第二歩と出会い
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この世界の常識をユニから教えてもらっていたら、7区の南の町、エリトレについた。しかし、なぜ誕生したばかりのユニがそんなにわかるんだ…?
《それは私自身の能力によるものです。私は、思考加速、全知、詠唱破棄、並列思考、能力改変の5つの能力を持っています。》
ユニが言うには、
思考加速…思考、知覚を1000倍まで引き延ばす。
全知…隠匿されている事象以外のことを全て知ることができる。
詠唱破棄…無詠唱で魔法を行使できる。
並列思考…複数完全並列思考が出来る。
能力改変…元になる能力を消費して強化、進化出来る。
の権能があるらしい。ちなみに、俺とユニは一心同体らしく、一つの魂の器の中に二つの魂がある状態らしい。能力は魂の力で器に刻まれた能力を使う為、俺の能力はユニも、ユニの能力は俺も使うことができるらしい。
それより町に着いたので、早速ギルドで登録をしようと思ったのだが…15〜16歳くらいの女性二人がチンピラ達に襲われて…いや、あれは怒りに耐えてるな。さ、殺気が…。しかし、チンピラ達はそれには気づいていない様子。
よし、あいつらぶっ飛ばそう。そう心に決めて、能力を発動する。
「“転移”」
そう呟いて、チンピラ達を近くの川に転移させて落とす。目線で気づいたのか、女性二人が駆け寄ってくる。
「ありがとうございます」
「貴方が来てくれて良かったわ。もう耐えられなかったから、危なかったわ」
やっぱり?
「いや、お礼には及ばないよ」
「貴方はどこへ?」
「ああ、ギルドに行こうとしていたんだ」
「私達もギルドに用があったのです。一緒に行きませんか?」
「そうしよう。二人の名前は?」
「私がアノードで、」
「私がカソードよ。私達は双子なの」
「へぇ。俺は四神澄…こっちの世界だったらトヲル・シガミになるのか」
「もしかして、貴方、転移者なのですか?」
え?!何故?!というのが顔に出たのか、
「ああ、この世界では転移者が多いのよ」
「はあ、そうなの?」
拍子抜けだ。思考を読まれたかと思った。
「なによのその気の抜けた返事」
「そう言えば、能力は大丈夫ですか?罪系だと色々支障があるのですが……」
「ああ、大丈夫。全部罪系だから」
満面の笑みで言う。冒険者ライフが楽しめるからな。まあ、徳系でもなれるけど。
「どこが大丈夫なんですか……」
「まあ、手に入れた能力は捨てられないからな。有効活用が大事だろ。何事も使い様だし」
「な、成る程…。そうゆう考え方もあるんですね…」
「私達も双子って言う罪系の能力を持っているの。だから、家から追い出された所なの。でも、その考え方はなかったわ。勉強になったわ。ありがとう」
そう言ってお礼を言う。いや、罪系ってだけで追放って、おかしいだろ。トヲルは激怒した。そしてその悪の元凶を生かしておけぬ、と思った。なんて。
「この紙に名前と年齢、得意武器を書いてください」
そう言って、ギルドの人が紙を渡してくれる。今、ギルド登録の手続きをしている。得意武器……?なんだろう?武器なんか体育の授業の竹刀ぐらいしか触ったことがない。
《マスターの場合、大剣ですね。後ほど“武器召喚と詠唱してみてください。》
は、はあ…。得意武器の欄に大剣と書く。
「では、この水晶に手をかざして魔力を流してください」
手をかざし、魔力を水晶に流す。てか、普通に魔力流せてるな…。意外にも、水晶は割れない。
《私が流れる魔力を調整しました。》
あ、ユニさんのおかげか。しかし、少し割ってみたかったな…。
《……。》
ユニさんが何か言いたそうだが、気にしない。登録を終えた俺は説明を聞き流す。ユニが説明してくれているのだ。聞き終わった後、依頼選びを始めた。