表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第一章 ウラッセア王国騒乱
71/247

補佐の仕事

ジャックに仕事を押し付けられた翌日。

無視する訳にもいかないので鍛錬を終え、朝食を食べた後に彼の部屋へと向かう。

部屋に入ると、そこで彼は椅子に座り、腕を組んで待っていた。


「よし、それじゃあよろしく頼むぜ。」

「よろしく頼むって言われても、そもそも何をすればいいんだよ?」

「基本的にオレは書類に目を通して問題が無いか確認する。問題が無ければ確認済みのサインをする。だからお前は書類の計算間違いが無いかを確認してくれ。確認が終わったら収入と支出、うちの情報収集担当の報告書、他の支部からの報告書をそれぞれ種類別に分けておいてくれ。」


ジャックに仕事の話を聞くが、気になる点があった。

それは……


「ジャックが確認するなら俺が計算間違いが無いか確認する必要あるのか?」


そう、計算込みで確認するのがジャックの仕事ではないだろうか。

確かに現代の会社とかだったらミスが無いように色々な人が確認をするんだろうけど、ジャックがそこまでキッチリした人間には見えないのだ。

しかし彼は胸を張ってそれに答える。


「ある!お前が確認してくれれば、後はオレが目を通してサインをするだけだからな!」

「楽したいだけって事かよ……。」

「それにオレだって出来るってだけで、そんなに計算は得意じゃねぇんだよ。それなら得意な奴に任せる方が良いだろ?」

「それは、そうだけどさ……。」


言わんとする事は分からないでもないが、効率化も大事だとは思うし、適材適所も大事だけど、それでもジャックが楽をしたいだけにしか思えない。

半分納得、半分呆れを感じている中、彼は仕事の話を続ける。


「それと入口の横に箱があるだろ?」

「あぁ、それとポストみたいな穴が壁に空いてるな。」

「ポスト?がなんだか知らねぇが、その穴は部屋に入らなくても廊下から書類を入れられるようにするための穴だ。で、確認するその箱に入る事になってるから、誰かが書類を提出したら箱から出して確認してくれ。」

「ここに書類を入れて提出するのか。それなら……」


ジャックは部屋の入口の横まで行き、箱をポンポンと叩いて説明をする。

確かにその仕組みならわざわざ入室して書類を提出する必要はないが、ここまでするならそもそも…………


「じゃ、オレはリョータが書類の確認と分別が終わるまで視察に行ってくるから。」

「は?」

「後は任せたぜ。」

「ジャック!?」


考え事をしていると、ジャックはそのまま部屋の扉に手を掛ける。

そして呆気に取られているうちに彼は部屋を出て行ってしまった。


「レオノーラさんが苦労する訳だ……。」


溜め息を吐いて肩をガックリとさせ、仕事を始める。

しかし、すぐに手持ち無沙汰になったので先ほど考えていた案を実行に移すのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ