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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第一章 ウラッセア王国騒乱
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ゲーランの策

フリードの提示した策、


「王族の方々が有事の際に脱出する為に作られた隠し通路。それを用いて市街に潜入し、各所で騒ぎを起こし、敵兵を分散させる。そしてその隙をついて城門を開くんだ。潜入を担当する者たちには非常に危険な任務を任せる事になるが、この策が成ればマスカ攻略は成功したも同然だ。」


それは隠し通路を利用しての城門開放だった。

片手を握り、胸元に掲げて真剣に語るその瞳には希望が宿っている。


「さて、ここまでで何か意見がある者はいるかな?」


彼は説明を終え、周囲を見渡す。

疑問点はあるが、それを質問する前にゲーランが意気揚々と発言をする。


「おう!良い事を思いついだぜ!」

「聞かせてくれ、ゲーラン将軍。」

「市街で騒ぎを起こして城門を開くっつったよな?でもよ、敵だって城門は一番警戒してる所だろ。騒ぎが起きたくらいで、いや騒ぎが起きたからこそ城門の守りを強固にしようとするんじゃねぇか?」

「敵将が有能であれば、策が看過される可能性もあるね。」


彼はフリードの策が見抜かれる可能性を示唆した。

フリードもまた、その可能性を認める。

その上でゲーランは更に大胆な策を提示するのであった。


「いっその事、騒ぎを起こしたタイミングで『今から攻勢を仕掛けるぞ』ってくらいに城門の方に兵を配置して、潜入した部隊が王城に攻めるってのはどうよ?」

「なるほど、攪乱による城門の攻略自体を見せ札にすると言う訳だね。」


確かに堅牢な城壁と言う生命線を有する共和国軍であれば、そこを必死に守ろうとするのも頷ける。

自分が同じ状況下に置かれた敵の指揮官だったと仮定して、隠し通路の存在を知らないのであれば城門を死守するように命令するだろう。


「おうよ!んでもって城外には王国軍がいて、市街で騒ぎが起きてるからジョセフの野郎は逃げるに逃げれねぇ。そもそも力で邪魔者を排除してたんだから逃げたら一気に権勢は失墜するだろうからな!」


加えてゲーランは戦術的な視点以外にもジョセフの立場を利用する考えを述べる。

王国一の将軍と謳われた男の能力を垣間見たようだ。

『戦場で勝つ』事だけではなく、『戦争で勝つ』事を考えてこそ王国一足り得るのだろう。


「ではその策を採用しよう。他に何か意見はあるかな?」

「フリード、質問してもいいか?」

「言ってごらん。」


ゲーランの意見は採用され、今度こそ気になっていた質問をする。


「どうして隠し通路の存在を知っているんだ?それと、その隠し通路は問題なく使えるのか?」


何故転生者のフリードが王族用の隠し通路を知っているのか、そして隠し通路を中心に策を立てているが、そもそもその隠し通路は使えるのか、と言う疑問を。


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