表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生後輩  作者: 一之三頼
序章 転生
10/247

検問と後輩

「止まれ!」

「少しばかり荷を改めさせてもらうぞ。」


検問では赤い鎧を着た2人の兵士に止められた。

何事も無ければいいが。


「貴様ら、どこに向かっている?」

「交易の為に、リビユの街へ。」

「商人の一団と言う事か。どこへでも金の匂いを嗅ぎつけて、卑しい連中め。」

「おっしゃる通りで。しかし国に対する忠心が無いわけではございません。こちらをお納め下さい。」

「………ふん。それでいい。」


兵士の一人はレオノーラさんに詰問して嫌味を言う。

一方のレオノーラさんは表情を変えず、賄賂を渡す事でそれをいなす。

兵士は不満げな表情だが賄賂を受け取り、それ以上は追及しない。

検問とは言うけれど、実際の所は賄賂を回収するためにあるんじゃないかと疑わしい。

以前もタガミ先輩が兵士に賄賂を渡していたし、そこかしこに腐敗した兵士たちが蔓延っているのだろう。


「さてと、こっちは馬車の中を確認させてもらうぞ。」

「…………。」


もう一人の兵士は馬車の中を軽く確認する。

積み荷の一つ一つをしっかりと確認している訳では無いので、今のところ樽の人(仮)はバレていないようだ。

ドキドキしながら確認が終わるのを待っていると、兵士から質問された。


「お前らの商会はどこのギルドに属している?」

「分かりません。」

「分からない?お前はこいつらの仲間ではないのか?」

「すみません。こいつは先日雇ったばかりの新入りでして。」

「道理でパッとしない腑抜けた面をしている訳だ。」


腑抜けた顔って、余計なお世話だ!

と言いそうになるが、グッと堪える。


「俺達は共和国西部にあるバゼノーのギルドに属してたんですが、反乱軍の連中に占拠されてこっちまで避難してきたんですよ。」

「そうか。それは大変だったな。だが安心すると良い。我々は反乱を早急に鎮圧し、あの頃の様な平和を取り戻して見せよう。」


うん、腑抜けた顔とか言われたが、それでも外の兵士と比べるとかなりマシに見える。腑抜けた顔とか言われたが。

まぁ兵士の全員が全員、碌でもない奴な訳が無いか。

そんな事を考えていると樽の人(仮)はバレる事なく無事に確認が終わったようで、兵士は馬車から降りて賄賂を受け取った兵士と合流する。

よし、これなら無事に検問を抜ける事が出来そうだ。


「積荷は特に問題は無さそうだ。」

「あぁ、こっちも話を聞いたが、問題はないが………」


問題は無いが?

なんか引っかかる言い方だな。

問題は無いならさっさと通してほしいんだけど。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ