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帰りの出口を探す前に、最後に、うんとスリルのあることをしよう。そうだ! バンジージャンプをしよう! とユウナは思った。
遊園地の中央にあるバンジージャンプ台へ行く前に近くのベンチにショルダーバックを置いて、案内端末だけを持って階段を昇った。
頂上まで昇ると案内端末で、バンジージャンプの手順を確認する。
強力な留め具で足を固定し、超分厚いマットが敷いてある方へ、前に飛び出すように、ジャンプする。下に向かって飛んではいけない。ジャンプ台にぶつかる危険があるからだ。
ユウナは確認するように前に飛び出すイメージを思い描いてみた。すると少し身体が動いて前に行きそうになったので、後ろに重心を移すと、その反動で持っていた案内端末をマットのない後ろへ落としてしまった。
20メートルほどの落下。もうユウナはバンジージャンプどころではない。
ユウナは慌てて階段を降り、案内端末を確認した。
案内端末は壊れ、もう何も表示されない。必死で捜したが案内端末の予備はみつからない。最早、ユウナは自力でこの異世界の一人遊園地の出口を捜さなければならなくなった。すがりつくように取り出した携帯電話は圏外だった。