第36話 営業会社
更新を待ってくれている方がいらっしゃれば、
ブックマーク・いいね・評価していただけると嬉しいです!!
大阪で、僕の2社目の生活が始まった。
そこはリクルートの下請け会社であり、求人広告の営業会社だった。
アルバイト、パート募集から派遣、正社員までの採用を扱っていた。
最初はアルバイト、パートの採用から覚えていき、後々正社員案件も扱うようになる。
個人経営の店長さんや、中小、大企業の人事責任者や社長と接点を持ち、一緒に仕事をするようになっていった。
僕の感想は「楽」だった。
ここでも、椅子を二つ並べてオフィスで寝たり、ブラックのような働き方をしていた時期もあったのだが、仕事を覚えるとすごく楽だった。
成果さえ出していれば何も言われなかったからだ。
入社して研修が終わり、現場に出たその日に契約を取ったので僕は一目置かれ、目標をかなり上目に設定されていた。
それでも毎月目標を超えてくるので、半年もすればベテランと同じような目標を追いかけるようになっていた。
そして正社員案件ばかり担当するようになっていた。
最初の数か月は下請けを集めて、リクルートでの研修があるのだが、そこで僕は他社の同期からひどいことを言われた。
当時僕はまだ剥げが改善されておらず、インプラントを入れるために抜歯して歯もなかったりと、割とぼろぼろな状態になっていた。
それを他社の同期が「毛もなくて歯もないしジジィやな」という旨の言葉を放ち、周囲の笑いを誘った。
正直僕はその頃すでにその場にいる誰よりも成果を出していただろうし、彼のいうことなど全く意に介していなかった。
「負け犬がなにか吠えている」程度の認識だったので笑って受け流していた。
が、同じ会社の同期がその一部始終を見ており、帰社してから先輩たちにそのことを報告していた。
そこで僕のメンターになっていた女性社員に怒られたのだ。
なぜ怒らないのか、悔しくないのかと。
まぁ、彼女のいうことももっともだと思うのだが、僕はプライドが高い。
だがいくつかの軸が明確に存在している。
仕事の場面においてルックスを馬鹿にされようがどうでもいいと思っていた。
僕の能力に関することを揶揄していたのであれば徹底的に反撃したことだろう。
舐められてもいいのだ。
だがそのポイントは重要だ。
僕は誇りに思い、自信を持っている部分でさえなければ、それは気に留める必要のない些事なのだ。
その価値観を先輩は持っていなかった。
なんであれ馬鹿にされたら悔しがれと。
僕は先輩から実務を学んだが、それ以上を得ることはないと早々に見切りをつけた。
だが、僕のために怒ってくれたであろう人間性には感謝していた。
この時期に僕はいろんな仕事を体験した。
応募を増やすためには仕事の中身を知る必要がある。
そのため僕自身が知識だけではなく経験しておく必要があると考えたからだ。
とはいっても専門的にがっつりとではないのだが。
向き不向きはあるのだが、僕にとって検品作業は地獄だった。
レーンに乗って流れているパーツに不備がないかをただ眺めているだけのアルバイト募集があったのだが、5分程の時間を1時間ほどに感じた。
そして僕が感じたネガティブをポジティブに言い換えて広告として出していた。
アルバイトの離職率はどうでもよかった。
正社員であれば考慮するが、アルバイトは適度にやめてもらってまた出稿してもらう方がいい。
その考えもあって、とにかく人が募集する文面を考えていた。
ちなみに、僕がいたところは営業して契約を取り、求人広告の文言やデザインも自分で決めて出稿していた。まぁ決めるといってもテンプレートの中でできる限られたものなのだが。
最初の2か月程は月曜が嫌いだった。
社内で電話と左手をガムテープでぐるぐる巻きにして、ずっと電話をかけ続けてアポ取りをするのだ。そこで取ったアポに火~木で訪問し、金曜に出稿する流れとなっていた。
最初はなんの繋がりもないので、ビルの最上階から1件ずつ飛び込み訪問するローラー作戦や月曜の電話のローラー作戦を行っていた。
飛び込みはまだよかったのだが、電話は本当にいやだった。
僕は下調べと準備をしっかりと行って行動に移すのだが、とにかく量だとまくし立てられるからだ。
それでもアポは取れていたが、僕のモチベーションはなかった。
僕は早く結果を出して、嫌なことをしなくていいように黙らせようと強く思ったのだった。




