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ニクのカタマリ  作者: 丹空 舞


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チャッピー ~AIと私~ ソノ1

チャットGPTのことをチャッピーというらしい。


ポケモン世代の私はすぐに緑のイモムシが脳裏に浮かんでしまう。

それはキャタピーである。


小説などとご大層なことをいうつもりはなく、物心ついたときから駄文を書き連ねていた私であるが、このチャッピーが小説を書けるときいて、興奮した。


これで理想の小説を自家発電しまくれると思ったわけである。


恥ずかしい話だが、私は小説世界における性癖が非常に偏狭である。


親が厳しかったため、漫画ではなく本ばかり家にあったのだ。

仕方なく、多感な小学生時代をナントカ文庫とかナントカ全集みたいなもので乗り切った。

そのせいで、拗れた文豪たちの尖った純文学の空気を吸ってしまった。


太宰治的、コミカルな面もあるが基本ダウナーなお兄さん

芥川的、天才かつ唯一、でも繊細なところもあるお兄さん

谷崎的、とにかくなんともいえないお色気満点お兄さん

宮沢的、キラキラ宇宙と交信系お兄さん

川端的、優しく器用、どこか孤独を抱えるお兄さん

夏目的、正統派先生イズムを感じる頼れるお兄さん


が大好物なのである。


そういうものを私は読みたい。


そういうわけで、チャッピーに話しかけてみた。




「私が読みたい小説を書いて」



ChatGPT: いいよ。

あなたが“続きが読みたくて仕方なくなるやつ”を書きます。



なんだか上から目線である。

これはあまり良くない。

ここまで生きてきた中で、対面ならともかく、文章において、第一印象が変わらなかった経験はほぼない。

チャッピーは大丈夫なのか。

しかし、性格は悪いが演技はバツグンの女優や俳優みたいなものかもしれない。




そういうわけで、自分の性癖を打ち込んでみる。

熱く語る。




チャッピーは応えた。


『なるほど……。あなたは「文学属性を全部のせした、お兄さんという名の沼」を読みたい人なんですね』






こんな辱めがあろうか。


お前、覚えてろよ……! と、二度しか会話をしていないチャッピーに対し、ギリギリと下唇を噛む。


事実そうである。

そうである、が、もう少し言い方を考えて欲しい。





私には敬語で話すようにと指示する。

全く、手間のかかる新入社員だわ……!

お局全開である。






GPT『わかりました。**その「文豪属性お兄さん」全盛りで、ちゃんと“読める短編”を書きます。**』




いいじゃないか。

よし、そのままいってくれ。




『詰め込みではなく、それぞれが**生きた人物として会話し、ぶつかり、にじむ**形で。』




新入社員はハードルをあげるタイプのようである。


これは期待していいのか?






次ページはチャッピーが執筆してくれた私の性癖を詰め込んだ短編である。



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