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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第2章 ラディウムのヴァイキング
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『解決』したい

本気で海賊を討伐するつもりか、だって?


「本気だけど……。」


その為にここに来たんだし、実際に迷惑を被っている人々を目にしたのだ。

彼らの為にも、仲間の安全の為にも海賊は倒さなくてはならないのだ。

と言っても今回は交渉とかは無いだろうし、制御しなきゃならないメンバーもいないから潜入チームには抜擢されないだろうけれど。

人任せと言われればその通りだが、付いて行っても足手まといしかならないのだから。


「なんでそんな事を?」

「海賊がどんな人たちか知っているかい?」

「詳しくは知らないけど、数が多くてめちゃくちゃ強いらしいって事くらいは。」


具体的にどんな連中かは見た事が無いから説明のしようがないけれど、それでも予想くらいは付く。

討伐軍が全滅したと聞いたのだから相応に強いはずだし、アルステッドからは数も多いと聞いた。


「へぇ、そうなのかい?」

「いや、実際にどうか知らないけど、聞いた話から考えるとそうなるだろ。」


と言うか、まるで知っているかのように聞いてきたのに、その相槌だとグランマは海賊について知らないみたいじゃないか。


「それなら少し違う質問をさせてもらうよ。あんたは海賊の問題を解決するつもりはあるかい?」

「?だから、その為に作戦会議を……」

「そりゃ海賊を討伐する為の、だろ?わたしが聞きたいのは『討伐』じゃなくて『解決』するつもりがあるかどうかって事さ。」


認識に齟齬がある。

俺は海賊の問題を解決する為に討伐と言う手段を選んだのだ。

しかしまるで海賊を討伐したところで問題は解決しないとでも言わんばかりの聞き方を彼女はしてきた。


「…………。」

「さて、あんたは『討伐』と『解決』のどっちを選ぶんだい?」


その質問は海賊が問題なのではなく、その裏に何かがあるかのような聞き方だ。

しかしそれを判断できるだけの情報は無く、そもそも人々の声が、海賊と言う存在に対する認識が、完全に討伐する以外の選択肢を思考から奪い取っていた。

今どれほど考えたところで、その『何か』はさっぱり分からない。

分からないが、もしも海賊を討伐する事なく、争う事なく問題が解決できるのであれば、俺は……


「俺は海賊の問題を『解決』したい。」

「うん、良い眼だね。」


討伐したところで、海賊が発生する原因があるのであれば一時凌ぎに過ぎない。

そしていつの日か再び海賊が現れて問題になるだろう。

それならば根本的な問題を解決するべきだ。

そう考えた俺は『解決』を選択するとグランマは満足げ微笑みを浮かべ


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