守護戦士の特性とビルド
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◆守護戦士 ガーディアン
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戦場での役割:前衛で防衛しつつ敵を自分に引きつける
HP:高い
MP:普通
装備可能な鎧:金属鎧、鎖帷子、皮鎧、布鎧、大型盾
装備可能な白兵武器:ほとんど全て
装備可能な射撃武器:ショートボウ、ロングボウ
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ガーディアンの名があらわすように、〈守護戦士〉は戦士3職の中でも己と仲間の身を守ることに特化した能力を持つ。特筆するべきは豊富なヘイト制御能力とダメージ軽減能力、そして仲間へのダメージを肩代わりする「かばう」系特技の存在である。
〈アンカーハウル〉に代表される「挑発」特技で敵愾心を稼ぎ、その攻撃を一身に引き受けることでパーティの盾となる。万が一仲間に攻撃の目が向いた時は、その身をもって「かばう」ことで被害を食い止める。堅固な鎧や盾を駆使して鉄壁の防御を行い、戦場に立ち続けるその背中は、後衛を務める仲間たちに絶大な安心感をもたらすだろう。
戦士職の中でも最も重装備の扱いに長け、基本装備とされる片手剣や盾のみならず、両手剣などの重武器も使いこなす。本職のアタッカーである〈暗殺者〉や〈盗剣士〉に及ばないまでも、その攻撃能力は決して低くはない。ただし〈守護戦士〉の使える攻撃用特技の数は多いとは言えず、十分な火力を発揮させるためには特技よりも装備に依存する割合が高くなってくる。だが逆に言えば、装備によっては単なる「盾役」にとどまらない活躍をさせられるだけのポテンシャルを秘めている、ということでもあるのだ。
もちろん〈守護戦士〉の第一義である防御力を落とさず、攻撃力を両立させるためにはそれなり以上の金額を装備に投資する必要が出てくる。ただでさえ他職に比べても防具の費用がかさむ〈守護戦士〉が一線級の装備と実力を身につけるまでには、技術の研鑽もさることながらしっかりとした長期的な金策が必要となってくるだろう。そのため駆け出し~中堅の〈守護戦士〉たちが金策に四苦八苦する様をさして「守護銭士」などと茶化されることもあるという。
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◆ビルド:フォートレス:オーソドックスな盾役
固い鎧に大型の盾と片手剣を装備した直継は、〈エルダーテイル〉においてはいわゆる標準的な〈守護戦士〉といえる。
戦闘においては常に仲間の先頭に立ち、〈アンカーハウル〉〈タウンティングシャウト〉といった挑発特技を使用して敵のヘイト(敵愾心)を高め、その攻撃を自分へと集中させ、仲間が自由に動けるようにするが、同時に自らも攻撃に参加して敵の体力を削るのも重要な役割である。〈クロススラッシュ〉などが基本攻撃技として多用される。
敵からの攻撃は〈シールドマスタリー〉などの特技によって強化された盾、そして厚い鎧による高い防御力で攻撃を受け止め、大きなダメージも〈アイアンバウンス〉による軽減で最小限に。また移動力を犠牲に防御力を高める〈フォートレス・スタンス〉や、強力な足止め能力を発揮する〈ヘヴィアンカー・スタンス〉といった「構え」と呼ばれる特技を併用することで、さらに前線構築能力を高めている。もちろん〈守護戦士〉単体でいつまでも敵の攻撃を受け止めることは不可能だが、一撃で倒れてしまうことさえなければ仲間の回復や援護により戦線を維持し続けることが出来るのだ。
また、敵からの攻撃を受け止めるだけではなく、〈シールドスマッシュ〉による妨害などで、敵の厄介な攻撃を防止するのも重要な役割のひとつとなっている。そのため敵の「出させてはいけない攻撃」を知り、いつでも備えておく必要がある。
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◆ビルド:スカーレットナイト:両手武器によるHP吸収型
盾を持たず、かわりにHP吸収効果のある両手武器をメインウェポンに据え、被弾によるダメージをHP吸収攻撃で補うことで戦線を維持するビルド。一大戦闘ギルド〈D.D.D〉のギルドマスター、“狂戦士”クラスティのキャラ構築としても有名。
〈守護戦士〉のシンボルとも言える盾を捨て、重武器である両手斧を装備した姿は、一般的なイメージとは大きく離れているように思える。〈アンカーハウル〉〈タウンティングシャウト〉などの挑発特技によって敵のターゲットを集めるのは戦士職共通の動きといえるが、両手斧をはじめとする高威力武器で〈オンスロート〉〈アーマークラッシュ〉といった強力な攻撃技を繰り出し、敵の攻撃は〈アイアンバウンス〉を発動させつつ重厚な鎧で受け止める。
盾を持たない分被弾の機会も、受ける被害も多く、血みどろになりながら戦う姿はいわゆる「盾役」らしからぬものではあるが、実は被弾するそばから武器のHP吸収効果を併用した〈スカーレットウェポン〉および〈レジリアンス〉で回復をすることにより長時間にわたって敵からの攻撃を凌ぐことが可能。与えたダメージの大きさがそのまま回復量に影響するため、一撃の重い両手武器のダメージがそのまま回復力へとつながっており、見た目に反して攻防一体の隙のないビルドといえるだろう。前述したクラスティの持つ幻想級武器〈鮮血の魔人斧〉などは現存する武器でも最大級の威力とHP吸収能力を備えているため、まさにこのビルドには最適といえる。
もちろん、両手武器は全般的に鈍重な武器であり、〈鮮血の魔人斧〉もその例に漏れず攻撃速度はかなり遅い。絶え間ない攻撃に耐え続けるためにはMP消費の大きい大技の使用だけでなく、少しでも多く通常攻撃を命中させてHPを回復し続ける必要がある。装備の選定においては防御力だけでなく攻撃速度上昇や、そしてHP吸収量上昇などの効果があるものを選ぶ必要性がある。もちろんそういった便利な=強力なアイテムは入手難度も相応に高い。装備に依存する度合いの高い〈守護戦士〉の中でも、特に資産や人脈を求められる構成だろう。
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◆ビルド:ジャガーノート:特技回転重視の攻撃的守護戦士
オートアタック(通常攻撃)よりも特技の連続使用を重要視したビルド。ヤマト最強と目される〈守護戦士〉“黒剣”のアイザックがその代表格とされる。
フォートレスと同様に鎧と盾、片手もちの剣というオーソドックスな〈守護戦士〉のスタイルだが、大きな違いは、その特技や装備が大技の連続使用を目的とした構築がなされている点にある。
守護戦士の使う〈キャッスル・オブ・ストーン〉は効果時間中あらゆるダメージを受け止める強力な防御技だが、再使用規制時間は10分と長く、ひとつの戦闘で何度も使用できるような特技ではない。
しかし〈エルダーテイル〉に存在する数多くの装備品の中にはそういった特技の「再使用規制時間を短縮する」効果を持つものがあり、それらを活用することで通常では連発できない〈カウンターブレイク〉や〈キャッスルオブストーン〉といった防御の切札を高回転で使用し、耐えている間に味方が全力で敵の体力を削る、という攻めのビルドである。
この際〈守護戦士〉本人も挑発特技だけではなく、〈オンスロート〉を始めとする大技を惜しみなく使用することで敵愾心を維持し、後衛の高火力によるターゲット変更が起こらないようにするのも重要である。
もちろん、全力での攻撃で倒しきれなければ、一転して窮地に陥るのは目に見えている。いつ攻勢を仕掛けるかの判断を見誤らないだけの知識、経験、そして仲間との信頼関係が問われるため、見た目の豪快さと反して繊細な運用が求められる。
また「再使用規制時間の短縮」や「ダメージの一部をMPに変換」といった強力な効果を持つ装備は入手難度も高く、特技の習熟位階を高める〈習熟の巻物〉も含めて実用段階に持っていくためには長い時間と資金がかかることも忘れてはいけない。