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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第3章 教皇と■■
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良い感じの事言ってる所悪ぃんだけど

「無責任かも知れないけど、きっと生きてるはずだ。見つかると良いな。」

「リョータ……ありがとうございます。」

「それにクリストフを探してるのはディーゴだけじゃないんだろ?」

「えぇ、ルセロア公も義父の後援者でして、商会への投資や義父の捜索に力を貸していただいています。」


決して意味のある励ましではないだろうけれど、それでも希望を捨てずに頑張ってほしいと言う気持ちを込めて、簡素な激励の言葉を贈る。

モルダとディーゴのやり取りから、かつてフリードに連れられて参加した諸侯会議での出来事を思い出す。

あの会議が終わった後に邂逅したルセロア公もフリードとの会話でクリストフを探していると言っていたはずだ。

今の今まで忘れていたが、耳にした話と思い出した記憶によって人物の繋がりが徐々に見えてきた。


「うちのジャックは具体的な療養先こそ聞いていないけど、行方不明って言う訳じゃないだろうから同列に語るのもなんだけどさ、前のリーダーに代わって組織をまとめるのって大変だよな。その苦労はなんとなくだけど分かってるつもりだから、もしも困った事があったら力になる。それにこっちも捜索している人がいるから、そのついでで良ければ併せて探させてもらうよ。」

「あー……良い感じの事言ってる所悪ぃんだけど、クリストフの捜索なら顔を知ってる連中を中心に前からこっちでも進めてるぜ。」

「…………」

「ま、まぁその気持ちはとても嬉しいので、ありがたく受け取らせてもらいましょう。それと、そちらで探している人とはどなたでしょうか?」

「あ、あぁ、タガミ先輩、タガミシンジって人で共和国騒動の時に連れて行かれて……顔付きは俺と似たような感じで……」


ディーゴへの共感を示し、手助けを申し出たが、既にクリストフ捜索の手伝いをしていたようで微妙にばつが悪い。

ディーゴは感謝してくれているが、確かに一時的に途切れたとは言えどもこれまで『差し伸べる手』と『ディーゴ商会』に結びつきがあったのであれば何らおかしな話では無い。

若干の気恥ずかしさを感じながらもディーゴに尋ねられた探し人、タガミ先輩が連れていかれた事と彼の情報を伝え、協力を願い出た。


「なるほど、そのような事が……リョータも苦労しているのですね。分かりました。もしもそのような人物を見かける事があれば声を掛けて確かめるように部下に伝えておきましょう。」

「ありがとう、助かるよ。」

「さて、だいぶ話が脱線しちまったけど、そろそろ本題に移ろうぜ。」

「どうやらただ挨拶に来ただけではなさそうですね。ここでの立ち話もなんですのでこちらへどうぞ。」


ディーゴからの協力の約束を取り付けつつ、モルダが本題に入るように催促する。

それを聞いたディーゴは軽く頷いて俺たちを商館の奥へと招くのであった。


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