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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第2章 ラディウムのヴァイキング
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ずっと怖い顔してた

ジュテームを発って三日が経過した。

前回ディヴェラに向かう時は海賊に見つからないよう、慎重に行動した事もあって到着には時間を要したが、今回は普通に向かい、障害も無かったため問題無くディヴェラ近隣に着く事が出来た。


「リョーター。」


ランドルフは海に出ているとはいえ、それも一週間程度と聞いていた。

ディヴェラからジュテームに帰り、三日。

ラディウム公に投獄されて恐らく、一日。

そして再びジュテームからディヴェラへ向かい、三日。

合計で七日間。一週間が経過した事になる。


「ねぇ、リョーター?」


ランドルフがまだ帰って来ていなければユーステッドを探して話を聞き、場合によっては説得をする必要がある。

ランドルフが帰って来ているものの、ユーステッドの内戦の呼びかけに応えなかった場合、彼と共にユーステッドを説得する。

最悪の可能性としては、ランドルフが帰って来ていた上で、ユーステッドの内戦の呼びかけに応え、事を起こす準備をしている場合だ。


「……せーの」


その場合、ランドルフとユーステッドの両名を説得した上で、現地民を落ち着けなくてはならない。

万が一にも暴発でもしたら、ジュテームの皆の頑張りが無駄になってしまう。

最悪を想定した上で、そうならないように…………


「「えーい!」」

「うわぁ!?」

「やっと気が付いたのー。」

「イーリス!?イーシャ!?」

「無視するのは酷いよー。」

「ボーっと歩いてると危ないよー。」


考え事をしながら歩いていると、後ろから強めの衝撃を喰らう。

どうやら背中を叩かれたようで、痛みこそ無いが、咄嗟の出来事に驚いて素っ頓狂な声を上げてしまった。

振り返ってみるとそこにはディヴェラに滞在している双子がいた。


「一体いつの間に!?」

「森の帰りで偶然リョータを見かけたからー」

「近づいて声を掛けたんだけど気が付かないんだものー。」

「あぁ、悪い……全然気づかなかった。」

「それにずっと怖い顔してたー。」

「昔のオルガノの方がまだ優しそうなくらいの顔ー。」


どうやら考え込んでいる間に寄ってきたようだ。

結果的に無視してしまったことを申し訳なく思いつつ謝罪をするが、不安や緊張感が表情に出ていたようで、彼女たちは俺の表情について言及して来る。

俺が出会った時には既に無表情が常なオルガノの昔の表情は知らないが、今はそれよりも……


「一つ聞きたい事があるんだけど、ランドルフは戻ってるか?あとユーステッドがこっちに来てると思うんだけど……。」

「ランドルフー?帰って来てるよー。」

「オージ様も来てるよー。」

「ラッセルと三人で何か難しそうな顔して話し合ってたねー。」

「ねー。」

「…………!」


彼女たちに状況を尋ねると、どうやらランドルフは帰ってきており、ラッセルを交えつつユーステッドと話をしたようだ。

どのような形で話が終わったかは分からないが、まずは彼らに会ってみよう。


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