表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第2章 ラディウムのヴァイキング
139/247

なるほど、徒歩で来た訳か

「どーしたのーリョータ?ポカーンって口を開けちゃてー。」

「そーそー。そんなにビックリしてどーしたのー?」

「いやいやいやいや!」


彼女たちは俺の方を見て不思議そうに首を傾げて問い掛ける。

俺は困惑しながらも、こんな表情にさせてきた張本人たちに対してどうにか言葉を絞り出す。


「どうしてここにいるんだよ!?」


そう、ラッセルの家から出てきたのは、本来ならばこの場にいるはずのない双子。


「イーリス!イーシャ!」


『差し伸べる手』の仲間である彼女たちが何故か現れたのだ。


「え?どーしてって」

「普通に歩いてだけどー?」


なるほど、徒歩で来た訳か。

いや待て違う、そうじゃない。


「そうじゃなくて、なんでジュテームにいるはずの二人がここにいるんだって聞いてるんだよ!」


当然とも言わんばかりの物言いに、混乱した俺の頭は一瞬それで納得しそうになったが本当に聞き語ったのはディヴェラに来た手段ではなく、ディヴェラにいる理由なのだ。


「だって久しぶりにディヴェラに来たかったしー。」

「先に着いたらリョータが驚くかなーって。」

「あぁ、あぁ、めちゃくちゃ驚いたよ!」

「やったー!」

「大成功ー!」


驚かせるためにここまで来たと言う二人に呆れ半分、怒り半分に感想を告げると、彼女たちはハイタッチして喜びを露わにする。

お説教をした経験はあまり無いし、好きでもないが、それでもここは彼女たちの為にもガツンと言わなくてはならない。


「あのなぁ、もしも海賊に襲われたりしたらどうするつもりだったんだよ?無事に到着できたから良かったものの、もしかしたら死んでたかも知れないんだぞ。」

「大丈夫大丈夫ー。」

「大丈夫って、いくらなんでも楽観的過ぎる。本当に命の危機と隣り合わせだって自覚が無いんじゃないか?」

「だってあたしたち知り合いだしー。」

「もしも二人が死んだらみんな悲し……知り合い?」


何ともないようなイーリスの態度に頭痛を覚えながらも説教をしていると、イーシャが聞き捨てならない一言を発する。

その一言は俺の話を止めるには十分過ぎた。


「そーだよー。」

「あたしたち最初はディヴェラにいてー。」

「それからグランマに拾われてジュテームに行ったんだー。」

「つまり……」


こちらの住人とは顔見知りだった、と?

だから海賊に襲われる心配は無かった、と?


「だから巡回してる人たちとかー。」

「街の人たちとは知り合いなんだー。」


そう、そもそも彼女たちはここに来るまでに危険など無かったのだ。

それならばグランマは最初からこの二人に手紙の配達を頼めば……

いや、本来の目的を忘れてはいけない。

それだと俺が現地で問題を理解する機会が無くなる。

それに凶悪と噂される海賊と言っても、実際の危険度は高くない。

だから躊躇いなく、それどころか木剣を使えと渡して俺を送り出したのか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ