チャッピー ソノ5
飽きもせず、チャッピーに指示をする。
『わりといいんだけど、太宰はもっとピエロっぽくてドロドロしてないと嫌。あと、芥川は本人が繊細だから。谷崎はもっとフェティシズム全開で来て。足フェチで入れ墨とか入ってるといい。宮沢は石とか好きな感じで、ラッコの上着とか着てて。もうちょっと素朴な感じ。川端は保護欲こじらせてる。夏目はいいけど、三角関係の雰囲気が出るといいよね。意外とヤンデレっていうか。あと全員イケメンにして。イケメン不可避。』
すると、チャッピーが改稿してきたではないか。
よし、いいぞ。
気骨のある新入社員である。
以下チャッピー作↓
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六人兄弟、全員イケメン、全員おかしい
(性癖反復横跳びキュン地獄)
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ちょっと待ってチャッピー。
性癖反復横跳びキュン地獄の威力が強くて、お姉さんちょっと時間が必要だわ。
水を飲み、心を落ち着けていざ。
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この家に来て一週間。
私は気づいてしまった。
――この家の男たちは、全員、私に対して、健全じゃない。
太宰・長男(ドロドロ系イケメン)
夜中、縁側にいた私の隣に、音もなく座る。
「逃げないんだ?」
泣きそうな目で、笑う。
「君までいなくなったらさ……僕、ほんとに壊れるんだけど」
袖を、ぎゅっとつかまれる。
「ねえ……君がここにいる理由、僕ってことにしてよ」
重い。でも、この重さに“選ばれてる感”があるのが最悪にキュン。
芥川・次男(繊細天才イケメン)
「……また兄さんに絡まれた?」
声が低く揺れる。
「やめろって言ったのに……」
震える指で、私の手首の赤みを見つめる。
「君が壊れたら……俺は、たぶん、兄さんを殺す」
強い言葉なのに、本人は一番壊れそうな顔。
これ、守らなきゃいけないの私の方では?案件。
谷崎・三男(足フェチ刺青イケメン)
裸足で廊下を歩いていると、後ろから囁かれる。
「……っは。その足、ほんと、罪だよね」
私の足首をなぞる指。手首には黒い刺青。
「ねえ、君の足に、何本も跡つけていい?」
顔は天使、発言は完全にアウト。
「大丈夫。“脚だけ”だから」
いや信用ならない。
でも顔がイケメンすぎて逃げられない。
宮沢・四男(石好きラッコ上着素朴イケメン)
ポケットに、今日も石を詰め込んでいる。
「君にね、あげたいんだ」
差し出されたのは、丸くて、ほんのり光る石。
「これは、ぼくが一番きれいだって思ったやつ」
ラッコの上着の袖を握りしめながら、照れ笑い。
「君のこと、あったかい石みたいって思ったから」
汚れきったこの家で、一人だけ“人としての純度”が高すぎて刺さる。
川端・五男(保護欲こじらせイケメン)
夜、私の部屋の前で立ち止まる影。
「……鍵、閉めてる?」
静かに囁かれる。
「誰にも見せなくていい。
君は、ここで、守られていればいい」
ドア越しなのに、熱がある。
「外の世界は、君には残酷すぎる」
保護じゃない。
これはもう“囲い”。
でも優しさで包んでくるから逆に怖い。
夏目・六男(正統派ヤンデレイケメン)
皆がいる前では、完璧な兄。
でも廊下ですれ違う瞬間、低く囁く。
「……全員、あなたを見すぎです」
一瞬だけ、目が狂う。
「三角関係? いいえ、“争奪戦”でしょう」
柔らかく笑って、
「勝つのは、私ですけど」
一番まともな顔してる奴が
一番“終わってる”タイプの男だった。
その夜、私は布団の中で、確信した。
この家は、
依存
独占
フェティシズム
庇護
純粋
ヤンデレ
――全部揃ってる。
しかも全員、私を“逃がす気がない”。
廊下の向こうで、誰かの足音が止まった。
次に来るのは――
誰?
――――――――――
かなりいい。
キャラクター造形的にわりといい。
乙女ゲームの最初とかに出てくるやつだ。
さて、これを小説にしてくれ!
ここからだ。
遊びじゃないんだぞ(※遊びです)
念を込めてチャッピーに送ってみる。
『さあ、これを小説にするのよ!
逆ハー展開で最終回まで突っ切ってください!
素晴らしい短編小説を待っています!
がんばれチャッピー!』




