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異世界転生後輩  作者: 一之三頼
第2章 ラディウムのヴァイキング
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王都を取り戻した今こそ

王都マスカを攻略、独裁者ジョセフも捕縛、共和国はトップを失って解体された。

まだ新王は決まっていないようだが、俺たちは平和な日常を謳歌する事が出来るようにはなった。

ソーオウをはじめ共和国の範囲から避難していた『差し伸べる手』の仲間たちも、今では元々いた支部に戻り、王都の本部も活動を再開した。

俺もそれに伴って王都に移動し、ワシャールでも行っていた仕事に努める。

最初は本部及び各支部の再開に伴って机に積み上がるほどの書類を捌いていたが、それも徐々に落ち着いていった。

現在では俺がいなくともレオノーラさんだけで処理できるくらいだ。

唯一の問題、いや問題と言うより疑問は……


「リョータさん!お昼ご飯の時間ですよ!」

「分かった。今行くよ。」


何故かアニエスが未だに俺たちと共に居る事だ。

共和国が解体され、どこかの教会にでも戻るのかと思っていたら普通について来ていた。

仲間たちが各支部に散った事により、炊事などの仕事をこなせる人材がいなかったから助かってはいるが、戻らなくても良いのかと思わざるを得ない。

しかしそれを聞いては暗に『出て行け』と言っているようで聞きづらい。


「リョータさん?行かないんですか?」

「あ、あぁ、悪い悪い。」


余計な考え事をしていたせいで横からアニエスに顔を覗き込まれる。

少なくとも迷惑に思っている訳では無いし、それどころか俺も皆も彼女がいてくれて助かっている。

彼女がここにいる事を望むのなら、喜んで受け入れる。

それで十分だろう。

そんな事を考えながら、俺はアニエスに連れられて食堂に向かう。

しかしそこには思わぬ人物が混ざっていた。


「うん、美味しいね。」

「ありがとうございます!」

「いや、なんでいるんだよ。」


至極当然と言わんばかりにフリードが食卓に着き、まるで『差し伸べる手』の一員かのように仲間たちと並んで昼食を摂っていた。

食料供給とか、いろいろと融通してもらってはいるからこの場にいること自体は否定しないけど、あまりにも馴染んでいるし、そもそも何をしに来たのか。

そして来ていたのなら一声掛けてくれても良かったのではないだろうか。


「なに、少しばかり様子を見に来ただけだよ。落ち着いて余裕ができた頃合いだと思ってね。」

「そうか。まぁ特に問題らしい問題は無いぞ。お前の言う通り余裕もある。」

「それは何より。」


また面倒ごとでも持ち込んできたかと思ったが、用事があった訳ではなさそうだ。

そうだ、ちょうどフリードが来てくれた事だし、いい機会だ。


「なぁ、フリード。一つ頼みがあるんだけど。」

「なんだい?聞くだけ聞いてあげるよ。」

「助かる。実は……」


俺は王国を取り戻した今こそ、フリードに協力して貰いたい事を頼み込む。


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