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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第3章 教皇と■■
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レオノーラは?

「分かった、仮にルーメンに行くとして」

「お、リョータも行く気になったか!」

「仮定して、だよ。いいから話を聞いてくれ。」


仮定の話で進めようとするが、『仮に』の部分を決定事項の様に捉えたのか、モルダは立ち上がって喜びを露わにした。

俺はそれを宥めて手で着席を促し、話を続ける姿勢を取ると彼も一旦座り直して耳を傾けてくれる。


「行くとしてもすぐにじゃない。そもそも王城でアニエスと会ってからまだ一日しか経っていない。あいつがいつルーメンに戻るかも分からなんだから、今ルーメン行っても会えない確率の方が高いだろ?だからもうしばらくはこっちで仕事をしながら情報収集をしたりして、それから向かおう。」

「うーん、まぁそれもそうか。確かにずっとディーゴ商会に寝床を借り続けるのも悪いし、準備してから向かうしかないか……」


話を聞いて冷静になってくれたモルダは若干落ち込みながらも納得し、意見を納める。

いつ向かうかはともかく、ルーメンに行くと言う希望は叶えられるのだから、彼も落ち着きを取り戻したのだろう。

ともあれ、それまでに『差し伸べる手』の仕事をこなしつつ情報を集めなくては……

そう考えながら話は終わり、それぞれが自分の仕事に取り掛かる。

そして翌日……




「おはよう、皆。」

「おはよう、リョータ。」

「おはよー。」

「ご飯できてるよ。」


朝食を摂る為に食堂に向かい、そこにいた仲間たちに挨拶をする。

朝食はすでに出来ているようで、それぞれが雑談を交わしながら食事をしていた。

しかし、


「あれ、レオノーラは?」

「今朝はまだ見てないな。」

「と言うか昨日の昼過ぎから見てないぜ。」

「あれ、昼過ぎって言うとどこに行くかは聞いてないけど外出してたよ。」


そこにレオノーラの姿は無かった。

いつもであればこの時間帯には彼女も食堂で皆と食事を摂っていたはずだが、今日は姿が見えない。

少し気になって問い掛けるが、誰も彼女の居場所を知らない。

それどころか昨日の昼過ぎから誰も彼女を見ていないのだ。


「まさか……」


嫌な予感が脳裏を過る。


「モルダ、食事が終わったら話がしたいんだけど良いか?」

「あぁ、分かった。」


モルダに声を掛けると、彼も思い当たる節があるのかすぐに頷き、それ以上は何も言わずに食事を続ける。

皆もどこか不安げに、しかしまだ今日は見ていないだけなのでそこまで大事には考えずに朝食を摂り終え、それぞれの仕事に就きに行く。

そして俺とモルダは昨日話をしていた部屋に集まり、レオノーラの行方について話をするのであった。


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