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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第一章 ウラッセア王国騒乱
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新たな仲間?

トリア公との交渉が終わり、無事にワシャールの街に帰ってきた。

馬車から降りると、偶然にもレオノーラさんと出会う。


「おや、お帰りなさい。リョータ。」

「レオノーラさん。ただいま戻りました。買い物ですか?」

「えぇ。街に出る用事があったのでついでに。」


そこで会話をしていると……


「なぁ…………あんたら、『差し伸べる手』って連中を知ってるか…………?」

「え?『差し伸べる手』?俺たちが所属してる組織だけど、それがどうかしたのか?」

「あぁ、良かった…………!」


ボロボロの外套を纏った男が近づいてきて『差し伸べる手』について尋ねてくる。

他の支部の仲間かと思い、俺はその問いに対して肯定する。

男は嬉しそうに近づいて来るが、レオノーラさんは手を前に出し、それを制止する。


「待って下さい。あなたは本当に『差し伸べる手』の仲間ですか?」

「あぁ、その疑いはもっともだ…………。」


レオノーラさんの疑いに対して、男は気を悪くした様子もなく地面をトントントンと三回蹴る。

それに対してレオノーラは同じように地面をトントントンと三回蹴る。

最後に男は地面をトンと一度蹴るとレオノーラさんが


「その手は」


と言い、男は


「差し伸べる……ためにある……。」


と返す。

どこかで見た事があるようなやり取りだ。

似たような状況の記憶を思い返し…………


「暗号、ですか?」

「はい。組織の存在を知っている敵の可能性もありますので。」


俺の記憶にあった、先ほどの状況と似たような出来事。

それはタガミ先輩に連れられてリエフの街の拠点に行った時の事だった。

なるほど、暗号をこのように使う事もあるのかと感心していると、


「それで、ジャックはこの街にいるか…………?」

「えぇ。ジャックならいますよ。」

「案内してくれ…………!伝えなきゃならない事があるんだ…………!」

「分かりました。ついて来て下さい。」


男はジャックの所に案内してほしいと語り、レオノーラさんもそれに了承する。

しかし……


「見るからにボロボロだし、体調も悪そうだし、先に少し休んだ方が良いんじゃないか?」

「いや、大丈夫だ…………。先に報告を、させてくれ…………!」


明らかに休ませた方が良い見た目なのだ。

しかし俺が休むように提案しても断られる。

顔色は悪く、喋り方も弱弱しいはずなのに、気迫だけは満ち溢れていた。

一体何が男を突き動かしているのだろうか。

そして、そこまでして報告しなくてはならない事とは一体何なのだろうか。

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