表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/52

第9話 ストア

 ログハウスに帰って来た。

 僕は、〈精神を安定させる湧水〉を飲んで一息付いた。この湧水の効果は分からないが、とりあえず飲み続けている。

 依存性のないことを祈ろう。


 手元の、腕甲を見る。トロールからのドロップアイテムだ。


「これ、どうしようかな……」


 祖母は、これを加工していたのだと思う。

 だけど、自分に出来るのかが分からない。最低でも、炉が必要なはずだ。

 このログハウス内にあるのだろうか?


「これは、古物商に売りに行けないよな……」


 素材は分からないが、貴金属ではないと思う。作りも精工であり、映画の小道具と言えば通じるかもしれないが、価値はないと思う。何より、出所を聞かれたら答えられそうにない。


『それでは、〈ストア〉を使ってみましょうか』


 ん? サクラさんからの意外な提案であった。

 ストアか、祖母の手紙を取った時に聞いた言葉だな。


『まず、ステータス画面を開いてください。そして、スキルの〈ストア〉をタップしてみてください』


『ステータス』


 今日は、声に出さなかったが、目の前にステータス画面が現れた。

 そして、〈ストア〉をタップする。

 ステータス画面が変化し〈販売〉〈購入〉の項目になった。


『〈販売〉をタップして、画面に腕甲を入れてください』


 サクラさんの言うとおりにする。すると、腕甲は、画面に吸い取られた。

 ステータス画面が変化する。〈査定中〉と出たのでしばらく待つ。

 一分くらいだろうか。査定結果が出た。


「一万ゴールド? お金の単位が違いますね」


『ゴールドは、ストアのみで使用できるお金になります。元の世界では使えません』


 ふむ……。まあ良いや。『はい』をタップして売却完了。

 とりあえず商品を見てみるか。

 今度は、〈購入〉をタップする。

 商品のカテゴリーが出た。

 一番気になった、〈薬品〉をタップして、スクロールしてみる。


 ・薬草:百ゴールド

 ・ポーション:千ゴールド

 ・ハイポーション:一万ゴールド

 ・フルポーション:十万ゴールド

 ・エリクサー:千ゴールド

 ・エーテル:千ゴールド

 ・万能薬:一万ゴールド

 ・短期間睡眠薬:千ゴールド

 ・聖水:五千ゴールド

 ・パナケイヤ:十万ゴールド

 ・体力の薬:一万ゴールド

 ・走者の薬:一万ゴールド

 ・解呪〈石化〉:一万ゴールド

 ・薬丹:百万ゴールド

 etc


「ゲームみたいだな。でも名前から効果の分かるのはありがたいかもしれない。〈称号:解読師〉の効果かな?

 タップすれば、詳細が見られそうだけど、今は良いや」


『今は、薬品は不要ですね。それよりも食事の欄を見てください』


 今度は、〈食事〉をタップして、スクロールしてみる。


 ・おにぎり:百ゴールド

 ・オートミール:千ゴールド

 ・高カロリーレーション:千ゴールド

 ・お弁当〈梅〉:千ゴールド

 ・お弁当〈竹〉:一万ゴールド

 ・お弁当〈松〉:二万ゴールド

 ・麺料理:二千ゴールド

 ・丼定食:五千ゴールド

 ・ステーキセット:三万ゴールド

 ・コース料理:十万ゴールド

 etc


「なるほど、遠出するのであれば、便利かもしれないな。輸送の問題も解決出来るし」


『あ、忘れていました。宝物庫に水筒とマジックバッグがあります。それと、双剣と冠を装備してください』


 ・魔法の水筒……大量の液体を納めることが出来る。時間停止機能あり。

 ・マジックバッグ……容量無制限の魔法のバッグ。時間停止機能なし。

 ・陰陽剣……一対の双剣であり、魔力を送れば、岩でさえ両断出来る。投げれば、目標を必ず切りつける。

 ・金霞冠(きんかかん)……金光の霞が立ち込めて姿を消すことが出来る。索敵無効化。


 ふむ。便利そうなアイテムだな。宝物庫に移動して、装備する。それと、一応仮面も持って行く。


『それと、貴重品ですが、〈帰還石〉を一つ持って行ってください。石を割れば、すぐにこのログハウスに転移出来ます』


「貴重品? 数に限りがあるのですか?」


『今のところ十個です。優莉さんのレベルが上がれば、新しく作れるでしょうけど、当分は無理ですね』


 帰還石か。なるべく使わない方向で行こう。


『準備は万端ですね。それと、最後にブーツの使い方を説明しますので、外に出てください』


 必要な物は揃ったのかな。しかし、ブーツ? 先日選んだ物だが、これにも何かしらの効果があるのか?

 外に出て、まず水を水筒に水を汲んだ。見た目の容量以上に水が入るものであった。

 これで良いだろう。


「ブーツの説明をおねがいします」


『そのブーツは、〈風火輪〉と言って飛べます。風と火を操る物です。意識を集中して浮かぶイメージを持ってください』


 便利そうだな。ブーツに意識を集中してみた。

 すると、風と火が生み出されてわずかに浮くことが出来た。ただし、飛ぶのは相当練習が必要そうだ。


『今は、それで十分です。空中で方向を転換するのに使用してください。

 それと、ステータスを開いて、ステータスポイントを割り振ることを忘れずに』


 はい、忘れていました。

 ストアの画面を戻し、ステータス画面を表示させる。


-----------------------------------------------------------------------

名前:二階堂優莉

レベル:248

筋力:30%(+10%)  体力:30%(+10%)

速度:25%(+5%)  知力:25%(+5%)

防御力:30%(+1%) 魔力:未開放

魅力:50%

スキル:言語理解、魔導具所持、ストア、恐怖耐性

称号:異世界人、解読師、道士、異界の顧客

残りステータスポイント:0

-----------------------------------------------------------------------


 八卦衣があるので、攻撃力を少しだけ重視してみた。

 ここで思う。


「サクラさん。レベルの上限はありますか?」


『一応、999が上限です。ただし、個人によって上限があります。優莉さんの上限は教えられません』


 全部75%にするのには、残りステータスポイントが260必要か。レベル600を目指そう。

 それと、個別項目があったから、全部75%にした後は、個別項目に振って行くのだろう。

 だけど、僕のレベル上限が600に届くのか、疑問が残る。

 戦闘するのであれば、ステータスの振り分けは考えないといけないな。

 極振りが良いのか、全部75%が良いのかも分からない。

 でも、それも、魔導具次第で決まる……か。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ