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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第3章 教皇と■■
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転生者と教会

「なぁ、モルダ。」

「なんだ?」

「これはまだ皆に伝えないでおいてほしい事なんだけど……」

「重要な話か?それなら場所を移そうぜ。」

「あぁ、そうだな。」


まだ皆に知らせるには早いと思うけれど、一人でどうにかしようとしても解決できる問題ではなさそうだ。

だったら仲間を頼らせてもらおう。

アニエスと仲の良かったレオノーラ辺りに聞かれたら更に心労が重なりそうだから伝えられないけど。


「それで、いったい何の話をするんだ?」

「俺がこの前、王城に行ってた時があるだろ?あの時、アニーに出会ったんだよ。」

「なんだ、あいつこっちに来てたのか!でもそれならなんでここに顔を出さなかったんだろうな?それになんで皆にはまだ秘密なんだ?」


普段は使用されていない応接室で椅子に腰かけて王城でアニエスと再会した件を伝えると、モルダは嬉しそうに破顔して、そしてすぐに首を傾げる。


「なんて言うか、まるで別人みたいでさ……アニーの雰囲気が重々しくて、ここに居た時みたいな元気もなくて、とにかく様子がおかしかったんだよ。」

「体調が悪かったとか、疲れてたとか、そういう感じじゃなかったのか?」

「思い違いならそれで良いんだけど、その時は付き人っぽい人に止められて話す事が出来なかったし、様付けで呼ばれてるしで、体調の問題云々とかじゃないと思うんだ。」

「付き人?様付け?何がどうしてそんな事になってるんだよ……」

「俺が聞きたいくらいだよ……。それでさっき聞いた話なんだけど……」


俺がその時に感じた事を伝えると彼は更に首を傾げ、頭に疑問符を浮かべる。

その上で先程教会に行って聞いてきた話と、それに基づいた考察をモルダに伝えた。




「なるほどな、だからさっき教会に行ってたのか。それに今の状態が原因かも知れない、か……」


俺の話を聞き終わったモルダは頷いて考え込む。

そもそも情報が少ない中で立てた仮説だから正確性は保証できないが、それでも知恵を貸してくれるならありがたい。


「あとこれは所感で良いんだけど、転生者と教会ってあんまり関係が良くない感じか?」

「あー……まぁアニーみたいな奴もいるんだろうけど、基本的に俺らも元々いた世界で信じてた教えがあるから教会の信奉するウハヤエ教は関わる事が無いんだよな。あいつらが教えを広めようとしても聞く耳を持たない転生者だって少なくねぇし、この前リョータが滞在してたラディウムなんてそれが顕著だったんじゃないか?」

「確かに、ラディウムに、と言うかジュテームに教会は見当たらなかったな……」

「まぁそんなこんなで関係が良いか悪いかで聞かれたら、どちらかって言うと悪い方なんじゃないかってところだ。」


教会で感じたアニエスとは関係のない疑問に関してモルダに聞いてみると、納得の答えが返って来た。

なるほど、だからあの神父が俺を転生者だと知ると値踏みするような目で見て来たのか。

それで『聖者』の話こそしてくれたが、それ以上に踏み込んだ話を聞こうとしたら答えてくれないはずだ。

しかしそうなると何故ロオは俺の疑問に答えてくれたのかが気になるところだが、いったんその疑問は置いておくとしよう。


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