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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第2章 ラディウムのヴァイキング
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どんな結果に終わるにせよ

「お帰り。大丈夫だったかい?」

「グランマ、戻ってたのか。」

「こっちはアルステッドのお陰で事なきを得たよ。そっちはどうだった?」


ラディウム公の居城に行っていたグランマは先に帰っていたようで、俺とオルガノを出迎える。

俺がグランマに結果を尋ねると、彼女は目を伏せて首を横に振った。


「すまないねぇ。門前払いだったよ。何を言っても衛兵は通してくれないし、あたしの話を聞くつもりは無いみたいだ。」

「そうだったのか……。」

「とりあえずジュテームを発ってからこれまでにあった事を2人にも伝えておくよ。」


彼女の成果は芳しくなかったようで、やはりと言うべきかラディウム公が方針を改めて問題を解決する事は望めそうにない。

どちらにせよ、俺がもう一度ディヴェラに向かう事に変わりは無いが、それでも残念に感じられる。

しかしジュテームに戻ってから落ち着いて話をする機会が無かったので、オルガノとグランマにディヴェラに行った時の事やラディウム公との面会、アルステッドから聞いた話、そしてユーステッドの件を伝えた。


「そうかい……罪もないあんたを投獄するとは、堕ちたもんだね、ラディウム公も……。」

「ユーステッドの件も聞き捨てならない。」


グランマは悲しそうな表情を浮かべ、オルガノは相変わらずの鉄面皮で俺の話を聞く。

今現在に至るまでの話を終え、俺はこの後の話を切り出す。

ユーステッドに会うために、場合によっては内戦を止めるために。


「もう一度、ディヴェラに行こうと思う。」

「そうかい。それならイーリスとイーシャによろしく言っておいてくれ。あの娘たちもあの娘たちで動いてくれているし、ラッセルもいるから大丈夫だとは思うけど、まだまだ子供だからね。」

「ラッセルには何か伝えておく事はあるか?」

「そうだねぇ……あの子は賢い子だから心配は必要ないと思うけど、無理はしないように、身の安全を優先するように伝えておいておくれ。」

「分かった。」


俺がディヴェラ再訪の意を伝えると、グランマはイーリスとイーシャ、ラッセルへの伝言を頼む。

その声を受け取り、俺は拠点を出ようと踵を返そうとすると、グランマに呼び止められた。


「それからリョータも。」

「俺も?」

「気を付けて行ってくるんだよ。歳の割に立派だけど、あんただってまだまだ若いんだ。命を懸けるにゃ若すぎるくらいにね。だからあんたも、ラディウムの問題がどんな結果に終わるにせよ、生き延びるんだ。いいね?」

「グランマ……分かった!ありがとう!」


祖母の様に温かみのある言葉に胸が熱くなる。

これまで続いた出来事から張りつめていたが、彼女のお陰で心新たに拠点を出る事が出来た。


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