表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MONSTERS~モンスターズ~  作者: RAI
銀の息は全てを止める
10/12

第10話 鬼物語(後編)

グロあり、観覧注意です・・・・

 「私が先頭だ!!リーダーだからな、次がブラニッツ、そして、後ろがレンネット!!」

 「ムギィ~~~~!!なんで壁役のブラニッツが真ん中なのよ!!」

 「壁役?そうか、ブラニッツは横・・・・か?」

 「ムギギギ・・・横は壁でしょうが、迷宮の通路はそんなに広くないのよ?」

 「壁役なのだろう?」

 「ムギギ~~~~!!話がかみ合ってない!!」


 苦悩するレンネットに助け舟を出す。


 「まぁ、思うようにやらせてあげるのも手じゃないか?」


 「ムギ・・・・でも彼女、ルーンアーチャーよ?ルーンアーチャーが先頭なんて聞いたことないわ。」


 たしかに、補助魔法や、矢に魔法を加付しての攻撃など、後方支援向きのスタイルである。


 「大丈夫、俺が守る。それにまずは1階層での訓練だし、モンスターの大群でも出ない限りは何とかなるだろう。」


 ルーアの戦闘技術は一流だ。

それは身のこなしや使い込まれた弓を見れば分かる・・・・・が、実戦での戦い方をまるで知らない。

しかも、発想がどれも最悪で、ルーアに任せると迷わず最も効率の悪い選択をする。



 そして、すこぶる運も悪かった。







 「ゴブリンの群れに1階層で出くわすとかな~~~」


 「大丈夫だ、ブラニッツは私が仕留めそこねたヤツをたのむ。」


 そう言うと、ルーアは自分の身体に強化魔法をかけ、素早く矢を打ち出してゆく。


 放たれた矢は、正確にゴブリンの眉間を貫いていくが、あまりにも数が多く仕留めきれない。


 しかし、意地でもポジションを動こうとしないルーアにとうとうゴブリンの攻撃が迫る




 ガツッ!!







 「ムギ!?今、弓で殴らなかった?」



 「殴ってる、現在進行で殴ってる・・・・あ、両手持ちで殴りだした。」


 「ムギーー!!ルーア下がって!!」


 レンネットが声を掛けるも、下がる気配はない。


 「仕方ねぇな・・・・」



 ゴブリンに囲まれ、肩でゼェゼェと息をしながら、この状況に初めて危機感を抱いたらしいルーアは

「ヤバイわ・・・・」と小さく呻く。


そんな彼女の鎧を掴むと、そのままレンネットの方へルーアを投げる。


 「ちょっと!!」

 「見とけ、お前は何もしなくていいから、俺とレンネットの戦い方を見とけ・・・レンネット!!」


 「ムギ」


 レンネットが魔術を組み立て始める。


 その間、ゴブリンが抜けないようにタワーシルドでガッチリガードしつつ、ハルバートで一気に薙ぎ払う。



 唸る戦槍、舞い散る血飛沫、小鬼達の断末魔・・・



 形勢は逆転し、ゴブリン達は肉塊へと変わってゆく。


 「ブラニッツ!!」


 レンネットの合図に、素早く下がる。




         燃え盛る灼熱の息よ


              我が敵を焼き尽くせ


                  ドラゴンブレス!!



 前方は、火の海に包まれた・・・








 「どうだった?俺達の戦いぶりは・・・」


 俺の問いかけに、ルーアは俯いたまま呟いた。



 「そうね・・・・私が弓で敵を殴るより、ずっと効率がよかったわ・・・・」


 「ムギ、そりゃ長年2人で組んでるからね~」


 レンネットが得意げに言うと、ルーアはキッと顔を上げた。



 「それじゃぁ私は必要ないわねッ!!」


 下唇を噛み締めたルーアの両目には、今にも溢れ出しそうなほど、涙が溜まっていた。



 「でも、足りないんだよな・・・」

 「ムギ・・・足りないわね。」


 「何が足りないの!?ハッキリ言って悔しいけど、完璧だったわよ!!私が苦戦してた相手を顔色一つ変えず押し戻し、流れるようなスイッチで桁外れの魔法ッ!!リーダーなんて浮かれてた自分が恥ずかしいほど完璧な戦いぶりだったわ!!」


 ルーアの泣き顔にフレインを重ねてしまい、心の蓋がずれる。


 身体が硬直し、動悸が激しくなる。



 それに気付いたのだろうかレンネットが、そっと俺の脚に触れ、ポンポンと優しくたたく。



 「ふぅ・・・・・俺にはまったく魔法が使えない、だから接近戦しかできない。」


 「ムギ・・・・・アタシは接近戦がまったくできない、だから魔法しかないの。」


 「だから、もし不測の事態が起こったとき、例えば敵に挟まれたり、広い空間で戦闘になったりしたら、上手く対処できないんだよ・・・・・中距離、遠距離を素早いレスポンスでカバーしてくれる仲間が“今までは”いなかったからな。」


 「ムギ・・・・・アタシもブラニッツも、弓の腕ではルーアの足元にも及ばないよ?」



 レンネットは、そっとルーアの手を握ると、言葉を続ける。


 「アタシ達にはルーア、アンタが必要なんだよ。」







 それ以来、自分の役割を理解したルーアは、素晴らしいチームワークを見せる。




 モンスターと遭遇した瞬間、俺と自分自身に肉体強化の魔法をかけると、バックをカバーしつつ前線に援護射撃を行う。


まぁ、戦闘不能の敵に攻撃したり、攻撃してほしい敵をガン無視したりと、なかなか痒いところには届かないが、それでも3人は、まるでもともと1頭の獣であるかのような、三位一体の戦いぶりができるようになり、俺達のパーティー『ケルベロス』は、1ヵ月後には32位まで食い込む事ができた。




 「チッ・・・・トップ10は無理だったか。」


 酒場で仕事終わりの酒を飲みながら、ルーアが悔しそうに呟く。


 「ムギ!1ヶ月で32位まで食い込む事ができただけでも偉業よ!!異常なほどよ。」


 「あぁ、これならそろそろ、3階層に潜行してもいいかもな。」


 四英雄が2人もいて、残りの1人も四英雄の1人、フレイン・ヴォーイッシュの双子の妹なのだ、ランキング外でも山のようにクエストが入り、成功率100%、しかも受けていたのは1、2階層の時間がかからないクエストだったため、大量にクエストをこなせたのが、短期間でここまで上がってこれた要因だった。


が、それを言うのは野暮ってもんだろう。



 「ホント?ようやく3階層まで降りるの!?」


 ルーアは3人でクエストをこなす内に、冒険者として、迷宮攻略に夢中になっていた。


 「あ・・・・・・あぁ、ルーアの腕なら楽勝だろう・・・・」



 そして、そんなルーアが、最近よくフレインに重なるようになり、その度に俺は動悸と身体の震えが止まらなくなる。


 (大丈夫、大丈夫、トリカトリカ・トリカトリカ)


 でも、その度に、レンネットが優しく摩り、不思議な呪文を唱えてくれた。


 トリカトリカ・トリカトリカ、レンネットも詳しい意味は知らないらしいが、その昔、古の神が地上に蔓延る悪しき病を追い払う時に唱えた神語だとか。



 そんなレンネットの手を、机の下でそっと握る。



 「はれ?レンネット、顔赤いよ?もう酔っ払ったの?」


 「ム!ムギムギムギ!!よ・・・・・・ちょっと酔っ払ったかも・・・・うん!」


 慌てて手を離すが、追いかけるように手を握り返される。



 「はられ?ブラニッツも真っ赤らよ?」


 「お、お前も真っ赤だからな!!舌回ってないぞ?」


 「あらら、ホントぉ~らぁ~むひひひ~」













 「よく来てくれたブラニッツ、最近順調らしいな?」


 「な!!・・・・・なにが?」


 「?・・・・ギルドでだよ、『ケルベロス』だっけ?こちらまで聞こえてくるぞ?」



 何動揺してるんだ俺は・・・・



 「で、用件って何だ?カーレン」


 四英雄の1人、カーレン・ブックスは「ふむ」と息を吐くと、机の中からリストをとりだした。


 「何のリストだ?見覚えのある名前もあるな・・・・・冒険者か?」


 「そうだ、そこに名前の載っている連中は、ここ20日ほどの、10日以上戻ってきてない冒険者達だ。」


 迷宮に入る前と出た後には、迷宮入り口に立っている見張り番の持っている名簿に、必ず名前を記入しなければならず、10日以上戻ってこない冒険者は統計上、その生存が絶望視されている。


 「かなり多いな・・・・」


 「あぁ、いつもの2倍以上だ、しかし原因はすでに分かっている。」


 「なんだ?」


 「ここ最近、これと同時に増えている事があと1つある・・・・精神に異常をきたした者の数だ。」


 「異常?」


 「あぁ、マインドブレイク(魔法)の類ではなく、純粋に、恐怖によって異常をきたした者達だ。」



 ゾっと、背筋に寒いものが走る




 「そして、その者達は皆、口をそろえてこう言うんだ・・・・鬼がいた・・・・と」



 「鬼?」





 「赤い瞳が爛々と、闇の奥から見つめてる。


  黄色いツノと黄色い歯、いつの間にやらまっかっか・・・


  ここから離れろ奴が来る、笑う声を聞いたなら、急いで逃げろ奴が来る・・・・・・。」




 得も知れぬ気色の悪さに総毛立つ・・・






 「精神に異常をきたした、ある冒険者が歌っていた歌だ・・・その冒険者は自殺したがな。」




 「・・・・・・・・・・それで?」




 「3階層・・・・・・皆、3階層で出会ったと言っている。」


 「すばらしい情報ありがとう、これでルーアとレンネットを危険から遠ざける事ができる!!」


 「ブラニッツ!!」

 「断る!!」









 「もう、大切な人を・・・・失いたくないんだ・・・・・・・・・・」





 「そうか・・・」








 「クソ・・・・」






 「もし、俺が戻らなかったら・・・・・・絶対に2人を迷宮に入れないでくれ・・・。」


 「ブラニッツ!!」


 「約束しろ!!」





 「分かった。」




 「よし!!・・・・・・・・・・2人をよろしく頼む。」









 エルザイアの迷宮3階層



 魔法がまったく使えない俺は、久しぶりに使う古ぼけたランタンの明かりを頼りに3階層を彷徨う。



 おかしい・・・・




 モンスターがまったくいない。


 2階層までは普通に出てきたモンスターが、3階層に入ったとたん、ぴたりと音沙汰なくなった。



 何かが起きている・・・



 自分の鼓動が、しんと静まる迷宮に響き渡るほど、大きく聞こえる・・・・



 ドクン・・・・・・ドクン・・・・・・・ドクン・・・・・・・










 「キヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」




 ドクン!!


 背後から聞こえるけたたましい笑い声に、一瞬身体が硬直した


 マズイ!!


 瞬時に振り返るが、そこには闇が広がっているだけ・・・・・・・









 いる・・・





 暗闇の奥から、俺を見ている・・・



 





 と、赤い光の玉が2つ・・・・多分、2mくらいの高さで、交互に上がったり下がったりしている。







 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・来た。




 ハルバートとタワーシルドを握り締める。




 「キヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ

  キヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ

  キヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ

  キヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ

  キヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」




 暗闇に浮かぶ、黄色いツノと黄色い歯




 ソレは、踊っている。



 足をがに股に開き、左足と右足を、交互に跳ね上げて踊っている。




 「キヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」




 よかった・・・・・・・・あの2人を連れてくる前で・・・







 「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」




















 あれから10日、ブラニッツ・グリーガーは帰ってこない。





 「私の責任だ・・・・もっと、ちゃんと部隊編成して送り出すべきだった。」





 コン、コココンコン、コンコン・・・・


 軽快なリズムで部屋をノックする音に、誰が来たのか検討をつける。




 「ロレッツォ殿か?」


 「はい、ご名答ぉ~~~~~~~流石カーレンちゃん!!」



 彼の名はロレッツォ・パールナッツ。

飄々としていてノリの軽い男だが、エルベナルとルードルの国境付近にある毒沼の主、ヒュドラを1人でアッサリ倒してしまったほどの実力者である。



 「何か御用ですか?」


 「仏頂面して、相変わらずつまらない男だよアンタは・・・」


 「お褒めにおあずかり光栄です。」


 「ははは!!いや、まぁいいか・・・・俺、チョイと野暮用で一時この国出る事になったんだよ」


 「それは静かになっていい・・・」


 「そかそか、まぁ~いい。それで真面目な話、最後にアンタの願いを1つだけ叶えてやろうと思ってココに参上したワケなんだよなぁ~~これがまた」


 「ほぅ・・・・どうゆう風の吹き回しで?」


 「これが今生の別れのような気がしてなぁ~~アンタにはそれなりお世話になったし。」


 「フフ・・・・そうか、キミが言うのだからそうなのだろう。」


 「おう?気付いてたか・・・」


 「えぇ、こう見えても私、宮廷魔術師ですよ?」


 「バカにしてたぜぇ~~~で、何にする?」






 「私と、これからドラゴン討伐に行く魔術師達に、召喚術を教えていただきたい。」

















 「あの冒険者を殺してきなさい、私の坊や・・・・・」



 キヒャヒャヒャヒャヒャ!!

ころすころすぅ~~~~ぶっころすぅ~~~~~



 「ヒィィィィィ!!た、たすギャァァァァァァァァアアア!!!」




 「あの冒険者を殺してきなさい、かわいい坊や・・・・・」



 キヒャヒャヒャヒャヒャ!!

ころすころすぅ~~~~ぶっころすぅ~~~~~



 「イヤ!!来ないで・・・・・キャァァァァァァァアアアア!!!」




 「あら、私の迷宮内で何かとんでもない術を行っている者がいるわね・・・・殺しなさい」




 キヒャヒャ!!


 あれれ?


 なにかいってるぞぉ~~~~~?


 なんだろ~~~~~?



 「私が分からないのですか!!」



 キヒャヒャヒャ!!!


 わからないわからないぃ~~~~~キヒャヒャヒャ!!



 グシャ!!ボタ・・・・・・ボタボタ・・・・・



 「ブ・・・・・・ブラニッツ・・・・・・・ッ」



 ぶらにっつ?


 なんだろ?きいたことあるかも・・・・・


 ママ!ママ!!ぶらにっつってなぁ~に?



 「フフフ・・・・・アナタは知らなくていい事よ・・・」



 なんだそっか~~~~~~ならしらなくていいやぁ~~~~~



 「ホラ、また新しい冒険者よ・・・・食べてしまいなさい、お腹が空いたでしょう?」


 うん!!ぼくおなかぺこぺこ!!











 「ブラニッツ!!」


 うん~~~?またぶらにっつ??



 「ムギ・・・・・ねぇ、アタシが分からないの?ブラニッツ・・・」


 キヒ!!!キヒャヒャヒャヒャヒャ!!!わからな~~~いわからな~~~い!!


 「私だ!!ルーアだ!!ブラニッツ!!私が分からないのか!?」


 る~~~~ぁる~~~~~~~ぁ・・・・・なんだろ?


 「ムギィーーーー!!アタシよ!!レンネットよブラニッツ!!」


 れ?れんねっと?れんねっとれんねっとれんねっとれんねっとれんねっとれんねっと・・・・






 ムキキ~!!わっからないよぉ~~~~~~ん!!キヒャヒャヒャヒャ!!



 じゃぁ・・・・・・たべちゃっていいよね?



 「えぇ、早く食べちゃいなさい、私のかわいい坊や・・・」












                  バクッ!!







 「ぎひぃぃぃぃぃぃぃぃいいい!!痛い痛い痛い痛い!!」


 「ルーア!!ムギーーーーーーーーーーーーー!!思い出してよブラニッツ!!」



 ゴポポポ・・・ゴポ・・・・



 ここがすき!!くびくび!!いっぱいちがでておいしいの!!



 「グポ・・・・ゲ・・・・ゲポ・・・・・・ブ・・・ブラニッツ・・・・」



 ん?なんでないてるの?



 何で・・・・・・・・・



 泣いてるんだ・・・・・・?




 あの子を・・・・・守ってあげて・・・あの子、冒険者には・・向いてないの・・・・・


 でも、言っても無駄・・・だと、思うから・・・・・・






 何だ何だ?


 イタイイタイイタイイタイ!!!頭がイタイ!!





 「ムギ!!!ブラニッツ!!何をやってるの!!!フレインの約束破ってどうするの!!!」



 フ・・・・フレイン・・・・・・





 さ、さわるな!!俺に触るな!!







          ブキュブキュ・・・・・ボタボタ・・・・





 俺の腕に腹を貫かれたレンネットが苦しそうに手足をジタバタさせる。



 「ムギムギムギギギギ・・・・・・」



 レンネット?





 「ト・・・・リカ・・・・トリ・・・カ・・・・・トリカ・・・・・トリカ・・・」




 「レ・・・・・・・・・・レンネット?」



 「ムギぅ・・・・・・・・お、おそいぞ・・・・・・ばかぁ・・・・・」



 レンネットの目から、コロコロと・・・・・涙が転がり落ちる。



 「ぁ・・・・・・・・・・・ぁあ・・・・・・・・・・・・レ、レンネット・・・・」



 「さ、最後は・・・・・・ッ・・・な、名前で呼んで・・・・・・・」




 『ファールー族の掟でね、名前を呼んでいいのは自分と一緒になる人だけなんだよ!!』


 『なんだよその掟~~』


 『ムギィ~~~ブラニッツ!今ばかにしたでしょ!!ぜったい名前で呼んだらダメなんだから!!』


 『お前はいいのかよ・・・・・』


 『私はいいの!!』




 「ペ・・・・・・ペンテ・・・・・」




 「へへ・・・・・・・あ、ありがと・・・・・・ブラニッツ・・・・・」



 「ペンテ?」



 ペンテの体重が、ズシッと腕にかかる・・・・・



 「ァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぁあ・・・・・・・・」










 「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」






「うあぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

ごめんなさい、暗い話で・・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ