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ロウ・デ・アーガ  作者: マエD
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第0話

小説自体初書きになります。

文章がぐっちゃぐちゃだと思いますが、少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。



そこは死の匂いが漂い、激しい閃撃が轟く戦場だった。


魔法や魔術、剣撃や神技が飛び交う戦場の一角に、誰も立ち入らぬ場所がある。

何故なら、そこに立ち入ったとして生きていられる訳 が無いとみなが理解しているからだ。

唯の一部の者達を除いては。


そこで行われている戦闘は異常。

一つ一つの衝突で地は震え、度々地面には亀裂が入る。


「フハハハハ!!死に絶えるがいい!人も神も何もかもに等しく死を!!」


数人が相手にしているのは全身が黒く染ってしまった1人の男。

暴走させた魔力を周囲に纏いながら、無造作に小規模な魔力砲をあらゆる角度へと乱射している。


「ありゃ堕ちるとこまで堕ちてんなぁ」


戦場には似つかわしくない軽いテンションでそう言い放ったのは、煌びやかな金髪に白金の鎧を纏った、20過ぎくらいの男、エヴァン・イシュメルだった。

その手には、男の身長よりも長い長槍が携えられている。


「力を強制的に暴走させられてるんだ。あいつの意識は奥底に閉じ込められている。今あるのは恐らく、契約していた堕天神の意思だろうな」


淡々とそう答えたのは、漆黒に染まる黒髪に全てを見透している様な赤眼をもった15、6歳程の青年、アラン・アラステアだった。

紫を基調とした服に全身を包み、腕と腰周りには黒に近い紫の鎧を纏っている。

その手には、着ているものと同じ基調の両手持ちの剣がある。


彼らが対峙しているのは、元は神の使いの天使として、契約者に力を与えていたもの。あるいはその契約者。


本来神や天使、悪魔達は世界に直接の干渉は許されていない。

許されているのは、自身の力を制約付きで、その世界に住まう者に貸し与える事。

しかし中には制約、許されていない盟約を無視し、直接干渉しようとする者が少なからずいる。

今回対峙している相手も、その盟約を破り、世界に直接干渉をして虐殺を繰り返した結果、神々に権限を剥奪され堕天使となったものだ。


彼の天名はベリアル。現在は最後の足掻きとして自身の契約者を我がものとし、神々による処刑から免れるべく暴走している真っ只中だ。

今も数人の神付きがベリアルに攻撃を仕掛けているが、効いている様には見えない。


しかし、神々はどんな事があろうと世界に直接干渉をする事が禁じられている。

故に、契約者達に頼らざるを得ない。


「あいつ自身がベリアルって事は、力を抑えてる...わけねぇよな」


「その通りだ、契約者に力を与える際には必ず制約が付いてくるからな。だがあいつは既に契約者を触媒として自身と化しているから、制約もなにもない」


本来神や天使らに力を与える際は、抑止力が働き一定異常の力を出せなくする、又は一部の力を使えなくするなどの制約が付けられる。

しかし、盟約を破って自分自身を契約者に憑依させてしまっていては、抑止力もどうする事もできない。


「倒すには神付きが10人は必要か?」


エヴァンが、アランに問う。

本来力は、悪魔、天使<神で変わってくるのだが、勿 論神の力を与えられていようとも制約によって弱体化する。


制約に縛られず、現在進行形で暴走している堕天使本人と、制約によって力を制限させられている人の契約者。

どちらが上かといわれれば、堕天使の方が圧倒する。


「神付きが10や20で束になった所で全力の堕天使には勝てないだろうな」


じゃぁどうするかと考え込むエヴァンを他所目に、アランは意識を集中させて念話を試みる。


《おい、聴こえるか?》


数秒間を置いて、返事はすぐに帰ってきた。


《どうかしたか?我が契約者よ。存外苦戦を強いられているようだが》


帰ってきたのは、まだ幼さの残るからかい声。現在は神界にいるのか家で待ってるのかはわからないが、彼女はアランの契約神。アランに力を与えた神である。


《あの暴走した堕天使、相当な強さだが天使の中ではどの位の力があるんだ?》


《そうさな、我が知ってる中ではルシフェルめに続いて2番目くらいかの》


ただでさえ制約がないために全力を出してきている上に、力が天使中No.2ともなると、数人が同時に神技を発動しようとも、仕留めるには足りないだろう。


《どうした、怖気付いているのか?》


またもからかうように問いかけてくる。

このような事態において、対処方は一つだけある。

しかし、自身の契約神の神名を知られる可能性がある ため、使う事は出来るだけ避けたい。


《そんなわけあるか、どうすべきか考えていたところだよ》


《そうか...だが、主が我に念話を求めたという事は、そういう事であろう》


彼女に念話をかけたのはとある確認の為である。


《第二神技の解放...か。その判断はお前に一任しているはずだが?》


《まぁそうなんだけど...さ》


神達は誰しも、契約者以外の人間に名が知られるのは好まない。

理由は十人十色、皆に事情があり理由がある。


そのため、契約者達も事情を考慮して神技や天技の使用は避けている。


《我は構わぬぞ、別に無意識以外では因縁等付けられるようなことはしていないからな》


それに...と、アランの契約神は言葉を続けた。


《我らに与えられている役割は、罪を犯した者に神罰を与える事。その為の我らであり、その為の、抑止力と神々によって与えられた第二神技でもある》


神々にとって今回のような事態に陥った際、対処方を用意してはいた。

だが、抑止力はその力を許しはしたが、条件を設けた。

神々が総出で創り出した第二神技、その使用者は1人に限るという事。


そしてその神技の預かり主に選ばれたのが、青年の契約神である。


《お主が我と契約出来ている時点で、第二神技までの使用者としては認められている。出し惜しむ事も我に考慮する必要もない。お前はお前のやりたいようにやれ。我は、ただ契約者である主を支えるだけだ》


からかう様な口調も、いつしか子を見守る母の様な、穏やかな口調へと変わっていた。


《わかった。そこまで言うなら俺はお前の期待に応えるとするよ。ありがとう、ネ―》


改めて自身の契約神に、敬愛を込めて礼を言うと共に、彼女の名を口にしようとした所を

《だがー》と彼女に止められてしまう。


《だが、いつも言ってはいるがこれだけは覚えておくのだぞ》


《何があっても必ず帰ってこい、アラン。お前は我にとって唯一無二、最初で最後の契約者であるのだからな》


最後の方は少し恥ずかしがりながら、呟く様に言い残して、契約神は念話を終わらせた。


「ふっ...さて、やるか」


己の契約神が恥じらいながらあの言葉を呟く所を想像すると、少し気分が軽くなる。



―その頃、当の契約神はというと、恥じを無理やり押し込めて一度深呼吸をすると、顔に手を添え表情を緩めながら呟く。


「存分に己を示すがいいぞ、我が契約者よ。[神罰を下す断罪者]。その通り名の元に...」



己の契約神との念話が終わったあと、アランはエヴァンに、


「神技を使う。少し時間がかかるから足止めをしておいてくれ。場合によってはお前の神技を使ってもらう事になるが」


と言い放った。


「マジかよ」


「マジだ」


お互い真顔でそう言ったが、たちまちエヴァンが、


「しゃーねーからな、請け負ってやるよ」


そう言うと男は、力に足を込めてベリアルに向けて全力で跳躍した。

その跳躍は音速に匹敵し、寸前まで居た場所に小規模なクレーターを残していった。


それを見送ると同時に、アランは右腕に魔力を集中させる。すると、肩の方から手に向けて、黒薔薇が伸び始め、瞬く間に手まで辿り着き、続いて手のひらの中で絡まり始めた。


自身を魔力が覆い始め、その姿も一変する。紫を基調とした服は黒を基調としたものに変わり、上半身のシャツが消え、黒の毛皮が左肩から後ろを通り右腰にまで伸びてきている。


右手に携えてた剣は消え、変わりに黒薔薇が密集して出来た漆黒の水晶を持っていた。


アランは水晶を前に出すと、力を入れてそれを割る。すると、割れた水晶の破片が一点に集中し始め、続いて目の前に無の空間が現れる。


その空間に手を入れると、肘まで入れた所で目的の物に指先が当たり、それを握ると勢いよく空間から引き抜く。


引き抜いたのは自身の身長よりやや大きめの片刃長剣。黒を基調としたシンプルな造形をした剣の由来は断罪。

神々が盟約を破るものに対して用意した対抗策。使用者の意思によって効果を変える。

普通の剣として扱う事も出来れば、その一太刀を受けたものの契約を強制的に切ることすらも可能だ。

その剣を肩に担ぐように持つと、アランはベリアルに向けて全力で距離を詰めた。

数秒でベリアルにまで距離を詰めた青年は、担いでいた剣を横に全力で振り切った。


凄まじい風切り音を上げながら、ベリアルに吸い込まれるように入っていく。


アランの攻撃に気付いたベリアルは剣を受け止めようと防御に入るが、寸前で回避に切り替える。

その斬撃がいくら硬い守りだろうと容易に切り裂くものだと知って。


「チッ...」


斬撃が躱されて苦い顔をしたアランに向けて、ベリアルが問いをかける。


「禍々しい気配をした剣にその魔力反応...そうか...貴様が断罪者か...!」


気味の悪い笑い声を上げながら、ベリアルは天技を使用せんと魔力を集中させ始めた。


「エヴァン!神技をもって相殺しろ!」


「あいよ!!」


金髪の男は威勢よく受けると、槍を投擲する構えに持ち直してから魔力を集中させた。

他の神付きでさえも、周りにいたら気持ちが悪くなる程の、おびただしい量で濃密な魔力が男とその槍を包む。


「貴様程度の神技で我が全力の天技に撃ち勝てると思うな」


ベリアルはそう言うと、集中させた魔力を一気に解放した。


「天技ー 我が偽りの虚飾(ヴィ・ジユ・クトル)


ベリアルの天技がアランとエヴァンを巻き込むように放たれる。


「ちとキツいが、ここで止める!」


そう言うと、エヴァンも神技を解放した。


「神技― 全を射抜く主神の(グン・グニル)!」


ベリアル本人ではなく、その天技に向けて投擲された槍は、徐々に天技を押し戻していく。


「おいアラン!あまり長い時間は持たねぇから急げ!」


ベリアルの天技は常時放たれる魔力砲。それに対してエヴァンの神技は一撃必殺の単発型。質量で押し戻されるのも時間の問題である。


「わかってる」


そうアランが答えると、既に溜めていた魔力を解放した。


「来るがいい断罪者!貴様の力がどれ程のものかこの我が試してやろう!」


「神技ー」


一瞬の溜めを置いて、アランは神技を放つ。


「ー 神を仇なす者に神罰を(ロウ・デ・アーガ)。その死をもって、自身の行いを恥じて消えゆけ」


アランから放たれた神技は、ベリアルの天技に激突しその瞬間。周囲が闇に包まれていった。



















なんか似たような作品読んだことある、と思うかもしれません。

数多の作品に影響を受けている事など言うまでもありませんが、受けています。


自分は自分が面白いというものを書きたいと思うので、どうか小さい事は気にせず付き合っていただけたらなと思います。

また、更新を続けていくかどうかは反響次第かなと思っています(諸事情により)。


あと、今度キービジュアルでも描こうかと思います。

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