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”徳”という名の闇

「君たちがさっきのゴブリンの耳を持ってきたのか?」


「うん、そうだよ」


 俺は答える。すると、男が声色を変えて言う。


「お前ら、”罪”スキルだな?」


「あ、ああ、そうだけど……」


 正直にそう告げると、男と受付は顔色を変えて、


「この世界を乗っ取ろうとする悪魔め!」

「わたし、通報してきます!」


 と叫んだ。な、なんだなんだ!?





 そこからは泣く子も黙って絶句するような目まぐるしさだった。まず、俺達は警察のようなものに捕まえられ一時間ほど留置されたあと、なんとびっくりそのまま裁判を受けることになってしまった。かの有名な裁判ゲームの”ウ”が抜けた裁判長もびっくりだ。俺達三人の前には裁判長と裁判官らしき人物達が、横には検察官らしき人物がいた。いや、前世と服装は違うものの、まとっているオーラが同じだ。違いはそのオーラの量だ。いや、量と言っていいかどうかはわからないが、それは殺気に近い。


「これから”罪裁判”をはじめる」


 裁判官らしき人物が言う。そいつが言うと検察官らしき人物が脚本家もびっくりな脚色ぶりで俺達の罪を語りだす。オイ、論理が破綻してるぞ。ってか、俺達そんなこと一つもしていない。

 やがてその話が終わる。その途端、


「死刑だ!!」

「大罪人を殺せ!」

「罪人に処罰を!!」

「あのお方のために……ッ!」


 な……。俺は絶句する。これでか……?あのお方?この罪裁判とやらで何人犠牲になったんだ?


 《この”罪スキル”という仕様のせいで少なくとも百万ほどが迫害などを受け、十万の命が失われました。》


 マジかよ。徳という名の闇、というユニの言葉を思い出す。そんなになのか……。ちょ、なんとかしようぜ、これ。


「よし、逃げるか」


 小声で言う。誰が悪かわからない以上、誰かを殺してすむ問題ではない。しかし、”あのお方”が誰かは知らないが元凶は必ずいる。これ以上犠牲は出させない。そのためなら神殺しの大罪だって犯す。自分の心の中でそう決めたのだった。

ここでやっと序章が終わりです。

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