表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第一章 ウラッセア王国騒乱
98/247

ジャックVSニコライ 中編

仲間が倒され、頭に血が昇りかけたところでジャックは大きく息を吐き、精神を落ち着かせる。


「ふぅーーー……。」

「おや、観念したのか?そうならば首を垂れよ。すぐにその知能の無さそうな頭を刎ねてやる。」

「んな訳ねぇだろバーカ!どっせえぇい!」


ブレーキ役のリョータを先に行かせた以上、ここで暴走して負ける訳には行かない。

ここで負ければリョータもゲーランも殺され、外にいるフリードたちも窮地に陥るだろう。

今すぐにニコライを叩き斬りたいと言う感情に支配されそうになったものの、その事実が彼に自身をコントロールさせた。

ニコライの挑発を蹴飛ばして彼は剣を振り上げ、


「ふん、どこを狙っているんだ?そこは地面だぞ?」

「まだまだぁ!」

「ただ暴れるだけとは……まるで子供の癇癪だな。」


床を斬りつけた。

ニコライは呆れた様子でそれを眺め、挑発の意を込める事すらなく感想を述べた。

しかしジャックはそれすらも気にする素振りは無い。

そしてしばらく床を斬り続けたかと思うと、床に手を伸ばす。


「これでも喰らいやがれ!」

「小癪、なっ!?」


そして彼は砕けた床の破片をニコライに投げつけた。

ニコライは難なく飛来した破片を弾き飛ばすが、その一瞬でジャックは距離を詰め切りかかる。

咄嗟の出来事にニコライは回避しきれず、辛うじてナイフで身を守った。


「この、馬鹿力め!」

「そいつぁどうも!」


ニコライはジャックの攻撃で痺れた腕を庇いながらバックステップで距離を取り、ジャックは先程と同様に床を切り砕きながら攻勢を続ける。

ジャックはニコライと距離が離れると再度、床の破片を投げつけるが、


「おらよ!」

「同じ手を喰らうとでも思ったか!」


ニコライも決して愚かではない。

二度は喰らわんと破片を弾きつつ、バックステップでジャックの追撃を躱そうとする。

しかしジャックの狙いはニコライでは無かった。


「思っちゃ、いねぇ、よ!」

「がっ!」

「ぐぁっ!」

「野蛮人風情が、猿真似か!」


彼はニコライに追撃を仕掛けず、近くで戦闘中のURP隊員に向かって投石した。

一人は頭に直撃し、昏倒。

一人は身体に当たり、バランスを崩す。

そして王国軍の兵士はバランスを崩した隙を見逃さずに攻撃を仕掛け、眼前の敵を撃破した。

ジャックにしてやられた事にニコライは眉をひそめ、声を荒げる。


「おいおい、さっきまでの余裕綽々って面はどうした?」

「言うじゃないか、野蛮人!」


一時はニコライに傾いた天秤は、次いでジャックに傾き、戦況はゆらゆらと揺れ動く。

ジャックは勢いを味方に付けた勝気な笑みを浮かべ、ニコライは獲物を見る蛇のような目でジャックを睨んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ