴って島内を巡回している。高いHPと防御力に加えて、咆哮によって自己と周囲のモンスターを強化し、同時にこちらの行動をキャンセルさせてくる強敵。素材として上質の肉をドロップするほか、極低確率ながら討伐後にペットにできることがある。ゲーム時代から「パーティ内に女性がいると狙われやすいが、ペットになる確率が高い」など不確定な噂もあったが未検証。



◆文化

 政治の中心地である〈タイペイ〉よりも、プレイヤータウンである〈シンペイ〉の方が人の流動性が高く、活気があって交流が盛んである。〈シンペイ〉の中央広場には毎日非常に多くの屋台が並び、だいたいの買い物はそこで済ませることができる。まるで毎日が縁日のような有様であるが、もちろん固定の店舗を構えた店もある。そのような店はやや高級な雰囲気を持っているか、あるいは銀行や家具屋など、商売そのものに建物を要する類の店であることが多い。

 〈フォルモサ島〉で特徴的な家畜はアシカである。海辺に生息する動物であるアシカだが、〈フォルモサ島〉のアシカは陸上にも適応した種が存在し、大人しく素直で力が強いため荷引きや農作業を行う家畜として使われていることが多い。種によっては地上を非常に早い速度で走るものすらある。街道をのしのし歩くアシカ車は、〈シンペイ〉のみならず〈フォルモサ島〉の都市ではよく見られる光景である。

 主食は果物が多い。マンゴーやパイナップル、バナナといった熱帯のものの他に、柑橘類や梨、葡萄なども多く、サトウキビなども自生していたり畑で生産されている。



◆著名な登場人物

■ヒカル 〈大地人〉女 16歳

「いえ~い! ヒカルちゃんだよ~!」

 〈フォルモサ島〉を統治する〈大地人〉の長である〈フォルモサの四巫女〉の一人にして、〈冒険者〉との窓口の代表者。明るく活発で、どこにでも首を突っ込む好奇心旺盛な美しい少女である。物怖じせず人懐っこい性格で街中に出て行くことも多く、屋台で買い食いしている姿もしょっちゅう見ることができる。〈ユーシャンの大礼拝〉においては、その草の根活動で冒険者の多くと顔見知りとなっていたことが要請においては強力に働いた。

 〈フォルモサの四巫女〉はヒカルの姉妹であり、いずれ劣らぬ美貌を持つ。ヒカルの他には政務全体を取り仕切る才媛の長女、神秘的な雰囲気を持つ引きこもりがちの次女、無邪気でありながら事の本質を見通す四女がいる。


■ファンガン 〈大地人〉男 48歳

「正しい答えなど誰にもわからん、だが何処にかは向かわねばならんのだ」

 好々爺然とした顔つきとふくよかな体格を持ちながら、その厳格な声と言動で〈タイペイ〉の貴族会議の議長を務める〈大地人〉の中年男性。〈大災害〉によって世界が大きく変化したことを感じ取り、〈フォルモサ島〉の現状に危機感を抱くものの、どのような形を目指すべきかは慎重に判断すべきと考えている。〈フォルモサの四巫女〉でありながら、しょっちゅう街中へ出て行ってしまうヒカルの行動が頭痛の種だが、〈冒険者〉との関係を確立するのに一役買ったことで以前より苦言も言いづらく、額の皺が増えている。


・〈冒険者〉

■“蒼星大侠”ラピス・ストーン

「ボクの大切な人には、誰一人傷ついて欲しくないんだ」

 北欧出身の〈冒険者〉。とある事件をきっかけに故郷から離れて大陸を横断し、〈大災害〉後に外部から〈フォルモサ島〉に来た最初の〈冒険者〉である。一流派を究めた達人であるが、その強さに反して、時には敵にさえ哀れみや悲しみを抱くほどに優しすぎる気性の持ち主。行く先々で流浪の武侠を名乗って力無き人々に代わって戦っている。中性的な美少年に見えるが、その正体は男装の麗人。


■"太公钓魚"姜小子

「はてさて、釣れた魚と逃した魚、どちらの話をしますかな」

 猫人族の老人。高レベルプレイヤーながら、現在はほとんどの時間をどこかのフィールドで釣りをすることに費やしている。そこに何か意味や目的があるのか、ただの趣味なのかは判然としないが、問われても含蓄のある言葉で煙にまくばかりである。世間の動きには我関せずを決め込んでいるが、〈ユーシャンの大礼拝〉以来「空の魚を釣り上げ、もとい釣り下げる」ことに興味を示しだしたようだ。



◆ダンジョン

 ここではダンジョンをいくつか挙げるが、無論これだけではなく他にも大小様々なものが存在している。


〈テーマパーク・モンスターハウス〉

 島のほぼ中央、山岳地帯の麓に存在する、その名の通りテーマパークめいた演出に重きをおいた、複数のダンジョンがセットになって構築されている複合ダンジョン。出現するモンスターは他の地域に出現するモンスターをディフォルメしたもので、そのバリエーションは非常に広い。

 モンスターのレベルは全体的に低めだが、エリア別に適正レベルが分かれており、レベルを上げていけば自然と新しいエリアに行けるようになっている。


〈ヘブンクイーンの聖宮〉

 〈ヘブンクイーン〉〈ハンサムベアード〉〈オールシーヤー〉の三人の聖人をモチーフにしたボスがおり、それぞれとその従者が守る霊廟を巡る高レベルダンジョン。一つ一つのエリアを自由に攻略することができるが、間を置かず一度に全てのエリアを攻略することで追加の報酬を得ることもできる。


〈霊峰ユーシャン〉

 フォルモサで最も高い山の山頂であり、オープンフィールド型のダンジョン。〈フォルモサの四巫女〉が山頂の社に参拝するのを護衛する大規模クエスト〈ユーシャンの大礼拝〉が定期的に発生し、その際には、クエストのボスとして普段は上空にいる〈スカイゼリーフィッシュ〉が山頂へ降下して襲ってくる。


〈金剛石の海中宮殿〉

 フォルモサの北の海に沈む、ダイヤモンドでできた海底遺跡。だがもちろんダイヤモンドでできているわけはなく、錆びない金属などの光物に多くのモンスターが寄り付いている沈没船である。

ボスはこの遺跡をテリトリーにしている〈ディープシーライオン〉。深海に適応したアシカによく似たモンスターであり、大砲や魚雷などのような効果を持つ器官を数多く備えている。

ログホラの世界、セルデシアは、空白が非常に多い世界です。(かなり意図的にそうしてあります)。こんな感じで、冒険の舞台が今日もどこかで生まれているかもしれません。

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