表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第2章 ラディウムのヴァイキング
187/247

帰ってこない

「……帰ってこない。」

「随分遅いな。グランマは一体どこに行ってるんだ?」

「もしかしたら出かけたのはお城じゃないとかー」

「ジュテームから出てるのかなー?」


噂を広めたその日、夜になってもグランマは帰ってこなかった。

誰もどこに行ったのかを聞いておらず、何をしているのかも分からない。

グランマの身に何かあったのだろうか?


「探しに行ってくる。」

「あたしもー!」

「行ってくるー!」

「探したいのは俺も同じだけど、探す当てとかはあるのか?」

「「「…………。」」」


流石に心配になって、皆はグランマを探しに行こうとする。

しかし探すにしても闇雲に探していては見つからないと思われる。

せめて何か当てがあればいいのだが……


「当てはないが、街の連中に片っ端から聞いて回れば分かるかも知れん。」

「それだと時間が掛かり過ぎるし、最悪の場合流した噂がグランマの話で上書きされるんじゃないか?」

「それじゃー」

「どうするのー?」


当てがなくとも、探し続ければ見つかるかも知れない。

オルガノはそう考えたようでしらみつぶしに探す事を提案する。

しかし探すにしてもヤマを張って探した方が良いだろう。


「いったんラディウム城まで行って話を聞いてみよう。グランマが行きそうなところを優先して探せば、もしかしたら何か情報が手に入るかも知れないし、闇雲に探して周るよりは効率的だと思う。」

「そうと決まれば城に行くか。」

「でもこの時間に行ってもー」

「追い返されそうだよねー。」

「確かにもう夜だし、明日の朝に改めて向かった方が良さそうだな。」

「……分かった。」


俺の提案を聞いたオルガノは今度こそ、と出立しようとするが、イーリスとイーシャが言うように、夜と言う多くの人々が活動を控える時間に城へ向かっても取り合ってもらえない可能性が高い。

オルガノは不服そうに、しかし理屈は分かるといった雰囲気で席に着く。


「でも、本当にどうしたんだろうねー?」

「今まで何も言わないでいなくなるなんて事なかったのにねー。」

「グランマがそこら辺の連中に後れを取るとも思えん。」

「少なくとも、それだけ厄介な問題に関わってしまった可能性があるって事か……。しかもこのタイミングで……。」


グランマもまたフリードから頼まれた噂を広める為、何かしらの行動をしていたと考えられる。

その行動の最中、何者かに襲われるか、攫われるか、はたまた自らの考えで行方を眩ませているのか……。

もしも襲撃されたのであれば、その目的は?

もしも自ら姿を消したのであれば、その目的は?

どれだけ考えても分からない。

ただ胸中には不安と疑問が渦巻くのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ