表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第一章 ウラッセア王国騒乱
73/247

共に来てくれないか?

ジャックの補佐に就くことになってから半月。

問題もなく仕事をこなしていると、フリードが訪れてきた。


「やぁ、ジャック、リョータ。調子はどうかな?」

「フリードか。何か用でもあるのか?」

「もちろん。反攻作戦の準備が整ったのでね。」

「遂に、か。」


反攻作戦の準備が整った。

その話を聞いてジャックは目を瞑り、腕を組んで噛み締めるように呟いた。


「これから進軍を開始する訳だけど、レオノーラたちを連れて行く予定でね。用事の一つはその話をしに来たんだ。」

「戦場に連れて行くのか?」

「あくまでも後方の物資管理要員さ。前線に立たせる訳じゃないよ。」


どうやらフリードの用事は、反攻作戦が始まる事を告げるだけではなかったようで、レオノーラさんたち、彼に協力する為に派遣されたメンバーを連れて行く旨を伝えに来たようだ。

それに対し、ジャックは心配そうに問い掛ける。


「安全の保障は?」

「絶対に安全、とは言い切れないね。無論、物資を奪われたり燃やされたりする訳にはいかないから、備えはしっかりとするけれど。」

「…………分かった。」


フリードの『絶対は無いがそれでも安全には気を配る』と言う意見に暫し思案し、ジャックは彼の希望を了承する。


「そう言えばレオノーラさんたちの話が用事の一つって言ってたけど、他には何があるんだ?」

「進軍するにあたって、人材の供出を頼みたいんだ。」

「おいおい、レオノーラたちを派遣してるだろ?これ以上誰を連れて行こうって言うんだよ?」


フリードは更なる人材提供を要請に来たようだ。

しかしジャックも言うように、これ以上誰を連れて行こうと言うのだろうか。

そう思っていると、


「ジャック、共に来てくれないかな?」

「オレか!?」

「君は頭を使う事に関しては一切期待出来ないが、」

「おい。」

「その力に関してはかなりのものだ。僕の護衛として控えていてほしいんだよ。」

「つってもなぁ……。」


フリードはジャックに誘いの手を差し伸べる。

しかしジャックはそれに対して渋い顔で言葉に詰まる。

実際、彼は『差し伸べる手』のリーダーであり、もしも戦死でもしようものなら大変だ。

書類仕事に関しては、まぁ、いないでも大丈夫だけど。


「それに万が一、僕が死んだら『差し伸べる手』とウラッセア王国の太いパイプが無くなるよ?そしたら君たちは活動しづらくなるだろうし、戦いに負けでもしたら『差し伸べる手』の存続自体危ういかもね。」

「脅すつもりか?」

「まさか。純然たる事実を述べているまでだよ。」

「はぁ、仕方ねぇ。実際、お前にいなくなられたら困るしな。付いて行ってやるぜ。」

「ありがたい。助かるよ。」


しかしフリードは協力体制の維持を交渉材料にジャックを説得する。

フリードの協力無くして組織の存続は無いと考えたのか、ジャックは溜め息を吐きながら彼の手を取った。


「それとリョータ。」

「俺も!?」


てっきりジャックのみを連れて行くものと考えていたので、思わず大きく口を開けて驚いてしまった。

俺はジャックみたいに腕っぷしは強くはないし、戦争で役に立ちそうな能力も無いにも関わらず、何故誘われたのだろうか。


「トリア公との交渉で活躍してくれたからね。交渉ごとになった際に同席してもらいたいんだ。」

「まぁ、そういう事なら……。」

「いないよりは良いと思ってね。」

「その本音は言わなくて良いんだよ。」


どうやら以前の交渉に連れて行かれたのが原因だったようだ。

評価してもらえて、頼ってもらえて嬉しさを感じながらフリードの手を取る。

ジャックはフリードの明け透けとした態度にツッコミを入れるが、そこもある意味フリードらしさと言うものだろう。


「それからシスターアニエス。」

「「は!?」」


ジャックと俺が連れて行かれる事に関しては納得出来た。

しかしフリードの求めた三人目の人材に、俺とジャックは驚愕するのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ