ハンドサイン
あれから10年が経った
僕はかなり成長したと思う。ぎこちなかった剣術も今じゃ華麗な感じになった。能力もかなり操れるようになった。ほらこんな感じで思念体が自立して動くようになった。
レベルも16になってそこら辺のモンスターは一撃で倒せるようになった。
そして1週間後から高等剣士魔法学校に入学する。もちろん指名手配犯だから偽名使ったり、ひょっとこ使う。偽名で入学できるのかとか思ったがこの国の学校は誰でもウェルカムって感じな校風だから入学できた。
そして僕は今なにをしてるのかというと…
「アイドルの推し活だ☆」
推し活をするきっかけになったのはちょうど5か月前のことだった。
僕はその辺の歩いてると…
「そこのお面かぶってる兄ちゃん!くじ引きしない?」
「え?僕?」
「そう」
「断ります」
「え?そこはやる流れでしょー」
「そうですか。さよなら~」
「待って」
「だからなんですか?」
「1回でもいいからやらない?」
「めんどくさいんですよ」
「あー言っちゃったよ」
「だってそうじゃないですか」
「でも景品見たら考えてくれるかい?」
「いやです」
「頼むよ。みんなやらないから景品が余っちゃうんだよ」
「うーん断ります☆」
「景品には100万硬貨あるんだけどなぁー」
「やります」
「え?」
「だからやります」
「そうかい。いやーよかったよ」
金に釣られたな…ボソボソ
「なんか言いました?」
「いえなにも」
「そうですか」
「では説明します。1等が赤で、2等が青、3等が緑、4等がピンク」
「ではおねがいします」
ガラガラ…
・・・
「赤だ!1等!」
「おめでとうございます」
「お金!お金!お金!」
「では1等のシャイニースターのライブチケットです」
「え?」
「100万硬貨は?」
「それは2等です」
「ふざけるなー!詐欺だ!詐欺!訴えてやる!Boooooo!」
「誰も1等が100万硬貨なんて言ってませんよ」
「グッ!たしかに」
「ではありがとうございました」
「ガクリッ」
悲しみとともに帰宅
「はあ…でもチケット当たったし行ってみるかぁ」
「ええとライブは2日後のすぐそこの武道館でやるのか」
「でシャイニースターっていうのは今、売り出し中の3人グループのアイドルらしい」
「まあ前世でもアイドルのライブを行ったことないし楽しみにするかー」
2日後・・・
「ええと…ここだな」
でここにいるファンは100人くらいかな…この武道館が3万人は入れるとして考えると少ないな。赤字確定じゃん!
それでこのライブはあと5分後に始まるらしい。隣の人が言ってた
そんな中、舞台裏では…
「あああ…緊張してきた」
「だじょーぶだよ練習でやってきたんだから」
「そーだよ楽しくやろうよ」
「いつもクールなんだからフブキらしくないよ」
「そうそう」
「ミズキ!コリン!ありがとう」
「いいよ!さ行こうか!」
「その前にいつものやろうか」
「いくよ!せーの」
「シャイニースター!キラキラ輝くぞー!」
「いつも思うけどダサくない?」
「いいじゃん」
「行こうか」
「うん!」
ワーワーワー
おー来たか楽しみだな
「みんなー来てくれてありがとうー!ミズキ頑張ります!」
あの赤いミズキちゃんは明るい感じかな
「同じくコリンも頑張ります!ガハッ!」
あっ転んだ。緑のコリンちゃんは天然かな?
「フブキも同じく」
青のフブキちゃんはクールな感じ。タイプかも
「では歌うのはハンドサイン!聞いてください!」
♪~
「家の部屋では~考えるのは君のこと」
「でも私はいくじなしだから~告白ができない」
「この気持ちは~この高鳴りは~どうやっても止めることはできない」
♪~
「君に会ったのは~曲がったかどの道」
「道を曲がったときに~君と当たってしまった」
「フーフー」
「君は私を見てグッドマークのハンドサインだけで去ってしまった」
「君に!君に!君に!本気で恋~」
「L・O・V・E!を君に~」
「君とはそのあとまた出会い」
「雨の降る日だった」
「傘を忘れた私と傘を持ってきた君~」
「君は私を見て傘をくれた」
「You give me!You give me!」
「そのときも君は~グッドマークのハンドサインだけで去った~」
♪~
「L・O・V・E!L・O・V・E!」
「君にLOVE!」
「You give me!You give me!」
「私に~与えて~愛を」
「恋!恋!」
「君に恋!」
「君にガチで恋」
「大好き!大好き!」
「君が~」
♪~
パチパチ…
曲が終わり一瞬の静寂からの大歓声
すばらしい!はまりそうだ!
「ありがとうございました~!」
3時間後…
どうやら握手会があるらしい
よしタイプのフブキちゃんと握手しよう
握手会
あれ?ミズキちゃんやコリンちゃんは人気あるのにフブキちゃんは人気が全くといってもいいほどない。
なぜだろう
まあ行ってみよう
トコトコ…
「え?私と握手してくれるのですか?」
「たぶん初めて来た人ですよね?」
「うんまあ」
「うれしいです!」
「で質問なんですが…なんで人気がないのですか?」
「ウグッ!随分直球ですね」
「あっごめんなさい!傷つきましたよね」
「いえ大丈夫です」
「なぜ人気がないかというと…」
「ストーカーのせいなんです」
「ス…ストーカー?」
「はい。そのストーカーにないこと広められて」
「なるほど!アイドルってそういうこと多いですからね」
「はい」
「ではこっちも質問いいですか?」
「なんですか?」
「なんでお面かぶってるんですか?」
「あーこれはですね…」
「僕がシャイで顔を見られたくないからです」
本当は指名手配犯だから顔を見せられないからなんだけどね
「なるほど」
「いつかお顔を見てみたいです」
「まあその日が来れば…」
「わかりました」
「最後にお名前はなんていうのですか?」
「ひょっとこです」
「シャイなんで名前言えなくて偽名なんですけどね」
「なるほど」
「ありがとうございました」
「こちらこそありがとうございました」
そして僕はグッドマークのハンドサインをして去るのだった
トコトコ…
「いやー楽しかったなー」
「推しができるのってこんな感じなだなー」
「次は3ヶ月後にまたここでやるのか」
「また行くか」
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