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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第2章 ラディウムのヴァイキング
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釈放

「さぁ、出てくれ。」

「ありがとう、助かったよ。」


アルステッドは牢屋のカギを開け、俺を釈放してくれる。

どれだけの時間が経っていたかは分からないが、牢屋なんて長居したい所ではない。

屋外に出たところでグッと身体を伸ばし、深呼吸をして自由を実感する。


「なぁ、アルステッド。今からユーステッドに会う事って出来るか?」

「弟か?ふむ、謹慎中ではあるが、兄である私が会いに行こうと思えば会えるだろう。だが部外者のリョータを連れて、となると難しいかも知れないな。」

「何か伝言があるならば伝えてこようか?」


ダメもとで聞いてみたが、やっぱり無理か。

そう思うと残念そうな表情になっていたのか、アルステッドが俺に尋ねる。

伝言では無いが、渡りに船だ。

是非とも頼らせてもらおう。


「いや、伝言って言うよりは聞きたい事があって……。」

「聞きたい事?」

「あぁ、俺が牢屋にいた時にマークがユーステッドからの伝言を伝えに来てさ。」

「なんと言っていたのだ?」

「『覚悟を決めた』って。それで何の覚悟を決めたのか聞きたかったんだ。」


ユーステッドの発言の真意がなんであるか。

わざわざマークに伝言を頼むほどの事に意味が無いとは思えない。

しかしどれほど考えても分からない。

ならば本人に聞いてみるしかないだろう。

アルステッドも何の事だか思い当たる節は無いようで、顎に手を当てて僅かに考え、了承する。


「『覚悟』か……分かった。久々の顔合わせついでに聞いておこう。リョータは『差し伸べる手』の拠点で待っていてくれ。後で会いに行かせてもらう。」

「分かった。よろしく頼む。」


アルステッドに城門前まで連れてきてもらい、俺は拠点へと、彼はユーステッドの元へと向かう。

取り敢えずグランマに報告をしなくては。

それとライアンが話したがっていたから、アルステッドの話を聞いたら会いに行くとしよう。


「おや、リョータかい。お帰り、よく帰って来たね。」

「ただいま、グランマ。」

「手紙は渡してくれたかい?」

「あぁ、返事も預かってる……ほら、これ。」

「どれどれ……うん。確かに受け取ったよ。ありがとうね。」


拠点のリビングにはグランマがお茶をしており、俺を迎えてくれた。

ラッセルからの返事の手紙をグランマに渡し、彼女は軽く中身を確認すると頷いて感謝の言葉を述べる。

彼女が俺にお茶を入れてくれたので、それを飲みながらディヴェラであった出来事を話そうとしていると、オルガノが拠点に駆け込んでくる。


「リョータ、帰っていたのか。」

「あぁ、ただいま。そんなに慌ててどうしたんだ?」

「マズい事になった。」


普段は寡黙で落ち着いた雰囲気を纏っていた分、その慌てる様に不安を抱かずにいられない。

『マズい事』とは一体なんだ?

何があったって言うんだ?


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