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Re arise  作者: 活
大学生編
21/41

第21話 無償に近い愛

更新を待ってくれている方がいらっしゃれば、

ブックマーク・いいね・評価していただけると嬉しいです!!

彼女との日々は性生活を除けば満足のいくものだった。

性生活以外では彼女は僕のことを慮り、僕のために行動してくれる女性だった。

そして僕もその気持ちに応えて彼女を同等以上に大切にしていた。


人の関係とはギブアンドテイクなのだ。

与えられるから与えるのだ。


彼女は最初に与えられる人間だった。

そして僕は返せる人間だった。

そのバランスが取れていたということが価値観が一致していたということなのだと僕は思う。


家族においても無償の愛は存在しないのではないだろうか。

多かれ少なかれ見返りを求めている。

僕は家族には無償の愛のような行動をすることがあるが、愛情の見返りを無意識に求めているのだと思う。


僕は誕生日や節目には手紙を送るのだが、家族のほとんどが僕の誕生日など節目に手紙をくれはしない。そのことは僕を少なからず落ち込ませている。

それはやはり無償の愛ではなく、見返りを求めているからであろう。

そのため僕にとって無償の愛は存在せず、そこにあるのは無償に近い愛、無償と錯覚してしまう、思いたいだけの愛なのだ。


話しは戻るが、

彼女との日常の日々は満たされており、僕の両親も彼女のことを良く思っていた。

だが先述の通り、僕にとって看過できない強烈な価値観の違いがった。

性の価値観だ。

そしてそれはセンシティブな問題であり、僕は彼女を大切に思っていたので指摘できなかった。

今となってはそれは言い訳であり、ここに関しても僕は逃げただけだと理解できるのだが、当時の僕にとっては他に選択肢がないと思っていた。

今ならもっと円満に終わりに向かっていけるだろうし、なんなら終わらせる必要もなかっただろう。

性の問題さえ解決すれば理想的な恋人であったのだから。


「このまま彼女と共に過ごす選択もあるのかもしれない」と、ふと頭をよぎったが、僕は僕の愛すべき家族のことを彼女よりも明確に、色濃く、確実に、愛している。

そのため僕は再び彼女を傷つけて関係を終わらせることを選んだ。


方法は簡単だった。

僕は彼女のことをよくわかってた。

何をすれば嫌がるかも当然わかっていた。

ならば嫌がることをすればいいだけだった。


日々の積み重ねから彼女が自然と僕と距離を置きたくなるように仕向けた。

そして僕らは最終的には彼女の浮気という形で破局を迎えることになる。


僕が僕から離れるように仕組んだのだが、彼女が浮気をしたことはつらかった。

そして別れることもつらかった。

僕は好きだったからだ。


だが彼女には新しく好きな人ができ、その人と性的な価値観が一致するかは僕の知るところではなくなっているのだがまぁ幸せになってくれるといいなと思っていた。

そうして予定通り僕らは別れた。


後日談なのだが、

彼女が好きになった男性は他県の人だった。

彼女と付き合うことになって彼女の家に引っ越してきたのだが、ダーツを真剣にやっている人で、彼女の家からそれほど遠くないところにダーツで有名な人がいる店があるようだった。

結果からいうと彼女はそのために宿彼にされていただけだった。


そしてその男性にとって彼女は好みではなかったのか、性行為はほとんどなかったそうだ。

そしてある日バイト先の女子高生と浮気していることが発覚し、性行為が嫌いで潔癖だといっていたのが嘘だとわかった。

そしてそれらのことを泣きながら僕に電話で相談してきたのだった。


僕は彼女が好きで、彼女の幸せを願っていた。

僕は割とよく怒るし、温厚な方ではないかもしれないが、ぶち切れるといったことはあまりなかった。だがこの時は今までの人生で一番怒っていたと思う。


彼女にどうしたいか確認し、出ていってほしい、別れたいとのことだったので、僕は彼女の家に行き、その男性と話合った。暴力は振るっていないが、徐々にヒートアップしていき、最終的には彼女がその男性の味方に付いて男性を守り始めてしまった。


僕はすっかり熱が冷めたのだが、ここまでしていて引き下がるわけにはいかなと意地にもなりつつ、その男性の荷物を家から放り捨てていった。


最終的にその男性は出ていくことになったのだが、家に僕と彼女が二人で残される形となり、彼女は今までにみたことがなかった僕の怒り狂った面をみて震えあがっていた。

だが僕は理性をなくしていたわけではなく、追い出すためにある程度演じていたのだが鬼気迫るものがあり、僕が彼を殺めかねないと心配になったとのことだった。


それからはいつもの僕だったので彼女は安心していた。

そしてこれからのことを話し合い、この家を引き払い、実家に帰ることになったのだった。

そして僕と彼女の縁はそれで終わったのだった。


この一連の愛憎劇の原動力は終始一点に行きついている。

それは僕のプライドが傷つけられたことに対する怒りだ。

彼女のためにという面ももちろんあったのだが、振り返ってみると僕はこの時自尊心を傷つけられた思いでいっぱいだった。

僕が愛した女性を無下に扱った彼に対する怒りが大きかったのだ。

勝手に、幸せにしてくれるだろうと身を引いた僕が馬鹿をみたことが度し難かったのだ。


だが結果としてその行動は彼女のためになったであろうし、ご両親も安心して僕に感謝していた。

僕は、僕の幸せのために行動した結果が人を幸せにすることもあるということを経験した。

人を幸せにするには自分が幸せである必要があることもそこから感じたのだった。


僕は僕のために生きていく。

そして僕が幸せになるには、過去であり未来である僕の愛すべき家族の幸せが不可欠なのだ。

僕は僕の幸せのために家族と再会する。

そして家族が幸せになることによって僕もまた幸せへと到達するのだ。

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