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第十七話「修行逃亡の代償──暴食の女神とベルアイユ大臣の依頼」

「さて、少しだが金がはいったな」


 俺たちはコボルトを住みかにもどしたことでギルドから報酬をえた。


「はーい、はーい! ウチほしいもんがあんねん!」


「なんだよ」


「それは内緒や! だからお金ちょうだい」


「今回は刀として役にたったからな。 ごくろうさん、ほいお前の分」


「よっしゃ! ほないってくるで!」


 リヴァは金を受けとると喜んではしりさった。


「ティティも格闘術と魔法を体得したな。 ほれお前の分」


 ティティにも等分の金を渡した。


「......ありがとうございます」


 ティティが浮かない顔をしている。


「なんだ? いつもなら、四つんばいではうように食い物を買いに走って散財するのに、また拾い物でもたべて腹でもいたいのか」


「いいえ......」


「いたぞ!!」 


 向こうから屈強な男たちが走ってきた。


「ひぃ!!」


 ティティは怯え逃げようとする。


「まて!! 貴様逃げるな!!」


「ちょっとまて、こいつは俺のツレだ。 なんのようだ」


 男たちの前にでた。


「そやつはわが【マジックアーツ】門下!! 連れ戻しに来たのだ!」


「マジックアーツ...... ああこいつが修行してたってそこか」


「そうだ! そやつは修行途中に逃亡した!」


「修行終わってなかったのか! お前というやつは......」


「し、しかたなかったんですぅ。 食べるものを制限されたんですぅ。 ひもじくてぇ......」


 ティティは半泣きで俺の後ろに隠れる。


「まあ、それはこいつが悪かった。 でも許してやってくれないか。 こんなのでも仲間なんだ」


「だめだ! そやつ、逃げる途中我々の食料をすべて食いつくして逃亡したのだ! その分と未払いの修行料金をすべて払ってもらわねばならん!」


「......わかりました。 どうぞ」


 俺はティティを差し出した。


「ひどっ! それでも仲間ですか!!」


「ドロボウと仲間になったつもりはない! さっさと金を返してこい!」


「さあこい! 金を払えんなら! これから24時間365日イモの皮むきの刑だ!」


「いつねるんですか!! レージさん助けてくださ~い!!」


 ティティは泣きながら男たちに両手、両足をもたれつれていかれる。


(あれが仮にも神...... あわれすぎるな。 しかたない......)


「まて、その金返せばいいんだな」


「まあ、そうだが......」


「まずは前金で払うが、手持ちが足りない。 残りは後払いにしてくれ」 


 俺が持ち金を渡した。


「ふむ、1/3といったところか...... いいだろう。 一週間ほどまつ。 その間に残りを払え。 できねばイモの皮むきの刑だぞ」


「わかった」


「れーじしゃ~ん!!」


「まず鼻水をふけ」


 男たちは去っていった。


「やったで! 手に入ったで!」


 スキップしてリヴァがやってきた。


「どないしたん? ティティ鼻水ずるずるやん?」


 リヴァに事情を話した。


「あきれた...... 自分なにしてんの? 暴食の神なんか」


「ち、ちがいます! あまりの節食で限界値に達し、体が暴走しただけです」 


「それが暴食だろ。 まあいい、早く金を集めよう」


「はぁ、めんどいな。 ほんま」


 俺たちはギルドにむかった。


「報酬のよい依頼ですか?」


 カウンターの受付嬢に話を通す。


「そうですね。 これなんか大金ですよ」


 そう一枚の依頼書をもってきた。


「なんでこれだけ別なんだ?」


「かなり有力な方のご依頼の場合、そういう依頼は信頼できる冒険者の方にしか紹介できないのです。 とはいえこれは私の権限を使い特別です」


「つまり、それほど大物の依頼ということか」


「ええ、この国の大臣【ベルアイユ】さまのご依頼です。 あなたたち至高の女神と最強の精霊刀ディーヴァブレイドさまだからご紹介させていただくのです」


「我らならばその依頼にこたえましょう!」


「そうやな!」


(そんな安請け合いして大丈夫か? まあ一応、二人とも使えるようになってるから大丈夫か)


 俺たちはその依頼をうけた。



「ここが城か」


 俺たちはこの国の大臣にあいに、城へときていた。 門の衛兵に話をする。


「なに? ベルアイユ大臣の依頼をうけた。 そんな話きいてないぞ」


「ふむ、少年とアホそうな子供と更にアホな少女か」


「誰が! アホそうな子供や!!」


「私だけアホそうなじゃなくて確定ってどういうことですか!!」


(さすが人をみる衛兵だな。 鋭い指摘だ)


「まあ、ギルドからの紹介状もあるから」

 

「本当だ...... わかったなかにとりつぐから、まっていろ」


 俺たちはまった。


「全くなんて奴らや! それにしてもでかい城やな。 ウチら犬小屋みたいな宿にしかとまれへんのに」


「ええ、許せませんよ! 私をさておいてこんな城にすむなんて! うばってやろうかしら!」


(......やはり慧眼だったなあの衛兵)


「お前たち大臣がお会いするそうだ。 こちらにこい」


 俺たちは呼ばれ門から入り城内部にはいる。


「豪勢だな。 さすが王の城」


「おいてあるもの全部すごいお高そう」


「壺一個ぐらいもってってもわからへんのちゃう。 そうすれば借金返せるやん......」


 こそこそとリヴァは耳元でつぶやいた。


「捕まったらそく死刑だぞ」

 

 そういうとリヴァはだまった。


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