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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第2章 ラディウムのヴァイキング
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去らばラディウム

継承の儀が終わった後、俺たちは祝宴に参加して夜が更けた頃、ラディウム城を後にする。

以前トリア公と会うために、この世界に即した礼節を叩きこまれた、もとい学んだ事はあるけれど、やはりこうした場は格式張っていて疲れてしまう。

『差し伸べる手』の拠点に帰る頃にはくたくたになっていたので、ゆっくりと眠ってからラディウムを後にする事にした。

祝宴の席と言えばアルステッドも参加しており、少なくとも表面上は普通にユーステッドに対して祝辞を述べていた。

しかし二人の間にはどこか壁を感じ、和解しているようにはとても見えなかった。

どちらとも関わりがあるからこそ仲直りしてほしいと思うが、長年複雑な感情を抱え合っていた二人がすぐに手を取り合うのは難しいのだろうか。

そんな事を考えながら、俺は眠りに就いた。

そして翌朝、グランマに下された沙汰を話してから食事を終えて……


「それじゃあ、もう行くよ。」

「気を付けて帰れよ。」

「またいつでも遊びに来てねー。」

「皆で待ってるよー。」

「身体には気を付けて、元気でね。それと改めて言わせてもらうけど、わたしたちの為に奔走してくれて本当にありがとう。」

「仲間の為なんだから当たり前だよ。皆も元気で。」

「短い間だったけど、世話になったね。」


オルガノ、イーリス、イーシャに見送られ、フリードと共にラディウムを去った。

そして船に乗り、離れるにつれて小さくなっていくラディウムを見つめながら黄昏る。


「ラディウムはこれからどうなるんだろうな……」

「さぁ?そこは新公爵の手腕に期待するしかないね。でも、良くも悪くも変わると思うよ。」

「そう、だな……。」


未来の事は分からないけど、ラディウムが良い方向に進んでくれる事を祈るばかりだ。






その後、風の噂ではラディウムは転生者の重点的な保護政策を緩和していったと聞いた。

ユーステッドの政策に対して反感を抱く転生者もいれば、納得して受け入れる転生者もいたとかで、前者が比較的多めなものの意見が割れているらしい。

他にもしばらくしてグランマとランドルフは釈放されたとか、以前ユーステッドに提案した転生者と現地民の代表者を選出してそれぞれの意見を拾い上げる仕組みが試験的に実施されるようになったとか、その代表はラッセルとランドルフだとか。

後半に関してはグランマから手紙が届いたのだ。

ユーステッドに声を掛けられたらしいが、ラッセルを推薦したらしい。

ランドルフの方はユーステッドに頼み込まれて代表になったとも書いてあった。

ともあれ、少しずつ少しずつラディウムは変わりつつあるらしい。




しかし、その事を知るのは、グランマから手紙が届くのは、俺が王都マスカに帰った後に起こった一大事を解決し、しばらく経ってからになるのだった。


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