第八話「魔法習得、女神の必要性がなくなる」
「ふぃ、危なかった......」
リヴァルガが額の汗をぬぐい、真剣な顔でトイレからでてきた。
「なにが危なかっただ! ただ○ーこしただけだろうが!」
「精霊はんー○なんかするか! あれは短刀がでただけや!」
「短刀、お尻からでるか! 血だらけになるわ!」
「お下品な話はそれまで。 それで、本当に連れていくつもりですか」
あきれたようにティティはいった。
「まあな。 こいつ切れ味だけはいいからな。 買い換えるのはもったいない」
「ふふん、当然や。 勇者の聖剣すらウチの前ではかすむで」
そうリヴァルガは胸を張り自画自賛する。
「それより、ティティなんでリヴァルガのことわかったんだ? 神だからか」
「確かにそうやな」
「ふふん、どうやら魔力を探知する【魔力探知】のスキルを覚えたようです」
そう胸を張る。
「スキルはシンプルバカでも獲得できるんだな」
「誰がシンプルバカですか!」
「ふーん、やるやん。 シンプルアホやのに」
「誰がシンプルアホなんですか!」
そしてティティは物欲しそうな顔をしている。
「......それから」
「それからってなんだ?」
「私はスキルを手に入れたのですよ。 もっと何かあるでしょう」
そうティティはウィンクしている。
「......腹減ったな。 さっさと依頼の品を届けよう」
「そやな」
「なんなんですか! もっと褒め称えてください! 私への信仰心をあげてくださいよ!」
「いや、俺のお前への信仰心はゼロ...... いやマイナスだけど」
「ウチも女神やと信じてへん。 よくて邪神やろ」
「誰が邪神ですか!」
「そんなことより、さっさと依頼うけるぞ」
「そんなことよりって! まってくださーーい!」
俺たちはギルドに向かった。
「とりあえず、リヴァルガも冒険者に登録しておくか」
「こんな少女が...... いえ、レージさんの紹介ならば間違いはないでしょう。 ではパーティーとして登録します」
そう受付嬢が登録してくれた。
「さて、次は何をうけるかな」
「ならあれにしましょう! あれ!」
ティティが無駄に声をあげ掲示板の依頼書を指差す。
「ミニゴーレムか...... Fクラスでもっとも報酬が多いが...... 100ポイント、多分これを達成すればランクが上がるな。 どうだ体が岩らしいがリヴァ切れるか」
「はぁ、誰に言うとんねん。 そんなもんまっぷたつに決まってるやろ!」
そう余裕のリヴァをみて考える。
(確かに切れ味はいいけど...... こいつはこいつで不安なんだよな)
「よし! やったる! やったるで!」
感化されて関西弁のティティが目にはいる。
(まあ、でもまだ、こいつよりはましか)
俺はその依頼をうけた。
次の日、ミニゴーレムのいるという、サガーロ山にやってきた。
「ここか」
「まかせとけ! ウチが一瞬でかたをつけたる」
ヤル気満々でリヴァがまえをいく。
「お前ずっと人間型なんだけど」
「ああ、ウチは【具現化】《リアライズ》のスキルをもっとる。 食いもんくって魔力が回復したからな。 人型になれるんや」
そうヒラヒラと手をふっている。
「そうか、それに比べて......」
「すみません...... つい、興奮しすぎて昨日寝られなかったんです...... ふぁ」
そう俺におぶられたティティがそういった。
(遠足前の小学生か......)
山の上へと進む。 すると山の中腹辺りで地面が激しく揺れた。
「なんだ!?」
一瞬暗くなり上をみると、巨大な石像がたっている。
「お、おい、これがミニゴーレムかよ...... 全然ミニじゃない!」
「よっしゃ! やったるで!」
そういってリヴァは腕をふり回して走って向かっていった。
「まて! お前刀だろ! なんでお前がいく!」
「がひーん」
案の定、ゴーレムの一撃で空を飛んでいった。
「くそっ! 武器がいきなりなくなった!」
「大丈夫です...... やつは四天王の中でも最弱」
「いや、四天王じゃねーよ! 二人しかいないだろ!」
「私がやります!」
「まて!」
「めが、めがみーーん」
当然のごとくティティもゴーレムに殴られ空を飛んでいった。
「くそ! 最悪の予想になった! しかたない!」
俺は変数を駆使しつつなんとかミニゴーレムを倒した。
「くあっ! やっと倒せた...... きつすぎる。 せめて何か対策をしないと、あのポンコツどもに頼ってるといつかこっちが死ぬ!」
そのとき、這うように二人が現れた。
「ふぅ、やっと帰ってこれた」
「ええ、危なかったです。 やりましたね四天王」
「おれを加えるな! それよりお前たちあんな飛ばされて、よく無事だったな」
「ええ、回復魔法を使ってなんとか」
「結局お前自分にしか使ってないよな。 まあいい、魔法はどうやって覚えるんだ。 女神なんだろ教えてくれ」
「えっと、うーん、そうですね。 まあなんか、フワッとすごい感じで......」
そうティティがいいながら目が泳いでいる。
「いや、いいわ。 聞いた俺が馬鹿だった」
「なんなんですか! しかたないでしょう! 生まれたときから使えるんだから!」
「マニュさん」
『残念ながら私は魔法に対する知識はありません』
「しかたない、ティティ使うところをよく見せてくれ」
「見せますが、簡単には使えませんよ。 魔法にはセンスと知性がいるんです」
「なるほどセンスだけか」
ティティは両手のひらに光を集めた。 それは球体となった。
「これが回復魔法です。 そう簡単に......」
「あっ、できた」
試してみたら普通にできた。
「はぁ!? なんでつかえるんですか!」
「しらん」
「やめてください! 私のアイデンティティーが崩壊するでしょう!」
「しらん」
「しらん」
「なんでリヴァルガもいうんですか!!」
騒がしいティティを尻目に俺は山を降りた。




