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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第3章 教皇と■■
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挨拶に行ったら

「恐らく、と言うか間違いなく昨日の話を聞かれてたよな……」

「あぁ、オレもそう思う。それでルーメンに向かったって事だろ。」

「レオノーラが何をするつもりなのかは分からないけど、問題を起こす前に連れ帰らないとな……」


確信に近い予想をモルダに話すと、彼もそう考えていたようで頷いて同意する。

普段は比較的冷静な彼女だが、『差し伸べる手』の中でも特にアニエスを大切に思っている人物だ。

何をするか分かったものではない以上、早く見つけて回収しなくてはならない。


「それじゃ、早速行くとするか!」

「お前も付いて来るつもりなのか?」

「もちろん!それにほら、一人で行くよりも二人で行った方が探しやすいだろ?それにディーゴ商会の連中が今どうしてるかも気になるしな。」

「ディーゴ商会に知り合いでもいるのか?」

「あぁ、ジャックと一緒に会った事のある奴が何人かいるんだよ。共和国騒動の時から会えてないんで、向こうの方までは被害が出てはいないと思うけど、それでも多少は気にかかってな。」


モルダが共にルーメンに行きたがっているのは、どうやらアニエスだけが理由ではないようだ。

ディーゴ商会に知り合いがいて様子が気になっていたのなら、もっと前に言ってくれても良かったのだが、そもそも王都に来てからすぐにラディウムに行ってしまったのでタイミングが合わなかったのだろう。

そう考えると少し悪い気もしてきた。

レオノーラを連れ戻すのに力を貸してもらうと言う理由に、僅かばかりの申し訳なさが加わり、自分の中の天秤が傾く。


「分かった、一緒に行こう。」

「そう来なくっちゃな!」

「取り敢えず何も言わずに居なくなるのは問題だけど、他の皆にはどう説明したもんか……」

「普通に『レオノーラを連れ戻しにルーメンに行ってくる』じゃダメなのか?」

「そうなると経緯を説明する必要があるだろうし、それを説明するとアニーを心配してる奴が付いてきたがったり、暴走する可能性がある。だからまだ伏せておきたいんだよ。」

「なるほどなぁ……」


話せば連れて行ってほしいと言われるだろうし、連れて行っても連れて行かなくてもレオノーラの様に独断で行動する可能性がある以上、皆に教える訳にはいかない。


「なぁ、確かディーゴ商会ってジャックと関係があるんだよな。」

「ん?あぁ、そうだけど、それがどうしたんだ?」

「それならジャックが療養で一時的に離れてるから、代理のリーダーとして挨拶に行くって理由はどうだ?それで知り合いのいるモルダも連れて行く。」

「お、そりゃ良いな。」


名目があって連れて行く人物がモルダなのにも理由がある。

これならば『挨拶に行ったら、その先にレオノーラが居たので連れて帰って来た』で通じるだろうし、変に勘繰られることも無いだろう。

そうと決まればすぐに準備をして皆に軽く話をし、俺とモルダはルーメンに急ぐのであった。


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