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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
序章 転生
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『差し伸べる手』の成り立ちと後輩

「さて、それじゃこの転生者相互共助会の成り立ちから説明していく。質問があったら都度挙手して聞いてくれ。」

「分かりました。」


タガミ先輩は一からこの組織について説明を始めてくれる。

名前からどんな組織か、大体予想は付くが、実態がどのようなものかは分からないのでまずは話を聞かせてもらおう。


「転生者相互共助会が出来たのは今から23年前。」

「結構前なんですね。」


23年って、俺が前の世界で生まれてすらいない。


「まぁ本格的に今みたいな組織になったのは6年前だけどな。それまでは10人ちょっとの転生者が寄り合って生活を支え合ってたらしいんだけど、新しくリーダーになった人が活動方針を変えたんだ。」

「へぇ。その新しいリーダーがジャックさんなんですか?あと先輩に拾われて俺は助かりましたけど、どうして活動方針を変えたんですか?」

「いいや、オレはその人の跡を継いでリーダーになったんだ。活動方針を変えたのは理由があってな。今この国を牛耳ってるジョセフが指導者としてウラッセア王国を転覆させたからだ。その時期はいつどこで戦いが起こるか分からなかったし、いざと言う時に逃げるための拠点も必要だ。そして情報もな。」


なるほど。生き延びるために必要だったからこその方針転換だったのか。


「ともかく、活動範囲を大きく広げた結果、この世界に散らばっていた転生者たちが集まって来て、今や100人を超える大所帯になって各地に拠点を持つに至ったって訳だ。転生者相互共助会ってのも長ったらしいし、『差し伸べる手』って名前も付けてな。」


100人って聞くと、正直あまり多い人数には思えないが、この広い世界に放り出されて生き延びた人たちを集めたって考えると結構な数なのかも知れない。

最初の頃から人数も10倍以上になったって事だし。


「だが………2年前にあいつは、前のリーダーは行方不明になっちまった。いくら探しても見つからない。戻っても来ない。仕方がねぇから昔からあいつを支えていた俺が新しくリーダーになったって訳だ。」

「ちなみに俺がこの『差し伸べる手』に入ったのは丁度ジャックさんがリーダーになった辺りなんだ。そっから色々な経験を積ませてもらったんだよ。」

「シンディも出会った時はまだまだ未熟な子供だったなぁ…………。それが随分成長して、後輩まで連れてきて………。」


ジャックさんの顔に影が差す。行方不明になったリーダー………。

やっぱりこんな治安が悪そうな世界じゃ、ちょっとの油断が命取りになるのか。




でもジャックさんがしみじみとしているけど、


「さっきから言ってるシンディさんって誰ですか?」

「シンディはシンディだよ。」

「最初に名乗った時にシンディ呼びは止めて下さいって言ったのに聞いてくれないんだ。俺はもう諦めた。」

「え?あぁ!タガミ先輩、シンジって名前だからですか。それがシンディ………ふふふっ………。」

「シンディ先輩とか言ったら殴るぞ。」


先輩に考えてる事を読まれて先手を取られた。

だってなんか面白いんだもの。シンディ先輩。


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