ウォーターワールド
もう少しで夜が明ける………
サラは寝ている間もずっと佐藤に抱きつき離れなかった……今も尚……可愛い寝顔で寝息を立てている……
佐藤は一晩中……ずっと……この広い世界を眺めていた………
(……………………………)
日が登り始めると、バーニングがむくりと起き上がった
「…………………サラー……………朝だよ…………うおっ!?」
起き上がったバーニングは佐藤を見て驚いた
……………………
「そういえば…オマエもいたんだよな………一瞬サラがモフモフになったかと思ったわ………」
…………………
「………それより……早く行こうぜ……豚王の所によ」
「………まだ豚王の所にはいかんぞ」
「は!?話し違うだろ!?」
「まぁ、落ち着け………
仮に今行ったとしても、豚王にたどり着く前に死んじまうんだわ………」
「あ!?………
まぁいいや………それで?」
「今、ワタシ達はある街を目指している……そこには治癒能力を持った魔法使いがいる」
「…………
あー……はいはい……そいつも連れてくのね……」
「そういう事だ」
「……まわりくでぇな………」
「オマエ……ホント豚王舐めんなよ!?」
「あー………わかったわかった………じゃ………その街行こうぜ早く」
………………………
「んー…………」
サラが目を開けた…………
…………………
「…………おはよ…………サトー………………」
「おう」
「サトー………ふかふかで……気持ち良かったよ………」
「おう、わかったからもう起きろガキ……行くぞ」
「………うん…………わかったぁ…………」
サラは眠たい目をこすりながら立ち上がった
……………………
……………………………
………………………………………
そして、3人は目指す街に向かって歩き出した
…………
………………
………………………
「おい、魔法使い」
「なんだ」
「なんで俺はこのガキを肩車してんだ」
「別にいいだろ」
「良くねぇよ」
サラは楽しそうだ
「高い高いー♪サトー凄いねー♪」
「おいガキ、自分で歩け……ろくな大人になんねーぞ」
「いいじゃんサトー♪もう少しだけ♪」
「…………はぁ〜……………
なぁ………魔法使いなんだからよ………魔法使って一瞬で街とか行けねーの?」
「そんな非現実な事できる訳ないだろ!?バカか!?」
…………………
「………散々……非現実な事してたじゃねぇかよ…………」
「んふー♪楽しいねー♪サトー♪」
……………………
「……………はぁ〜…………俺は何してんだか…………」
しばらく歩くと………高い壁に囲まれた、おそらく街だと思われる所が見えてきた
「あれか………街って?」
「そうだ、ウォーターワールドだ」
「ふーん………悪魔来るから壁に囲まれてんのか?」
「よくわかったな」
「で……その治癒能力持った奴って、友達かなんかなのか?」
「いや違う、会った事もない」
「……………お前………
もしかして………これから誘うとか言わないだろうな!?」
「そうだ」
「はぁ!?じゃ来ないかもしれないの!?」
「大丈夫だ、必死で頼むから、お前も頼めよ」
「まじかょ………キレそう………」
……………………
そうこうしているうちに……3人はウォーターワールドの入口までやってきた
入口には大きな門があり、門番と思われる人間が2人立っている
バーニングが門番に話しかけた
「私は魔法使いバーニングという者だ、通してくれ」
門番の1人が佐藤を見てこう言った
「ちょっと待て、このモフモフは何だ!?」
「心配はいらない、ただの人間だ」
「こんな人間見た事ないぞ!?」
「佐藤は悪い奴じゃないから大丈夫だ」
「このモフモフを通す事はできん!」
…………………
「佐藤…………」
「なんだ」
「ここで待ってて」
「はぁ!?…………………マジで?」
「マジ」
………………………
「………………はぁ〜…………仕方ねぇな…………早く帰って来いよ………」
「おう!サラ………行くよ」
「うんー!サトーはちゃんとお留守番してるんだよー!」
「………………………」
バーニングとサラは街の中に入って行った………
「……なんなんだよ………クソ魔法使いめ………」
佐藤はその場に座り込んだ
………………
すると門番が話しかけてきた
「お前………ホントに人間か?」
「あ?人間だ……体はこんなんだけどな……」
「何でモフモフになったんだ?好きなのか……モフモフが?」
「好きじゃねーから……話すと長くなるからめんどくせぇ」
「…………お前………なんか大変そうだな」
「お!わかるか?………そうなんよ………俺の人生色々ありすぎてよ…………」
…………………
佐藤と門番はなぜか意気投合し……仲良く語りだした………
………
……………
………………………
そんな最中…………
"ガイア防衛庁"のロボット複数体がウォーターワールドに向かっていた