第35話 成長はするもの
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僕の価値観では転職とは重たいことで、基本的には終身雇用だという考えがあった。
だが、僕のキャリアプランでは転職が必須となっており、それほどガチガチに凝り固まった価値観ではなかったのだが、実際に転職活動をして思った。
「人生は行動すれば簡単に変えられる」と。
前職では行動せずに愚痴ばかりいう馬鹿しかいなかった。
そこで頑張って結果を出す認めざるを得ない優秀な人もいたが、
基本的には馬鹿な会社は馬鹿しか生まない。
その会社は人を成長させることができない会社なのだ。
だがそこでも得るものを得た人間もいるだろう。
僕は僕もそのうちの一人だと思っている。
その差は「主語の違い」だと僕は思っている。
「会社が」成長させてくれる。
のではなく、
「自分が」成長するために何をするべきなのか。
自分以外の誰かに成長させてもらおうなど甘いのだ。
そんなのは環境に恵まれ続けない限り有り得ない。
そしてそんな偶然は起こり得ない。
幸運ではなく偶然だからだ。
たまたまであり、因果関係がなく、必然性がないのだ。
僕は僕の人生からそう学んでいた。
そしてそれは社会人の考え方としては適していた。
2社目でも僕はすぐに結果を出せるようになる。
のだが、1社目の有給消化もあり、僕は実家に戻ってから2社目での勤務を始めるまでの間に1か月ほどの何もない期間があった。
その期間に僕は家族と過ごし、羽を伸ばし、恋人に会いに行き、恋人の誕生日もそのタイミングで重なっていたので、いろいろサプライズを準備して大成功したのだった。
その彼女は大学からダンスを始めたダンス部の女性だった。
夜練といって、深夜にスタジオを借りてみんなで踊りあかすなんともパリピな練習が多々あったのだが、彼女はそのあと男性部員の下宿先に二人きりで過ごし、翌朝大学に行くことが多かった。
女性の同じ条件の人もいるらしいのだが、その男性と仲がいいので泊まっているらしかった。
そして当然僕は良しと思っておらず、嫌だといったのだが、友達なのになぜ嫌なのか。私が信じられないのか。と怒られてしまった。
その時僕はまだハゲていた。
その負い目もあって強く言えずに飲み込んでいた。
そうして所々思うところを抱えながら付き合いを続けていた。
僕は父とお酒を飲みたいという気持ちはあったのだが、お酒を飲んでしまうと車を運転できない。
何か急に車に乗らなければならない用事ができた際に乗れなければ困るとの理由で僕はあまりお酒を飲むことがなかった。
それは34歳の今でもそうで、僕はお酒は好きなのだが、家では飲まない。
飲み会では割とたくさん飲む。とういうスタンスだった。
実家にいるのはここから数年の間になるのだが、この間にもっと父とお酒を酌み交わしておけばよかったと後悔していた。
そして、仮にこの時父とお酒を飲んだからといって未来が変わるとも思えなかった。
急に車に乗らなければならない事情など、特になにもなかったはずだからだ。
そうして僕は父との時間も増やし、少しずつ父に対する後悔を減らしていった。




