ロウ・デ・アーガ
これ以上目の前で大切な人を失いたくないと、少年は決意した。
8年前の大災害。神界から追放された堕神の暴走によって、両親と妹を失ったアラン・アラステアは、絶望の真っ只中で1人の少女と出逢う。
自身と同じ黒髪に赤い瞳を持ったその少女は、己自身を神と名乗り、問いかけてくる。
ーー小僧、貴様はなんの為に力を得たいか。得た力を何に対して行使するのかーーと。
そして現在、彼女との契約を果たしたアランを待っていたのは、世界中の強者が国の為に一斉に戦う無意味な戦いであった。
目の前で無関係の人々が巻き込まれ死んでゆく姿を見て、アランは決意した。この無意味な戦争を、自分自身の手で終わらせようと。
ありとあらゆる強者を前にして、少年は剣を振るう。
第0話
2018/09/28 22:51