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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第2章 ラディウムのヴァイキング
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ちょいとオレらと一緒に来てもらうぜ

ジュテームの街を出て一日目。

まだまだ海賊の勢力圏からは距離があり、怪しい人影は見当たらない。


「当たり前っちゃ当たり前だけど、平和だな……。」


しかし油断はせず、常に遠くを見渡しながら街道を避けて進んで行く。




二日目。

地図を確認しながら北へ北へと歩みを進める。

道中合った村を遠めに観察したところ、周囲を含めて海賊の気配はない。


「海賊、ですかい?いやぁこの辺じゃあ見とらんですなぁ。」


村に立ち寄って物資を補充しつつ村人から話を聞く。

どうやらここもまだ安全圏のようだ。

この日は物置を借りて夜を明かした。




三日目。

街道を巡回する数人の武器を持った怪しい人影を視認した。

相手はまだこちらに気が付いていないようなので道を避けて潜伏しながら先へと進む。


「あれは……!」


巡回とは言っても緊張感は全く感じられず、あくびをしながら歩いていた。

良くも悪くも、いかにも海賊といった雰囲気が感じられる。




四日目。


森の傍を進んでいると小さな小屋を発見した。

窓から中の様子を窺ってみると老人が飲み物を飲んでくつろいでいた。

屋内にある弓と矢、そして動物の毛皮を見るに、恐らくは狩人だろう。

少なくとも海賊のような雰囲気は感じ取れないし、相手も一人だから襲われても対処できると考えて小屋のドアをノックして老人から話を聞いた。


「ふむ、コッツ半島のディヴェラ?それなら向こうの方にある。それと、もうすぐ暗くなる。良ければ泊まっていきなさい。」

「お言葉に甘えさせてもらいます。」


どうやら目的地は近そうだ。

明日にでも到着するだろう。

その日は老人の好意に甘えて一晩寝床を貸してもらった。




五日目。

昨晩の老人の話を頼りに歩を進める。

遠くには大規模な、とは言えないがこれまでの道のりで見てきた村々よりは大きい村を発見した。

次はあそこで情報を集めようと思い、森から出て行くと……


「んん?なんだおめぇ?」

「この辺じゃ見ねぇ顔だな。」


道すがらの岩場、ちょうどこちらからは視界が通っていない場所から怪しい男たちがぬっと現れた。

彼らは明らかに柄が悪く、見るからに海賊と言った風貌だ。

そして悪い予感は当たってしまう。


「見た感じ『ゆーふく』っつーか、ジュテームとかあっちの方に居そうな感じじゃね?」

「って事ぁ一応連れてっとくか?」

「そうするべ。おい兄ちゃん、ちょいとオレらと一緒に来てもらうぜ。」

「……断るって言ったら?」

「そりゃあもちろん!」

「力尽くよ!」


二人は何やら話し合うとこちらに向き直り、俺を連れて行こうとする。

海賊に付いて来いと言われて素直に付いて行くほど馬鹿ではない。

俺が要求を拒絶すると、彼らは武器を取り出して襲い掛かってきた。


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