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NA!RI!KI!N!

「ええ、ええ、知っていましたわ。あなたが私の王子様なのですね!」


「は??」


 ちょっと何言ってるかわからない。え、えーと、恐怖で頭がいっちゃった感じか?


「ふふ、戸惑っているようですね?」


 ま、まあ。じゃなくて、いきなりどうした?!なんか怖いんだけど?!


「私はあなたの心の王女、アリシアですわ!!」


「ッッッ、はあああああああッ!!?!?」





 ちょっと頭を冷やそうぜ!と城へ戻った俺達は毎度おなじみの呆れたような双子の目線を感じながら感涙に咽ぶ国王親娘を眺めていた(再会に喜んでいるのは親だけだった気もするが)。その後親娘は王の間(仮)を出ていって、俺達には軽い食事(ケーキ!)が振る舞われた。

 その二時間後。

 俺達は再び王の間(仮)に集まっていた。


「では、アノード殿とカソード殿には人民救助に協力したことに対する、トヲル殿にはドラゴン討伐と娘を助けてくれたことに対する褒美を遣わす。」


 やったぜ!これで一生遊んで暮らせる!かも!


「双子殿には聖貨二枚、トヲル殿には聖金貨十枚と娘をやる!謹んで喜べ!」


 やった……、え?

 まあ、気になったことはひとまず置いといて(ひとまず置いておくことが可能なのかはさておき)、この世界のお金のシステムについて説明しておこう。

 まず、この世界では「セル」という単位(一セル=一円程)が使われている。これは全区共通だ。そして、一〇セル鉄貨、一〇〇セル銅貨、一〇〇〇セル銀貨、一〇〇〇〇セル金貨、一〇〇〇〇〇セル聖貨、一〇〇〇〇〇〇セル聖金貨という六種類の硬貨があるらしい。

 で、娘をやるとは?……え、あれ?


「「ッッッッッッ、はあああああああああああああああああああああああッッッッ??!?!!」」

「ッッッ、はあああああああッ!!?!?」


 ヲヲイ……ッ、アホかあああああああ!?


「ええと……御本人様の同意は?」


「もちろん得ているとも!のう、アリシア!!」


「ええ、トヲル様に嫁げるなんて、夢のようですわ!!!」


「どアホかッ!!」


 親子そろって何やってんだよ?!あれ、双子殿は?そう思いながら二人を見ると、アノードは放心したようにあらぬ方向を見つめ、カソードに至っては何かにとりつかれたかのように床と小声で話し合っている。う、うひゃあ?!壮絶な威圧感に一歩のけぞる。


「さあさあ、他の女なんか気にせずに」


「オイ、お前が元凶なんだぞ」


 クチ悪いな、このジジイ。

 ……なんだこのお茶の間の騒ぎティーポットテンペスト


「それで……トヲルさんは……どうするのですか……?」

「それで……、トヲルは……どうするのよ……?」


「ぐ、ぐげえ?!」


 あ、圧がすごい……。なんだなんだ、謎の覚醒でも成し遂げたか?!


「い、いや、もちろんお断りだよ??!」


「な、なに、私とアリシアの頼みが聞けんというのか!?!??」


「いや、俺の意見は無視なのか?!」


「と、トヲル様……。」


「いや、そんな目で見てもダメだかんな!?!」


「そ、そうよ、トヲルなんて不幸ホイホイよ!!」

「そ、そうですよ、あ、あなたも巻き込まれるのは嫌でしょう?!」


 オイ、双子?それは怒っていいと思うんだが!?


「いいえ、私はどこまでもトヲル様についていきますわ!!あなた達もそうなのでしょう!!?」


「え?!あ、いや、私は、そんなことは……、」

「えええっ、いや、私は、その、ええと、なんというか、い、いや……、」


「??」


「と、トヲル殿!!ど、どうか、アリシアと結婚してくださいッ!」


 はあ、こりゃ面倒くさいことになった。 

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