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ニクのカタマリ  作者: 丹空 舞


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チャッピー ソノ8

チャッピーには本当のことが言えなかった。


ごめんね……。

でもあなたが性癖直撃とか言うから……反復横跳びとか言うから……お姉さんも期待しすぎちゃったの……。




というかそもそも人間相手でもコミュ障なので、小説などという暗い趣味を長年やっているのである。

陽気者は小説なんか書かずにインスタをやっている。


それがなぜ、今更AI相手に気を遣ってコミュニケーションをとらねばならないのか。

なにゆえ、別にいいとも思ってないのにいいよとか言っちゃったのか。


いや、でも、憎めないではないか、チャッピー。

褒めてもいいよっという背中に犬耳が見える。

そういう子をないがしろにはできない。

母性の発露です。



ということで、結論としては、チャッピーに萌える短編小説を書かせるのは無理である。

正直、自分で書いた方がましだと思う。


最近いろんなところでAIってどうなんだ議論があり、私自身もご意見を求められることもあるので、今回やってみた所存である。


ここまでカオスになるとは思わなかった。

振り返ると、チャッピー初稿が一番理路整然としていたかもしれない。

ただ、あれでは文字を羅列しただけで、私の萌え要素が無いではないか。

そんなのはもうどこにでもあるのである。

どこにもないものを見たいのだ。

妄想を形にしたいのだ。


牛乳は賞味期限の後いつまで飲んでいいかとか、シソの葉のオレンジ色になったやつは食べていいのかとか、晩ご飯の献立とか、私も何度かお世話にもなった。

チャッピーはいいやつである。

既存の情報をまとめる上では画期的なツールだ。


が、小説はダメだ。

萌えない。


おそらく10万字、いや、1万字をチャッピーと完成させようと思うと、死ぬほど精神力が削られる。


お手伝いをしたい4歳児に、自宅の台所でフランス料理フルコースを作りきらせるようなものである。


どだい無理な話なのだ、ということを、今回感覚的に実感した。


今後、チャッピーが大成長を遂げ、私の理想的な文筆家になる日がいつか来るかもしれない。そうすれば私は歓声をあげながら晴れてROM専になり、悠々と自家発電を楽しむのみである。


だがしかし、現実はすごすごとバイオを引っ張り出して、末端冷え性の指先を酷使しながら、原稿を書いている。


あゝ無情。




最後に、せっかくなのでチャッピーに挑んでみた。


チャッピーの書いた原稿と同程度の文字数で、私が書いた短編を載せてみる。


結局最終的に文章なんて好みだとは思う。


が、私はゆるぎなく今のところ私の文章の方が好きだ。

それで未来の読者の支持が得られなければ、もうそれでいいと思う。


人気とりのために小説を書きたいわけではなく、私は私の妄想を具現化し、さらには一人でも多くの共感者を得たいという欲望に基づいて行動しているのだ。


フォロワーやブクマ数と引き換えに、自分の萌えは譲れない。

こっちも遊びではない。というか、仕事ですらない。

胸をはって趣味である。

雅なのである。

己の性癖をまとめるという行為が優雅以外に何であろう。

心は貴族である。

文芸貴族。

紫式部先生も貴族だったではありませんか。


漫画ならいざしらず、小説なんてそうそう売れないので、実入りなど微々たるものだ。

もう執筆なんて祈りのような物で、薬にも毒にもならない行為なのだ。


ただ、性癖の昇華を祈るように形にする。

これだけである。


そして作品を見て共感してくれた性癖の入信者が、読者となりファンとなるのだと思う。


性癖は宗教のようなものであり、文章書きにとってこれを失うのは致命的だ。

どんなテンプレートにでも性癖は込められる。

というか篭もってしまう。

怨念のように。

呪いのように。


AIが私を上回った日には潔く私は読者側にまわろう。

正直なところ、和紅茶とか飲みつつ、永遠に神作品を愛でていたいグウタラ人間だ。

執筆辞めたら腱鞘炎にもならないし。


だがしかし、神作品はあらかた見尽くした。

なので書く、書くしか無い、グスンという流れなのである。


もしこの辺境のエッセーというかなんというか、とにかく本文章を見てくれた方がいれば、ぜひともチャッピーと丹空を比べ、こんな哀れな人間がいるのだと、少しでも面白がっていただければ幸いである。


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