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第十六話「四本腕ゴーレム討伐──信仰心がもたらす女神の氷魔法」

 コボルトたちと彼らのかつて住みかだった山岳地帯へとむかった。


「それにしてもティティどうやってそんなに強くなったんだ?」


「才覚ですかね......」


 遠い目をしてティティがいった。


「あれは肉体を魔力でおおう技術だろう。 肉体強度と攻撃力がます」


「そ、それは...... ラガンさん、しぃー しぃー」


 ラガンがそういうと、ティティは焦りだした。


「そうなのか?」


「ああ、我らもその技術を使っている。 元々我らは魔法が苦手だが魔力操作にたけるのだ」


「なるほど、そんなカラクリがあったんやな」


「で、でも! 私のセンスがあればこそです! そう簡単にはできなないって老師がいってたんですよ!」


「誰だよ老師って、あっ、できた」


 試したらできた。


「なんでできるんですか! 私から何度アイデンティティーをうばえば気がすむんですか!」


「しらん。 なるほどな。 こうやって体を包むのか。 これなら戦闘力がアップするな。 それでコボルトの集落を襲ったやつはどんなやつなんだ?」


「金属のゴーレムだ」


「金属のゴーレム!? それって、あいつちゃうやろな!」


 遺跡でみたやつを思い出した。


「そいつ、魔法を使ったか」


「ああ魔法を使ったな。 我らに魔法の使い手は少ないが、やつにはあまり効かなかった」


「となると、やはりあいつかもな」


「なんであのゴーレムがいるんでしょうか?」


「さあな。 ただの偶然とは思えんがな」


「あれだ。 我らの住みかだ」


 ラガンの指差す先に大きな洞窟がみえた。



 警戒しながら洞窟内をあるく。


「それでゴーレムは、前触れもなくやってきたのか」


「ああ、いや...... そういえばここからたまたま宝石がでてきてからだな」


「宝石?」


「ふむ、ここから武具や道具に使う鉄を掘るのだが。 ある時、隠された空間があり、そこで宝石をみつけた。 そのあとゴーレムがやってきたのだ」


「そういえば前の遺跡でも宝珠のところにいましたね」


「そやな...... ということは宝石に集まるってことか?」


「それはどういうことだろう...... おっといるな」


 洞窟の奥で大きなものがうごいた。 それは立ち上がりこちらへとむかってきた。  それは遺跡でみたのと似ている四本腕のゴーレムだった。


「やっぱりあいつか! ラガン、ティティ、あいつは物理攻撃の方がきく足を止めてくれ! そこを俺がリヴァで切り裂く!」


「わかった!」


「よかろう......」  


(また、ティティがまともに...... いや逆か、おかしくなってる。 なんかトランス状態なのか?)


 ラガンとティティは素早くゴーレムの左右に移動して、攻撃を始める。 コボルトたちはゴーレムの注意をひく囮をしている。


「グオオオ!!!」


 ゴーレムは四本の腕から魔法を放つ。


(こいつ!! 四本腕で前のより強い!! だが、ラガンとティティなら!)


「はぁあああああ!!」


「うぉおおおおお!!」 


 二人の拳が左右の足に炸裂し、ゴーレムはぐらついてひざをおった。


「よし! リヴァ!」


「よっしゃ!」


「ヴァリアブル【魔力をまとう】、【走る】! 解除、【飛び上がる】、【斬る】!!」


 俺はリヴァを手に取るとゴーレムに近づき、飛び上がるとその刀をふるった。


「グオオオ...... オオッ...... オッ......」


 肩口を切り裂くとゴーレムは声を上げ、そのまま倒れて動かなくなった。。



「ありがたい! まさかあやつを倒せるとは! これで私たちの住みかが戻ってきた!」


 ラガンは感謝し、コボルトたちも喜んでいる。  


「ん? あれ私...... 腕がなんかいたい。 あっ! 拳が腫れてる!」   

 

 ティティが状況をのみこめない様子だ。


「やはり、あれは無自覚なのか」


「なんのことです? でも倒したのならパーティーですね!!」


「そうや! 飲み物と食い物をもて!!」


 ティティとリヴァが勝手に騒いでいる。


「お前ら...... 勝手に」


「おおおお!!!」


 コボルトたちから歓声がおこり、それぞれせわしなく動き始めた。


 パーティーがはじまる。


「それで、そなたたちは何者だ、普通の人間ではなさそうだ。 一人はみたことのない剣になったが......」


 ラガンが不思議そうにきいてきた。


「俺は人間だが、この二人はちがう」 


「ウチは刀の精霊や」


「私は女神です」


「め、女神......」


「と思い込んでる狂人だ」


「誰が狂人ですか!」


「まあ、よくわからんが助けてもらったことは事実、我らコボルトは何かあれば助けになろう」


「ありがたい。 なんか困ったら頼みに来るよ」


「ふぉおおおおお!」


 そのとき、ティティが奇声をはっする。


「どうした!? ついにいかれたか!」


「ついにってどういう意味ですか! ちがいますよ! 力が溢れてくるのです!」


「なんでだ?」

 

「多分、コボルトたちの信仰心が私に集まったからでしょう! ふぉおおおお!」


「なるほど、亜人でも信仰心は集められるわけやな」


「ふぉおおおお!!」


「うっさいな。 どうでもいいけど、何かできるようになったのか?」


「せいぜいコバエがよってこおへんぐらいちゃう」


「そりゃいいな。 ついでに蚊もたのむ」 


「なんでそんなショボい能力だと思ってるんですか! これは氷の魔法ですね! やっと念願の攻撃の魔法を手に入れました!」


「お前、炎だしてなかったか? 炎が揺れろとかふるえろとかいってただろ」 


「あれは摩擦熱で炎をだすんです。 魔法とちがいますよ」


「そや。 大変やねんで体に油塗らんと火ぃつけへんしな」


 二人は肉をむさぼりながらそういった。


(あの炎、やっぱりただの演出だったのか......)




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