第10話 斜めの関係
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高校になった僕はアルバイトを始めた。
理由は単純で、お金が欲しかったのだ。
そんな理由で始めたアルバイトだが、ここは僕にとってのオアシスとなる。
僕は自発的に動いた結果では人に恵まれていた。
自分で望んで行動して始めたアルバイト。
そこで出会った人たちは僕にとっては味方と言える人たちであった。
一般的には高校1年生からアルバイトができる年齢になる。
そのため僕は大人社会において一番若い存在であり、誰もが先輩だった。
そこには横の繋がりより圧倒的に縦の繋がりがあった。
とはいうものの、圧はなかった。斜めとでもいうのか、先輩ではあるのだが、友達だった。
僕の知らないことを知っている、経験している彼らとの時間は楽しかった。
僕は遊びにいってお金をもらっているような感覚でアルバイトをしていた。
当然仕事はしていたし、評価もされていたのだが。
僕は人生においてアルバイトを3か所ですることになるのだが、そのどれもに得るものがあった。
だが一番好きで、記憶に残っているのは最初のこのアルバイトだった。
高校3年生になり、受験勉強のためにやめるまでずっと楽しかった。
やめたくなかったが、昔から僕はやるべきときにやるべきことをやる人間ではあったので、渋々やめたのだった。
大学に入ってから、その時の上司から戻ってきてほしいと連絡があったことはすごくうれしかった思い出であり、戻ってからも閉店してしまうまでずっと楽しかった。
そうして高校時代の僕は、
人生の半分を学校で浪費し、残りの半分をバイトとバンドで補完していた。
僕は学校の彼らを恨んでおり、今後も一生許すことはないだろう。というかそんなことを考えることすら辟易とするので意識していなかったが、絶対に許さない。
だが、それほどのマイナスを相殺いや、僕の34歳までの人生から考えるとプラスになっていると思うのだが、その結果に至ったのはこの補完が補完ではなく溢れ出る「幸」を僕に与えてくれていたからだろう。
だが僕は思うのだ。
それは僕が行動した結果であり、人から与えられたものではない。
人は能動的には助けてくれない。
僕は僕の人生を自ら切り拓いて来た自負がある。
そうして僕の中に確固たる価値観が形成されたのだった。
自分しか信じない、人に頼れない人間が。




