プロローグ
僕が青春ラブコメに憧れ始めたのはいつだろうか。
小学生の頃読んだ週刊少年誌の影響だろうか。
中学生の頃はまった漫画だろうか。それともほかの影響か。はたして何かわからないがずっと僕は青春ラブコメの主人公になりたかった。
そのように思い続けて僕は青春ラブコメの主人公になれないまま今に至る。
今日もまた何もない日常が始まる。
家から駅まで歩き、座って通学できるように最寄駅始発の電車に乗る。
クラスに行くと女子はもちろん男子も誰も僕に話しかけず、ホームルームまでの時間を過ごす。
担任がやってくる。
空虚な連絡事項を伝えた後、担任は出ていく。1時間目の授業が始まる。あくまで自称進学校のため、教え方は下手くそだ。生徒は誰も授業を聞いていない。それだけはほかのクラスメイトと共感するところだ。
授業は聞いたふりをして昼になり、食事をして授業を聞いたふりして放課後になる。
そして家に帰り1日が終わる。
ヒロインどころか友人もいない学園生活。こんな中でどの世にして学園ラブコメを演じることができるのか。またこのような中で話が成立するのだろうか。着地点のない、前代未聞のヒロインなしラブコメを僕は突き進む。