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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第3章 教皇と■■
226/247

王様に無理難題でも吹っ掛けられたか?

「………タ。」

「…………」


『差し伸べる手』の拠点に帰って来たものの、やはり思考はまとまらず、アニエスの事ばかり考えてしまう。

彼女の身に何があったのか、ルーメンで何かあったのだろうか……

こうして考えていても真実には辿り着けない。

しかし彼女に尋ねようにも、話す機会を得られない。


「……ータ!」

「…………」


王城では付き人に阻まれたが、諦めずに教会に行ってみるべきだろうか。

門前払いに遭うかも知れないが、それでも「おい、リョータ!」


「うわっ、何だ!?モルダか、ビックリした……」

「ビックリした、じゃないんだよ。帰って来てからボーっとしてどうしたんだよ。」


先程から声を掛けられていた事に気が付かずに考え事を続けていた為、大声で名前を呼ばれる。

それに驚いてびくりと肩を震わせ、次いで声の主、モルダに視線を向けて肩を落とす。

そんな俺の態度も気にせず、モルダは心配そうに眉尻を下げて何があったのか尋ねた。


「王様に無理難題でも吹っ掛けられたか?」

「いや、そう言う訳じゃないんだけど……」


王城に行く前は普通の状態だったが、王城から返って来た時にはこの状態になっていたのだから、原因はそこにあると考えたのだろう。

むしろ無理難題を吹っ掛けられたのはその王様の方なんだが。


「それじゃ王様に無礼な口をきいたとか、失礼な態度を取っちまったとかか?」

「そう言う訳でもない。」


普通であれば十分に考えられる懸念だ。

最悪それで物理的に首が飛ぶ可能性だってあるだろうし。

しかしその王様の方から楽に接してくれと言われているので、それで首を刎ねられようものなら理不尽以外の何物でもないし、アルステッドをそんな人物だとは思いたくない。

しかしどう説明したものか……。

アニエスが出て行って落ち込んでいる仲間、特にレオノーラの耳にこの話が入ったら余計に落ち込んだり、突飛な行動に出るかも知れない。

それに何も情報が無い中で話をしたところで、困惑を生むだけだろう。


「心配してくれてありがとう。でも大丈夫だ。もしもこの先困った事になったらその時にでも相談させてもらうよ。」

「そうか?まぁリョータがそう言うなら良いんだけどよ……でもジャックはいないし、レオノーラだってあの調子だろ?お前まで……」

「そこまで心配しなくたって大丈夫だって。新しい王様も信頼できる人だし、この国もこれからきっと良くなっていくさ。だから俺たちも俺たちに出来る事を頑張って行こう。」

「そう、だよな!落ち込んでたって良い事無いからな!」


内戦こと終わったが、その際に発生した被害やその後に起こった悪い出来事の傷がすぐに癒えるわけでは無い。

モルダが心配するのも仕方がない事だ。

ならばせめて、ジャックの様に明るく振舞って皆の精神的な負担を減らしておいた方が良いだろう。


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