テンプレ的誘拐
「王女が、攫われました!」
うん、テンプレ的だね。
『な、何?!』
しかしながら、アノードとカソードは二人平然としている。ん、俺が何とかするとでも思っているな?まあ、そうなのだが。
そんな双子の様子を見て王が言う。
「あ、あの、なんとか、出来るのかですか!?」
動揺で語尾が変になっている。二人は顔を見合わせ、言う。
「トヲルさんなら……」
「ええ、すぐなんとかなりそうね」
うんやっぱり。でも、人任せは、良くないと、思うんですけどぉ。
「な、なに、トヲルさん殿?!本当かですか?!」
「ええと……、う、うん、ホントだよ」
う、安請け合いしちゃった。まあ、そんな人のにおいで追跡する警察犬のようなことはできるわけもなくて……。
《出来ます。》
あ、できるのね。どうやら俺にできないことはないようだ。……これが自画自賛でないことが怖いよね。
王が叫ぶように言う。
「な、なんでと!?ほ、真か?!」
王の言動はどんどん支離滅裂になっていく。はあ、わかりましたよ、とっとと助けに行くか。転移!
というわけで、6区にきた。どうやら、アリシア嬢ー王女はアリシアというらしいがーは6区東の森にいる様だ。ええと、ここら辺にいるはずなんだけどな……いた。
アリシア嬢は馬車に乗っていた。馬車は止まっており、その周りに男達がいる。
「とっとと運ぼうぜ」
「いや、ちょっと待てよ。ちょっとくらい彼女で遊んでも……」
うへえ、なに話してんだよあいつら。下品だなあ、と考えながら男達の前へ姿を現す。
その蹂躙は一瞬で終わる。"破響滅"という魔法を使ったのだ。"破響滅"とは、なんぞや!と言う声が聞こえて来そうなので説明しておく。これは波長の違う音波を相手の三半規管に多方向からあて、作為的に酔いを誘発したのだ。脱却者には効かないのでは?と思いがちだが、精神汚染という形で効果を現すらしい。
男たちが音を立てて倒れる。ふ、またつまらないものを……。
それは置いといて、早くアリシア嬢を助けに行こう。
馬車の中に入ると、一人の女性が外を見ていた。例えるならば電車の車窓を見ている感じだ。余裕あるなあ。
「おーい、助けに来たよー」
「ふふ、やっと来ましたわね?」
「??」
「ええ、ええ、知っていましたわ。あなたが私の王子様なのですね!」
「は??」
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